10/9(木)13時公演
台風22号が接近する中、交通機関の遅延、運休に怯えながら娘と遠征してきました。
友の会の二次での当選、15列目センターブロック通路側にて。
続いて同日18時新人公演を、12列目下手にて拝見することができました。
初見から3週間ほど経ち、だいぶアレンジがきいてきていました。もともと内容が荒唐無稽なものなので、作品の解釈の深まりというよりは出演者個人個人のはじけ方を楽しむ感じですから、何回も観ているファンの方々も、初見ではポカンとあいた口が一周回って楽しくなってきたのではないかと。
今日のマチネはソワレが新人公演のこともあり、ずんちゃんからりせくんに、壁ドンの練習シーンで「緊張してる?頑張ってね」と励ましがあり、コンテストに向けて筋トレをする成くんには、マイティから「うまくいくようにがんばってるんだろ!」とエールがおくられ、全てを飲み込んだ客席からも大拍手がありました。こういうリアクションがいかにも宝塚っぽいですよね〜、実にほのぼのします。
マチネで目立ったのは、センター付近ではこっていとひなこ。生徒会長(こってぃ)の奇行、パワーアップしてました。華楽くんから差し出される座布団にとんっと座るのも、なんともスムーズ。毎回笑いのわき起こるポイントです。
ひなこはチーム3Bとの出会いあたりから、(おそらく)毎回少しずつアレンジしてパフォーマンスしていて、今回はV字バランスを披露。その後はチーム理事長も登場のときに次々と足上げをして、最後はさーちゃんがきれいな足上げで大拍手を浴びていました。話し合われているのか、進行の具合をみて噛んでくるのかわかりませんが、実に自由に楽しんでいるようです。
マチソワとも通路側だったので、芝居ではずんちゃんチームがすぐそばを、ショーでは輝ゆうくんと結沙かのんちゃんが近くで、輝ゆうくんは辺り一面にいい香りをまき散らしていきました。ファンサービスも過剰なくらいよくて、通路から3番目、4番目の方にまでハイタッチ。手も長いし…?笑
そして新人公演。
りせくんはカジノロワイヤルに次いで二度目。
美しい声で丁寧な開幕のアナウンス。幕開けは大階段でソロで始まりますが、前作ほどのビリビリした緊張感はなく、安心してみていられました。
この新人公演は主演のりせくんがそもそも朱雀チーム、マイティの役の成くんが玄武高専チームということで、同じチームの本役さんを毎日身近で見ているせいもあり?長の期で2回目の落ち着きもあり。
105期はこれが最後の新人公演になりますが、ある程度成し遂げて得るものがあって卒業という感じかと。仕上げ感たっぷりでした。この次の別箱バウのセンターはまだ発表されていませんが、りせなるなのかな〜?
それにしても新人公演の出演者、すごくオリジナリティを出していて驚きました。本役さんに寄せる部分もあり、自分らしさを作り込むのもありがよくある新人公演というものですが…
印象的だった生徒さんを順不同にあげると、まず志凪くん(朱雀家の執事役本役いおくん)。「奏しゃま」と、「さ」を「しゃ」に変えて貫き、登場のたびに笑いを誘っていました。
理事長役の朱涼くん。本役の愛すみれさんもなかなかのクセツヨですが、男役のなかでもかなり大柄なのにジェンダーフリーな感じがあやしげで、愛すみれさんよりも力強くてものすごく圧が強かった。
チーム先生をまとめるのは奈央くん(本役ひなこ)。美人さんで硬派でまじめな印象ですが、なんかすごく楽しそうに自由に演じていました。
チームネクストのセンター天堂役もかくん(本役あのんくん)本公演のデュエダンのカゲソロで実力は知られるところですが、やはり上手い!
生徒会長のあんくん(本役こってぃ)。こっていがあまりに突き抜けているので心配でしたが、そつなくこなしていました。ただ何でもできるのあんくんにしては、照れを感じたかな〜
なるくんはマイティの役。マイティよりだいぶ華奢なので、ヤンキーのリーダーとして仲間のなかに(身長的には)埋もれがちですが、キラキラ感と魅力的な声は異彩を放っていたと思います。弟に向かって「もっと頑張らないと水美舞斗さんみたいになれないぞ」とアドリブを足して、本役さんに仁義を返していました。
とにかく各チームのリーダー役は見せ場が多く、注目を浴びますね〜。
りせくんが本役の風翔くん。新人公演を見て気がつきましたが、この役は振り幅が少ないのですね。個性を発揮している他の出演者と違って、自分らしさを打ち出すのはちょっと難しい。ただ奏との親密感が強く時に高圧的態度に出るりせ久遠よりも、主従としてそれなりに距離のある感じに見えました。クールで的確な反応をしていたと思いますが、それだけに壁ドンの練習シーンで膝から崩れ落ちるのがギャップがあっておもしろかったですね。
本役に寄せる造形をまずは心がけることの多い新人公演としては、異例の個性爆発の公演だったと思います。おそらく賛否両論あるでしょう。元々、家族や上級生、先生方に見せる発表と応援の意味合いの強かった新人公演ですが、近年配信があることで若干その意味が変わってきています。半額とは言えお金をとることで商業ベースに乗り、「お金をはらうからにはそれなりの対価」を求めるお客さんも増えたかもしれません。それを含んだ上で、私としては敢えて肯定したいと思います。自分の役を作り上げて2000人を超えるお客さん(映像の向こうにも)の前で演ずることは、常の公演でセリフ一つない下級生たちにとっては、とても大きな挑戦だったに違いありません。鍛錬の場になったことに期待をこめて、彼女たちの奮闘に拍手をおくりたいです。
さて、今夜は名古屋に向かいます。
明日は星組の全ツ、愛知最終日。