今日のテーマは、このブログに書くべきかどうかを2ヶ月迷った末、書かせて頂くことにしました。

 

当時、1ヶ月後に結婚を控えていた部下(以下、A君)がいます。

ところが、A君はその1ヶ月前あたりから元気がありませんでした。

几帳面な性格からは考えられないようなミスを乱発するので、就業時間中でしたがA君を喫茶店へ連れて行き「率直なところ、このところどうなっているのか教えてくれ」と尋ねました。

はじめはただ「このところミスが続いて申し訳ありません」と言うだけでしたが、私が「君くらいの頃に実家でトラブルが発生して仕事がおろそかになってミスを連発し、上司からものすごく叱られて自殺したくなったほど苦しかったことがあった」と話したところ、A君は近況をぽつりぽつりと話し出しました。

 

彼の婚約者(以下、B子さん)の親は有力政治家で、B子さんには元婚約者(以下、C氏)がいたそうですが、そのC氏の親も政治家で、それぞれ属する政党は憲政史上ずっと対立関係にありました。

それぞれの親の猛反対により結婚を断念しましたが、このほどC氏は両親と絶縁したとのことで、B子さんへ再アプローチをかけてきており、B子さんからA君へ別れ話が出ているとのことでした。

そして、C氏はA君へもアプローチしており「黙ってB子さんから身を引いてほしい」と言ってきたそうです。

しかし、既に結納は済ませており、彼もB子さんが好きで別れたくない、とC氏ともつれ合っていたそうです。

その動揺でミスを連発して申し訳ない、と話してくれました。

 

その数日後の夜半過ぎに警察から連絡があり、A君がC氏を暴行してケガをさせたので、A君の身元引受人として来てほしい、というものでした。

警察へ車を飛ばして行ったところ、むしろC氏に問題ありでは?としか思えない話を刑事さんから聞かされました。

C氏はA君が退勤してビルから出てくるところを待ち伏せして「B子はあなたとは釣り合わない。『いい夢を見た』と思って身を引いてほしい」とか「B子の本当の幸せを願っているなら、あんたは潔く身を引くべきだ」と言われ、駅までまとわりつかれてしまい、カッとなったA君は駅の構内でC氏を殴ったり蹴ったりしてケガをさせてしまったそうです。

 

A君を一人暮らしのアパートへ送り届けると、明け方迄ずっと今後のことを話し合いました。

まずすべきことは、遠方の彼のご両親へ報告せざるを得ない、ということでした。

そして、今回は刑事・民事両面に強い弁護士をつける必要があることを、電話越しに彼のご両親へ伝えました。

どうしてもB子さんと結婚したいのか、あるいはB子さんとC氏からそれなりの慰謝料を支払わせて破談とするのか、弁護士と熟議をするように勧めました。

又、A君には1ヶ月ほど休職させました。