11/7(金)13時公演

今日のキャスト




今日はニ階1列下手から。


なんたることか…今週月曜の朝、ギックリ腰に。

動けなくなるほどのことはここ数年なかったので、寒くなってきていたのに油断してましたタラー

治療に行き痛み止めを服用して、なんとか会場に。久々に杖登場。急に足がすくみそうで怖い。


丸ブルー今回気がついたこと


①初見と違うキャストはフランツヨーゼフ役が佐藤隆紀というだけの、丸かぶりでした。

フランツは私としては田代万里生の方が似合ってる気がしました。たよりなさ気な坊っちゃんがピッタリ。佐藤さんも歌はうまいですが、特に若い頃を演るには貫禄があり過ぎ。逆に中年以上の時は良かったと思います。あら、でも実年齢は佐藤さんのほうが2つ下なのね。


②初見の時も感じたのですが、トートは一番最後が一番若く見えますね。まわりが年取るからかもしれませんが、物語が進むにつれてだんだん若返る感じがします。登場はぶきみさが勝っていましたが、ラストシーンは神々しいほど。あまりに似合っていすぎて、今後古川くんを見る時は(トート閣下)と思っちゃうかと。

エリザベートが最後にトートの手を取るときの望海さんの表情が、前回と全く違っていてハッとしました。

前は視点が定まらずいっちゃってる感じで、(あれ?そういう感じ?)とちょっと驚きましたが、今日のエリザベートは幸せそうに薄く笑っていました。演ってるご本人も、毎回違う感情が生まれているのかもしれませんね。


③1回目は周囲が見えていませんでしたが、ハンガリーの活動家たちが、今回長身でイケメン揃いなのに気がつきました。大した露出がなく残念ですが、登場のたびについつい目をひかれますおねがい



丸ブルーヒトラーの登場は何を示唆するのか?


先日エリザベートを観た友人と会ったとき、「突然ヒトラーが出てくるのってなんなの?」という話が出ました。

そう言えばルドルフにハーケンクロイツの大きな旗が被さるように落ちてきたな…と蘇りましたが、その流れをハッキリ覚えてなくて、二回目は気をつけていました。民衆の熱狂や、それにとまどうルドルフ、壇上に立つ男性が突然ヒトラーに変化し、演説を行うパフォーマンスを見せる。ハーケンクロイツの旗が広げられ落ちてきて、サアッと引かれて消える。というような流れだったと思いますが、このあたりのヨーロッパの歴史は、観客の皆さんも詳しそうなので、(時期が違うだろう)と冷静に見ているとは思います。言わずもがなではありますが、ヒトラーは1889年4月の生まれ、ルドルフは1889年の1月に亡くなっていますので、全く重なっていません。

なんとなーくの歴史の流れとして、ハプスブルク家が斜陽となり(古い時代が完全に終わり)、世界が過激な民族主義の不穏な空気に満ち、大戦の足音が聞こえる象徴のような“予知夢”の差し込みだったのかな〜と。

(演説をする姿が、小池先生本人のモノマネか?と思ったことは黙っておきます。言ってるしwww)


丸ブルーゾフィーのはなし

さて、作品についての感想は観劇が全て終わってから、と思っていますが、今日は皇太后ゾフィーについてちょっとだけ。この人は宝塚版ではただの意地悪な姑のように感じられますが、唯一まともな人では?むしろ苦労人。

先代の皇帝から引き継ぐ子どもを産むためだけに評判のよろしくない夫に嫁いで、その夫は皇帝にはならなかったので、自分が皇后になることはなく、次期皇帝たるフランツヨーゼフを育てるのに心血を注いだ、「宮廷で唯一の使える」。

フランツヨーゼフを授かるまでは6年かかったらしいし、それまではきっと針のむしろだったことは想像に難くなく、かなり苦労したんだろうと推察します。そこに、脳天気な嫁が嫁いできたのだから、そりゃあ厳しくしたくもなります。私のこの20年以上の苦労はなんだったの?!って感じ。彼女にとってはしきたり通りのことを完遂しようとしたに過ぎなかったはずだし、同情を禁じえません。

とは言え、その嫁を選んだフランツを育てたのは自分だし?愛息子の希望はさすがの女傑も拒めなかったということですかねぇ。自分の意に沿う嫁を押しつけることもできたでしょうに…子どもの懇願に負けるところは普通の親っぽい。でも結局は彼女の案じた通り、ハプスブルク家は終焉を迎えることに。子どもの希望を叶えたのに、当人は幸せいっぱいでもなく、結局は孫も早世して家も途絶え、全バッドエンド…

ゾフィーの死自体が舞台上で取り上げられることはもしかして初めてなのかも?しれませんが、史実は全然ドラマチックでなく、突然ではあったものの死因は風邪をこじらせての肺炎というごくありきたり。溺愛していたという次男のマクシミリアン(メキシコ皇帝)が処刑されたり、人生の幸運と不運を天秤にかけたら不運の方が重そうな可哀想なひと。一つの時代が終わるときって時流を読めない人は落ちぶれてしまうものですが、その終焉を見ずして幕が引けたことだけは幸いだったと言えるのかもしれないなー


11月後半に最後の観劇、はじめて井上トート閣下を拝見する予定です。