自分でいうのもナンですが、私には変に器用な一面があり、ヴァイオリンを学んでいた弟と妹の見様見真似でモーツァルトのきらきら星変奏曲(≠鈴木槙一編曲版)を弾けるようになってしまいました(ただし超スローテンポで)。

 

下らない前置きはこの辺にしておきましょう。

私はモーツァルトのヴァイオリン協奏曲も好きで、オーストリアの名ヴァイオリニストのヴォルフガング・シュナイダーハン(1915~2002)がベルリンフィルを弾き振りした全曲集(CD2枚組)と、ドイツの女性ヴァイオリニストのレナ・ノイダウエル(1984年生)がブルーノ・ヴァイル(1949年生)指揮ザールブリュッケン放送交響楽団と組んだ全曲集(CD2枚組)を持っています。

 

シュナイダーハンは1949年迄ヴィーンフィルのコンサートマスターだった人で、技巧と共に音楽性で聴かせるヴァイオリニストでした。

母国が誇る大作曲家のヴァイオリン協奏曲の全曲収録に当たり、カデンツァをすべて自作し、指揮の名教師ハンス・スヴァロフスキー(1899~1975)に師事するほど気合を入れていました。

演奏の出来は、基本路線は往時の薫りを聴かせるものでまずまずでしたが、ベルリンフィルは当時の首席指揮者であるカラヤンの体臭をばっちり漂わせており、これさえなかったら文句はなかったのに・・・と感じました。

ノイダウエル盤は指揮者のヴァイルが巧く、ソリストが持ち味を前面に出せるようにバックアップする見事な出来でした。

ノイダウエルの日本での知名度は、同年代で同じドイツの女性ヴァイオリニストであるユリア・フィッシャー(1983年生)に負けていますが、力量は互角です。

ノイダウエル盤はドイツの伝統の響きを大切にしながら、清新さも織り込んだ名盤といえましょう。