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今回は、
皆さんの身にも起こるかもしれない
身近な事例について、お伝えします。

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今から2年ほど前になります。
ある知人の方から、
“最近調子が悪く、
これって鬱なのでしょうか?”
と相談されました。
 
お話を伺うと、
ここ数年ご家族の介護に従事され、
旦那様と事業もされていて
非常に忙しい状況でした。
また身近な人物が最近亡くなられた、
ということでした。
 
さらに仕事や家事のため
睡眠時間も充分にとれず、
以前のように好きだったことや仕事も楽しめなくなっている。
わけもなく涙が出てくる、と。
 
そこまでお聞きして、
鬱病の可能性もあるので、
受診をされてはとお勧めしました。
 
半年ほど経過した頃。
次にお会いした時、
前回に比べ表情が硬く、
元気がありませんでした。
物事も以前に比べ、
マイナス思考に変わられていました。
 
そして、
病院は受診されていない、とのこと。
 
というのは、
旦那様に相談してみたところ、
彼女は病気には見えないし、
病院にはまだ行かなくても
良いのではないか、
との返答だったとのことでした。
 
また、
“最近(彼女が)仕事関係の方に笑顔も見せないし、その点を改善して欲しい”
“家でも休んでばかりで怠けているように見える”
とのご意見があったそうです。
 
彼女はというと、
旦那様に理解してもらえない落胆や、
以前のようにできない自分を責める気持ちも追加され
状態が悪化しているようでした。
 
やはり鬱病の可能性が高いので、
もう本当に、
病院に行かれた方が良いことを
再度お伝えしました。
 
そして当初から約9ヶ月後、
彼女はついに病院の扉をたたきました。
そして重度の鬱病と診断されたとお聞きしました。
 
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いかがでしょうか?
身近な人物、特に皆さんの奥様や旦那様など
お互いに良く知る相手であっても、
このようにサインを見逃してしまうことがあるのです。
 
また今回の奥様のように、
信頼する ご家族の意見には皆さん耳を傾けますし、
その影響力は計り知れません。
今回はご本人が病院へ行きたくない気持ちもあり、
色々な状況が重なって受診が遅れたというケースだと思います。
 
ただ、もし症状が軽いうちに受診をされていれば、
彼女は重度の鬱病にはならなかった可能性もあります。
そうすれば、療養期間ももっと短くなっていたと思われます。
 
鬱病になると、
何ヶ月も、もしくは何年も
無理をせずゆっくり休んで、
回復を待つしかありません。
 
病気になることが悪いということではありませんが、
彼女の人生の大切な時期を、
このように思いがけず休養をとらなければならない状況は
ご本人にとっても、ご家族にとっても
想定外であったことでしょう。
 
今回お伝えしたいことは、
ご家族や同僚など周囲の方の理解も大切だということです。

病気になってしまうと、
ご本人は病院へ行った方が良いのか、もう少し我慢した方が良いのか、判断がつかなくなることが多々あります。
実際、ご家族や同僚に勧められて受診される方も多いのです。
 
そのため、周りの方が病気の理解を深められ大切な方々のサインを見過ごさないことも本当に大切だと思います。

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写真素材 https://www.pakutaso.com
※エピソードは個人情報保護の関係から若干脚色を加えています。