こんばんは、小暑の風の気持ちよい七夕の夜に7月最初の更新です、今夜は、久しぶりに映画のことを綴らせていただきます
通訳の仕事をもつ夫に先立たれたシングル・マザーをなんともきりっとした雰囲気で演じています、ベンソン症候群という病を患った父の看病や病院から施設への転院等の様子に、福祉が充実しているといわれるフランスも日本と同じ様な状況なのかと色々と考えさせられるものがありましたし、そんな大変な状況下でも家族のある男性と情熱的で結論のでない恋をしてたりする日々が本当に淡々と淡々と描かれていました
都度都度、些細なことに傷ついたり、悪意に怒ったり、優しさに笑ったり、癒されたり、何気ないことに、言葉にしゅんと落ち込んだり、精一杯自分をあげたり、鼓舞したり右往左往する気持ちが描かれていて、女性監督ならではの描写の細やかさに心で、うんうん、わかるわかる~と思いながら観た
観終えてから随分日にちが経っていますが、脳内で反芻するシーンが幾つかあって、お父さんの生徒に所蔵していた本を貰ってもらう場面だったかで、日々衰えて記憶があいまいになって目の見えなくなっていくのに、恋人に夢中なお父さんよりも所蔵の本を眺めることで父の本当の心や姿がわかるようなみたいなことを想うみたいなシーンはぐっときました(その人の読んでいる書物でその人のことが少しわかったような気がすることありませんか。)、お父さん役の役者さんの演技がリアルで、ほんとに凄かったので調べてみたら、思っていたよりずっと若い、様々な映画で観たことのある俳優さんで驚きました
あとお父さんの看病をしている主人公が自分がお父さんと同じ状況になった時はスイスに連れて行ってほしいと恋人に懇願するシーンも衝撃的でしたが、ほんの少しだけですが、共感もありました
この少し重いというか気おった邦題とはちょっと違う雰囲気を受けて、原題を訳してみたら、「ある晴れた朝に」みたいな軽やかな直訳で納得、今起こっていることは全てYESと肯定して引き受けるという女性のたくましい強さを感じた、ラストシーンも爽やかで、観に行ってほんとに佳かったです、レア・セドゥますます目がはなせない