先週はパーシー・フェイス管弦楽団のオリーブの首飾りEl bimboについて少し触れました。

指揮者のパーシー・フェイスは活動開始の1950年~1957年頃迄と、1958年頃~1960年代半ば、1960年代半ば~亡くなる1976年の3つの区切りで編曲スタイルを大きく変えています。

1957年頃迄は軽快なポップス調で、かなり時代を先取りしたスタイルでした。

下の動画はその1例でBlue bellという曲です。

1958年頃~1960年代半ばは、管楽器を控え弦楽器を厚くした、大人の夜の音楽でした。

その1例はBlue moonという曲です。

1960年代後半からは再びポップス調のスタイルへ移りました。

その1例はEl Pasoという曲です。

又、最後のアルバムでは自身のメガヒット曲である夏の日の恋を再編曲/再録音しています。

その夏の日の恋76の余りの変わりように、初めて聴いた時にはびっくりしましたが、細かいところまでよく手を加えており、当時流行していたディスコリズムを取り込んでおり、オリジナルが1959年当時流行していたロックビートを取り込んだのと同じことをしている、と感じました。

そのアルバムの他の曲はずいぶんしっとりした曲が多く、当時中学生だった私は「末期ガンの自身の音楽家人生の総括をしている」と感じました。

その代表例が、1966年の映画Oscarの為に作曲したメイビー・セプテンバーMay be septembreという曲です。

映画ではトニー・ベネットがパーシー・フェイス管弦楽団の伴奏で歌っていましたが、最後のアルバムではジャズシンガーのレスリー・ケンドールLeslie Kendallを起用してファンへ静かに別れを告げているかのようです。