NOVA MUSIKER 第102回室内楽演奏会 〜爽籟〜


日時:2022年10月1日(土)午後1時開演

場所:茨木市立生涯学習センター きらめきホール

入場無料



爽籟(そうらい)…すぐには読めませんでした😅

清々しく爽やかな秋風の響きを意味するそうです。「籟」は穴が3つある笛のことを指し、その笛を吹くことを「吹籟」、松の梢を吹き抜けていく風や、その音のことを「松籟」というそうです。

そういえば高校の最寄駅付近は「松籟荘」って地名でした。昔は松の木が多かったのかなぁ?



で、今回は初のトリになってしまいました。イギリスの美しい田園風景に爽やかな風が吹き抜けていくようなジェラルド・フィンジの協奏曲は、大学の卒業試験で演奏した曲です。



母校の定期試験で許される演奏時間は8〜10分ですが、卒業試験だけ30分与えられます。なので大抵はモーツァルトの協奏曲やブラームスのソナタを全楽章、というのをみんな卒試に取っておくのですが、私は特に全曲やりたいというこだわりがなかったので、それまでにどちらも試験でやってしまいました。



改めて30分何をしようかな?となった時に特にやりたい曲がなく、指導してくれていた先生も毎年卒試の曲がパターン化してきて、誰か新しい曲にチャレンジしてくれないかなぁと考えておられたので、先生のお宅に伺って曲決め会議となりました。膨大な蔵書の中から、楽譜と演奏音源の録音テープをきっちり用意して迎えてくださった先生のお薦めは、ボクサのグランドソナタ、ライネッケの「ウンディーネ」、フィンジの協奏曲、スタンフォードの協奏曲の4曲。気に入る曲がなかったらまだまだ出してくれそうな勢いでしたが、初めて聴いたフィンジの世界に惚れました。



20世紀の作曲家なのにどこまでも素朴で美しい音楽、その中にふと感じる諦めにも似た寂しさ。私のイギリス音楽好きの原点はこの曲です。いつかオーケストラとこの曲を演奏してみたいと思い続けているのですが…