本日の聴き比べは、バロック音楽の時代考証派のパイオニアとして活躍したドイツ出身/オーストリアの指揮者=ニコラウス・アルノンクール(1929~2016)の指揮による、バッハブランデンブルク協奏曲の1963年録音の旧盤と1981~1982年録音の新盤です。

解釈自体に大きな変動はなく、1963年録音の旧盤に対し、1981年~1982年録音の新盤の方が幾分テンポが速くなっています。

又、強弱の起伏が新盤の方が大きくなっています。

 

この曲を同じく2回収録した指揮者として特に有名なのは同じドイツ人のオットー・クレンペラー(1885~1973)です。

クレンペラーは時代が下るにつれてテンポが遅くなっています。

それに対してアルノンクールは若干ではあってもテンポが速くなっています。

これには恐らく、新たな学術的発見などがあり、それらを解釈に折り込んだため、結果的にテンポが速くなってしまったような気がします。

又、フレージングに関しても、よりはっきりと演奏するようなっており、これも新たな学術的発見を折り込んだからではないか、と推察しています。