ちょっと時間が経ちましたが、10/5(日)1100、三井住友カード観劇会
19列目上手通路寄りにて、娘と。
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前列の2席が空席で、(何かやむにやまれぬ急用が…?)と気にしながら、結局二幕目もいらっしゃらず、見通しはきわめて良かったです。来られなかったかたは本当に残念でしたね〜![]()
兵庫での初見から二カ月。ずいぶん久しぶりでした。
楽曲とダンスに全身を任せて、ノンストレスで観られました。
今回特筆すべきは、私には初の、あみちゃんのアデレード。
ビジュアルには何の違和感もなし。
一声めから(みちるちゃんとは違う)アプローチを感じました。自立しているショースターの、相手(ネイサン)にも同様のものを求める不満?のようなもの。見切るわけではない、もちろん惚れてはいる、でも、同じ気持ちを返してくれないネイサンにじれったい気持ちが強い。なんで結婚できないの?なんの問題があるの?と、問い詰める真っ直ぐな気の強さ。
そしてネイサンと向かい合って立ってみると、ヒールのせいか、なんならアデレードの方が背も高い。あみちゃんも大きい方じゃないんだけど、やはり男役。上背がある分、圧も増し増し。笑笑
可憐なビジュアルに反する、前のめりぎみの畳みかけが笑いを誘います。
みちるちゃんのアデレードを見たのがもう2か月も前なので、記憶に残っている佇まいと比べることになりますが、ネイサンと対するみちるちゃんはまるで演技派の女優のようで、素に戻るときのプンスカがとってもキュート。あみレードよりは計算高い感じがあったように思います。
どちらがいいというわけではなく、違ってたな…というだけです。
相手役の風間ネイサンは、もう本当にコメディの間が天才。アドリブも自在に入れている感じで、見ていても楽しいです。
この作品で見るべきエンターテーメントは、一つはクラップスに夢中になっていくギャンブラーたちの群舞(と言っていいのか?)。もう一つは娘役さんたちHotBoxのショー。この二つは文句ナシに楽しいです。
あらすじの流れとしては、ハバナでのスカイとサラの酔っ払い道中(酔ってるのはサラだけですが)と、クラップスの大一番で負けてイヤイヤ伝道所に集まってきたギャンブラーたちの、「座れ、船が揺れる」までの一連のなりゆきが見もの。
みとさんカートライト将軍のこじつけには笑わせられますが、きっとあれ本心だからおもしろいんでしょうね。伝道所で働く人たちって、どこか一般の人と感覚がずれてるような気がするのは、私の心が世の中の汚れにさらされ過ぎかしら?
設定とか筋書きとかいろいろ考えすぎると、眉間にシワができてしまうんですが、あまり内容を深刻に考えずに楽曲と踊りを楽しむのが得策です。
クラップスも「丁か半か」は博徒の世界だよな、とかサイコロをたらいに投げる様子もまるでチンチロリンだし…などと思い出すと、高倉健か菅原文太の任侠映画を見るようなもの哀しい、うら寂しい気分になるのですが、「ギャンブラー」とカタカナにして、アメリカに舞台を移すだけで、なんだかオシャレな雰囲気になるのに驚くばかり。
まぁ現実には切った張ったの世界でしょうし、陰惨だったり、騙しあいだったりドロドロなのかもしれませんが、エンターテインメントとして舞台を観ている観客としては、合間合間にちなつさんスカイのセクシーさに撃ち抜かれたり、アデレードとネイサンの痴話喧嘩に苦笑しているうちにフィナーレ、という平和で満ち足りた時間を過ごすことができます。
時代も違えば、国も違う、虚構の物語。
真実がひそむ人の心だけは、古今東西変わらずなのかもしれません。

