父は息子2人を京都大学医学部へ進学させることに失敗し、末娘である妹の大学進学には少し異なるアプローチを仕掛けました。

父は、都市計画(東南アジアの地域開発)の研究者で、外資系シンクタンクを経てある国立大学の大学院の教授になりました。

妹は弟同様に成績優秀で、父の後継者というレールを敷かれてしまい、工学部を受験させられて都内の国立大学へ現役で進学しました(そこでダンナをGet)。

大学では、都市計画やアジアの地域開発を専攻し、挙句の果ては父が教鞭をとっていた大学の大学院で父の教え子として工学博士号を取得させられました。

 

私が妻と出会ってプロポーズしてOKをもらい、まずは妻の実家へ挨拶に行きました。

その時は手厚い歓待を受け、義父と義母は「アラサーになっても結婚の気配がなかった末娘に春が来た」と大変喜び、義姉や義兄からいろいろ質問攻めにあってさながら面接でした。

 

その次の週末に、妻を私の実家へ連れて行き「この女性と結婚するので、末永く大切にしてほしい」と私の両親へ紹介しました。

その日は、妹は正月休みで在宅とのことだったので、妹には義理の姉として紹介するのを楽しみにしていました。

いざ実家へ着いてみると、妹はしっかりトンズラしており、母からは「そこは察してあげて」と言われました。

妻からも「妹さんにとっては、大好きなお兄ちゃんを横取りされるような気分になるものよ」と諭され、まさか自分の妹にもそのような小姑根性があったとは・・・と愕然としてしまいました。

私はてっきり『あの変人の兄と結婚する人はどんな女性だろうか?』と好奇心で待ち構えていると思っていたので拍子抜けでした。

 

その妹が大学院を卒業し、大学のサークルに入ったその日から交際をスタートさせた同期の彼氏との結婚を父はようやく認めました。

挙式当日、妹とダンナ君の2人の妹さん(=小姑)とで、目に見えない火花を散らし合う一幕がありました。

ダンナ君の花婿衣装の胸の飾りが斜め横にずれていたのを妹が直そうとしたところ、小姑さんが揃って素早く割って入って「お義姉様、ここは私達がやりますから」とそれを直してしまいました。

長男の嫁である妻は「早速 妹さん vs 小姑さん の戦いが始まっている」と、同じく長男の嫁となる妹を心配していました。