日本では1978年にエミリーの瞳Dans les yeux d'Emilieという曲がフランク・プゥルセルとポール・モーリアの師弟対決として紹介されました。
フランク・プゥルセル版
ポール・モーリア版
日本での『師弟対決』の結果は、師匠=フランク・プゥルセルの圧勝でした。
ラジオやテレビのCMのBGMや、複数局がラジオ番組のテーマ曲にフランク・プゥルセルの演奏を採用しました。
ちょっと聴いただけでは別の曲のように聴こえますが、原曲の構成に忠実だったのはアルバムタイトルに掲げたポール・モーリアの方で
旋律A(暗め)⇒旋律B(明るい)
となっています。
これに対し、フランク・プゥルセルは
旋律B(明るい)⇒旋律A(暗め)⇒旋律B(明るい)
と構成を大胆に変え、編曲も教え子よりかなり動的かつネアカになっています。
ポール・モーリアの方はボサノバ風に編曲したようで、師匠の華やかな編曲とは一線を画しているのが面白いところです。
今世紀になって知ったことですが、フランス本国ではアメリカ人シャンソン歌手ジョー・ダッサン(1941~1980)のフランス語ヴォーカル版も当時は大ヒットしており、フランスのヒットチャートはフランク・プゥルセルとポール・モーリアのオーケストラ版との三つ巴になっていました。
ジョー・ダッサン版
ジョー・ダッサンの編曲と指揮を担当したのはイギリス人のJohnny Arthey(1930~2007)で、編曲はとても見事です。
ただ、なぜか日本ではオーケストラ版の『師弟対決』だけが話題になっていた記憶があります。