大学時代の旧友が大阪の人材サービスの会社で人事部長をしています。
彼はもともと私と同じ経理マンであり、管理部門と営業部門の人事交流で20年ほど前に神戸支店長を3年ほど経験しました。
営業部門では労働法の知識が必須で、彼はその時に労働法規を猛勉強し、その支店の顧客が抱えていた労務トラブルを解決へ導くアドバイスをしたことで「いずれは人事もやってみたいな」と話していました。
昨年、念願がかなって人事部長に就任したそうです。
一昨年の秋、経理部長のまま社内組織の全面見直しプロジェクトに参加することになり、彼の実務は45歳になったばかりの次席の部下へ任せることになったそうです。
そんな中で人事部長が定年になってしまったので彼が後任の人事部長に指名され、後任の経理部長は次席だった部下が引き継ぎました。
昨年の4月に新体制がスタートしたものの、夏には古巣の経理部に関する不満を多く耳にするようになったそうで、彼は後任の経理部長よりそのことで相談を受けました。
受けた相談とは、経理部長より10歳上の2人の女性部下(共に課長職)の扱いでした。
1.A女史=経理課長
・10月人事で課長代理への昇格を予定している筆頭係長をイジメている
・自分のミスを押し付けて「いつ辞表出してくれるの?」と退職を迫っている
2.B女史=管理課長
・顧客への請求書発行の責任者なのに、営業部門へ非協力的な限り
・値引きや調整等の面倒なことはすべて営業部門で行うよう要求
経理部長の考えはこうでした。
相撲に例えるなら、経理課長を部屋持ち親方から部屋付き親方へ降格して管理課へ次席課長として異動させる、というものでした。
その分、管理課の係長1名を経理課へ異動させる予定でした。
部長が経理課長を兼務し、課の運営自体は筆頭係長から昇格する課長代理に任せるプランでした。
要は、2人の課長職の女性については毒を以て毒を制すという考えでした。
部門内での異動の為、人事規定ではこの為の取締役会は不要で、部門長と人事部長と人事担当役員の3者協議だけで決定できることになっていたそうです。
(続く)