「夜と霧」という書籍があります。 
作者はV.E.フランクルという精神科医・心理学者で、第二次大戦中、ユダヤ人収容所に約3年半収容され、生き延びた方です。
この書籍は彼がその時の記録を書き記したものです。
 
その中で、こんなシーンがあります。
 
あるクリスマス前に、
収容所内のユダヤ人のなかで
「クリスマスに解放されるかもしれない」という噂が流れました。
そのことで、収容所内で希望を持つ人が増えました。
しかし結局その噂は真実ではなく、クリスマスに何も起こりませんでした。
 
すると、どうなったか?
 
通常より、病気などで亡くなる人が増えたそうです。
 
解放されるという期待が裏切られ、
生きる希望や、それまで耐えてきた気力も失ってしまったのだろうとフランクルは記載しています。
 
我々にとって「希望」を持つことがいかに大切であるかを考えさせられる記述です。

上記のような、生死を分ける例ではありませんが、
例えば職場で、“頑張ればいつかきっと良くなるだろう”“報われるだろう”と希望を持って働き続けてきた方が、
“ここでは頑張っても希望を持てない”
“将来を考えられない”と判断した時に
自暴自棄になる、
さっさと退職を決断してしまう、といったケースにも少し似ているかもしれません。