毎日あまりにも暑過ぎますね。さすがに気温が体温を超えると思考停止してしまい、なかなかブログが書けませんでした汗


今日午後からレッスンに行った学校では、1時間半ごとに「部活動をしている皆さんは、活動をやめて5分以上の休憩を取ってください」と放送が入りました。最近特に熱中症が多発しているので、部活ごとに任せきりにするのではなく、強制的に休憩時間を作るということも、このご時世には必要だなと思いました。


さて本番まで1ヶ月を切りました、兵庫県立美術館でのアンサンブルコンサート。




今回のプログラムは初挑戦の曲ばかりだなぁと思ったら、意外にもこの木管四重奏という編成自体が初めてだったということに気がつきました。木管四重奏はオリジナル作品があまり多くないので、みんなで曲を探すところから始まりました汗


フランセはとても好きな作曲家で、楽譜はすっごく難しくて「うーあせる」となるんだけど、音楽が楽しいので許せちゃう、というお方。(あくまで個人の感想ですがウインク)今回のプログラムの中では一番メジャーな曲です。


ボザの「夜の音楽のための三つの小品」は、まだ学生の頃に師匠からとても綺麗な曲だと聞いて曲名だけ覚えていたのですが、何年か前にたまたま楽譜を見つけたので迷わず購入、その後ずっと寝かされていたものです。やっと音にすることができて嬉しい照れ


そしてモーツァルトはオリジナルではなく“自動オルガン”のための幻想曲という作品からのアレンジで、モーツァルトには珍しい短調の作品です。この楽譜を入手するのに一番時間がかかりましたが、この曲を発掘できたのは大収穫だったと思います。


そして最後にヴィラ=ロボス。五重奏曲や三重奏曲は知ってましたし、私のやりたい曲リストに入ってますが、四重奏曲があるのは知りませんでした。あまり演奏される機会も多くないようで、なんでかな〜?と思いつつ、さらい始めてから気がついたこと。


最低音より低い音が書いてある…汗


クラリネットの最低音は記譜で「ミ」の音なのですが、この曲にはあちこちに半音低い「ミ♭」が出てくるのです。


紙筒を足すとか、折りたたみ式のスタンドをベルに詰め込むとか、最低音を半音下げる裏技はないことはないのですが、そうすると本来の最低音である普通の「ミ」の音が出せなくなってしまうので、今回は使えない…


最終手段は、オリジナルはB管のために書かれているので、A管に持ち替えて全部半音上げて吹く、というもの。


さすがに書き換えましたが、調性は♭が5つになり、元々が臨時記号の多い楽譜だったので、♭♭(ダブルフラット)の嵐!


できれば「ミ♭」近辺の部分だけを持ち替えて対処したかったのですが、結構ひんぱんに出てくる上に持ち替えるほどの休みがなく、結局全曲A管で吹くことに。完全にさらい直しとなりましたえーん


改めていくつかの音源をよーく聴いてみると、みんななんとなくごまかして吹いてる人が多かったです…そりゃそうだよね、けっこう大変な作業だったよ…あせる


そもそもなぜ出ない音が書いてあるのかというと、ヴィラ=ロボスが無知だったのではなく、おそらくフルベーム式の楽器を想定していたのだと思います。


昔、イギリスの軍楽隊やイタリアのオペラ劇場のオーケストラ奏者たちが、曲の中で忙しくA管とB管を持ち替えるのを嫌ったため、B管1本でA管の最低音が出せるように半音低い音を出せる楽器が開発されたのです。それがフルベーム式クラリネット。


残念ながら今ではもうほとんど使われていませんが、その名残はバスクラに残っています。ロング管の最低音は低い「ド」ですが、ショート管の最低音は低い「ミ♭」ですよね。昔はバスクラにもA管があったので、その音を出せるようになっているのです。


というわけで、今回はなかなか聴けないヴィラ=ロボスの四重奏曲がちゃんと楽譜どおりの音で演奏される、めったにない機会かもしれませんよ?


ぜひぜひ聴きに来てください〜ウインク