ちょっと前の話になりますが、

9/15(月祝)

妹と、横浜駅隣接アソビルで開催されているイマーシブジャーニー(没入型体験)『ホライゾンオブクフ』に行ってきました。


HORIZON OF KHUFU │ IMMERSIVE JOURNEY https://share.google/33vinFbdPtCAJKxcY





この催事の推薦ブログを拝見して興味がわいたものの、9/3に退院して自宅療養中の夫を置いて出かけることに申しわけなさがあったのも事実。(ただし宝塚は何ヶ月も前からの予定ですので別枠w)しかし出かけるのを後押ししたのもまた、夫の療養のせいというのも逆説的だけれど真実でして…というのも、介護も介助も不要ながら、食事が本人の思ったように進まない(→回復がままならない)ことの苛立ちをぶつけられることに疲弊していましたので、(負のオーラ全開でしたガーンそれに対して受け止めきれないという自責感も含め)やはり物理的に離れて自分自身気分転換しなければとお出かけを決意しました。介護の仕事に長く携わっている妹も、「患者家族のケアは患者本人に比べておざなりにされてるけど、抑うつされてるだけにガス抜きは必要」と賛同してくれました。


1230の予約で現地へ。早めに着いたのでアソビル内の食堂横丁で沖縄そばを。スープがぬるかったのと、麺が固茹で過ぎたのがちょっと残念だったかな…付け合わせにとイリブチーをいただけたのはプラスポイントでした。


①入場の手続きに時間がかかりました。

30分刻みでネットで予約してチケットはQRコードでしたので、時間になったらサクサク進めるものと思いきや、受付で注意事項をタブレットで読みすべての項目に「同意します」というチェックを入れないとなりません。子どもは8-11歳までは保護者(付き添い)同伴で手を繋ぐこと、70歳以上も、16-69歳までの付き添いが一対一で必要でした。念の為ではありましょうが、安全を保証はできないというところかと。

②靴にも注意が必要でした。スニーカーがベスト、かかとや靴底の高いものは履き替えなければなりません。スリッパを貸してくれるのですが、ホールドがないし底も滑るしかえって危ないのでは?と思わないでもない。そして荷物は受付脇のロッカー(無料)に預けて手ぶらで入場口へ。携帯は機内モードに。

端末を前に、説明を聞きながら二組ずつ登録の手続きに移ります。ニックネームを入力、連れ同士のアバターは紫色で、頭の上にそのニックネームが表示されるとのこと。ほかグループのかたは白のアバターです。

登録が済むとヘッドセットの装着に進みます。メガネはしたままでOK。ダイヤルでフィット感を調整して、進路について最後の注意を受けていざソロ〜リソロリ〜。


あとで妹に聞いたら外は全く見えなかったそうですが、私の方はヘッドセットの下側の隙間から、床や近くを歩く妹のスカートの裾などが見ようと思えばチラチラと見えました。

バーチャルの案内人(エジプト学者の女性という設定)の手引きで、ピラミットの下へ、内部へ、上へとヘッドセットからの説明を聞きながら進んでいきますが、スピード感があり、濃厚で、視覚聴覚から受け取る情報量が多く、消化しきれない!


はじめは余裕がありませんでしたが、少し慣れてくると四方八方が遠くまで見える感じなので、特に高所からの眺めはゾクゾクしました。

我ながらおかしかったのは、映像とわかっているのに「こちらへどうぞ」というバーチャル案内人の指し示す足元が深い谷で、積まれている石がガラガラと崩れていく先に進まないとならないと思うと足がすくみました。

ピラミッド内部もかなりリアルな昇降感がありました。妹に言わせると、洗車機に入ってる感じだそうで(笑)

トンネル状になっている通路を案内人がしゃがんで通るあとに続く時、自分はそのまま突っ切っても何にもぶつかるはずはないのに(ぶつかる!)と思わずしゃがんでしまうことも複数回(笑)周囲の白のアバターの方も、しゃがんでるのが見えました。ついそうなりますよね?


(公式からお借りしてきました)

(たぶん)初体験だったことで、対応が不慣れだったせいなのか?時折道先案内を見失いそうになりフリーズ。「明るく光っている白い石のところまで進んでください」という音声に従って白い大きな石柱に向かうことがありました。周囲から「すみませーん、これどうしたらいいの?」という戸惑いの声が聞こえることもありましたね。

参加者がはじめてか慣れているかには関係なく、短い間ですが映像がフッと途切れることもあり、そこはやはり現実に見ているのとは違う感覚です。バーチャル案内人や、クフ王の葬儀に参列している人々も、明らかによくできたアニメのような感じで、人間と見まがうことはありません。AI生成による実写に近い映像もテレビで見たことがありますから、もしかすると故意にこういうバーチャルを用いているのかも?

様々なちょっとした違和感も、今後近い内に修正されていくだろうことは想像に難くありません。


私の認識違いでなければ、驚いたことに同じ会場で『印象派画家と過ごす夜』という催しが行われていて、同じ場所にいながら違うコンテンツを楽しんでいる人もいるのかと思うと不思議でした。

私と同じく古代エジプトの旅している人も、グループによって、あるいはその参加者の動きによっても、(仕組みはさっぱりなものの)おそらくは案内が制御されていて、寄り添ってくれているのだと思われます。録音された内容をただズラズラと再生するのでなく、美術館の音声ガイドのように何番の絵の前に来たらボタンを押すというこちらサイドのコマンドも不要で、周囲の情景と齟齬なくほぼ滑らかに案内されたことに感心しきりでした。


私的にぜいたくを言えば、もう少し参加者に考える余裕を持たせてもらえるとありがたいかな。押し寄せる情報量が多すぎて連れ回された感は否めない。それと、目と耳を遮断されているため同行者とリアルタイムで感覚を共有できないのも少しばかり残念でした。

とは言え、普通なら行けない場所の光景を見られるのは、本当に稀有な体験でした。『印象派の画家と過ごす夜』のように時間を超えての体験もできますし、もし今後マヤアステカ文明のイマーシブジャーニーがあったら、ぜひ参加してみたいもの。

かなり没入感があるのでPTSDになっても困りますが、戦争体験とか、災害体験なども使いようによっては得難い学習経験となるかもしれないという気がしました。

現実の世界に戻って妹とたわいないおしゃべりをして、夕方までには帰宅。おかげでだいぶリフレッシュできました。