今日はフランスのイージーリスニングの巨匠についてです。

フランスにおけるパイオニアとして1952年から活動していたのは、フランク・プゥルセル(1913~2000)のオーケストラです。

その後、1956年にそのオーケストラのピアノ奏者だったレーモン・ルフェーヴル(1929~2008)がのれん分けのような形で自身のオーケストラを立ち上げ、さらに1965年にルフェーヴルの後任のピアニストだったポール・モーリア(1925~2006)も自身のオーケストラを立ち上げ、プゥルセル一門が出来上がりました。

(一門といっても、ポール・モーリアは女性的で、レーモン・ルフェーヴルは中性的、フランク・プゥルセルは男性的、という具合に持ち味がかなり異なります)

この3人とは別にクロード・ヴァゾーリ(1930~2019)が1957年に【カラベリときらめくストリングス】を結成してフランスは4大オーケストラの時代に入りました。

(フランク・プゥルセル)

(レーモン・ルフェーヴル)

(ポール・モーリア)

(カラヴェリ/クロード・ヴァゾーリ)

 

私はNHK-FMの【サンデーミュージック】のお陰で、イージーリスニングではすっかりフランク・プゥルセルに入れあげてしまい、現時点で1968年以降のオリジナルアルバムはすべて持っており、1950年代(モノラル期とステレオ最初期)のレコードも数枚持っています。

日本では深夜のFM番組【ジェットストリーム】のテーマ曲の演奏で知られています。

私が選ぶフランク・プゥルセルのベスト曲は1979年に発表した“恋のサバイバルI will survive”です。

この曲は、1979年の夏に父の外遊にかばん持ちで随伴した折、遅い夕飯でハンブルクのレストランに入った際に店のテレビで知りました。

テレビでは司会者が“Maestro Franck Pourcel aus Frankreich(フランスから、マエストロ=プゥルセルです)”とフランク・プゥルセルをドイツ語で紹介し、現れたプゥルセルが指揮棒を握って演奏したのがこの曲でした。

グローリア・ゲイナーのオリジナルとは全く別の雰囲気になって颯爽としています。

終盤ではヴァイオリンパートにクラシック書法の装飾音を弾かせて「ウチのメンバーはウデがいいヨ」とさりげなくアピールしています。

フランク・プゥルセル自身、クラシック音楽を学んだヴァイオリン奏者です。