7/27(日)1530
お友達に誘っていただいて、貸切公演を拝見しました。
二階3列目上手にて
三光ソフラングループお客様感謝の集いの貸切公演。
物件のオーナーさんやら、クリニックの関係各所やら、ホテル事業の関連やら様々な関係者をご招待しての公演で、劇場入口には(おそらく各営業所の関係者のかたが)ズラリ花道を作ってお出迎え。通るのが恥ずかし過ぎる!また幕開き10分前には司会者を擁して社長のご挨拶がありました。
会社の事業概要に続き、当該公演についてもきちんと紹介なさり、手短かにまとまっていてちょっと感心。おえらいさんのご挨拶って長くて退屈なものという先入観がありましたから。「礼真琴さんの退団公演でチケットはたいへん入手困難ということで、皆さんは運がよろしい。私が運がいいのでそのお裾分けです」とぶち上げる。笑
企業の招待公演ですから、公演に対するテンションもさまざま。
先立って近くで軽食をとっていましたが、お隣のテーブルの方も観劇するらしく、一方が「今日はどんな公演なの?」と尋ねると、お誘いしたかたの答えは「なんか時代劇みたいよ」と。 (-_-;)・・・間違ってはいないか…
劇場でお隣の席の方は、芝居の8割はスースーと寝息を立てておやすみだったり、前の席の方は靴を脱いで座席に正座されたりと、常の公演では見たことのない光景も。
今日は三回目にてmy楽でしたが、正直今までで一番よかったです。
あれ?期待値高すぎたかもと焦った初見、仕切り直して、原作を忘れて新鮮な気持ちで観ようと思った二回目。三回目の今日は、しっかりセリフを聞こうと集中しました。
ほとんどの公演で思いますが、三回目が一番おもしろいと感じます。一回目だと色々わからない事が多く、あらすじやら心情やら、セリフのあちこちに疑問符が落ちていて、二回目にそれを回収する、三回目でようやく楽しめるというパターン。一回しか観られない事も(観ない事も)あるだろうと思うのに、毎たび三回観ないとしっくりこないのはある意味問題です。私の周囲で同じように言っている人が複数いるので、けっこうな確率で何回か観ないとピンとこないと思っているのではないかと…(私見です)
それにしてもこっちゃんの退団公演が(なんだかなー)という印象で終わらなくてよかった。その理由の多くがありちゃんの芝居力だというのも皮肉なことですが。退団公演の二番手スターの煌めきは別に今回の星組に限った話ではなくて、次期トップとしての責任や覚悟が成せるのか、次期が仕上がったからトップが退団するのかあるいはその相乗効果なのか、ありちゃんの存在は群を抜いて光っていたと思います。
滑舌の良さはピカイチ。声がパーンと外に出てセリフが粒立って聞こえながら、みごとに感情がのるセリフはこびに何回も唸らされました。「恨みまする」という出門に対する激しい感情の発露には、ちょっと身震いがしましたね。
ありちゃんも詩さんも月組の出身。長らく生え抜きのトップを戴いていた星組の、化学変化が楽しみです。
ずっと引っかかっていた極美邪空ですが、「痛い感じはこの公演ではあれで正解なんだと思う」と言う同行者。
彼が自分を見てくれる(認めてくれる)ためなら、何をしても厭わないという出門に対する強い執着。トップ、二番手があれだけ吸引力のある役を演ずれば、好敵手とは言っても圏外とならざるを得ない役回り。
年齢的にも性差的にも、体格的にも、原作の伊原剛志のような迫力は望めない以上、報われぬ狂気をはらんだ一種の恋(明確にBLとまでは言えなくとも)といったムードに作ったほうが原作と差別化できて良かったのかも…というのが落としどころかな〜。それだったら原作と似たあのカツラを使わず、彼女の超絶スタイルを活かす方向で扮装を考えてほしかったかも。あの顔の小さい彼女が、頭でっかちとなってしまったことはやはり残念でした。
貸切公演恒例の、企業の名前を入れるシーンはなんと芝居の中でかまされ、組長と次期副組長がアドリブを。南北一座の俵蔵(輝咲玲央)と出門のからみで、色っぽく「三光ソフラ〜ン」と言ったかと思えば、次には組長(ちぐさん)が「三光ソフランで新しい物件でもさがすか?」とこっちゃんに詰め寄ったり、ほかにも合わせて三回も企業名を入れる大サービス。とは言え、あんまり受けてなかったな…(苦笑)企業の関係者そのものでなくその招待客だったからですかね?普通は自由度の高いショーの中で入れることの多い仁義が、芝居の中でなされたことに驚きましたが、あのドタバタシーンの活きる意味がありました。
初見から変わらない印象なのは小桜美惨の完成度の高さ。この公演のあと専科に組替ですが、下級生の頃にはヒロイン然としたかわいいばかりだった印象から着実に力をつけて、大きな戦力になることは確実でしょう。活躍を期待します。
こっちゃんには、私が言及しなくても自由に羽ばたいていくだろうことは容易に想像できます。卒業してもパフォーマンス的にはなんの心配もなく、男役をやりきったことで自身後顧の憂いもなく、新しい世界で伸び伸び過ごすことを願っています。

個人的に嬉しかったのは輝咲玲央が銀橋に来るといつも真正面だったことで、『ミスターブルー』の時にはどこにそんな眉間にシワの要素があるかと若干ツッコミながらも、シワの色気にデレていました笑笑
白妙さんに変わり、次期副組長に決まっています。まだもう少し長くやってくれるのではという期待もある反面、彼女がスカイステージの「ヒトトナリ」という番組の中でひそかな夢と語っていた、エトワールの可能性は限りなく低くなったかな…と残念でもあります。もしかしたら天寿さんのように、退団の時にチャンスはあるかもしれませんが、退団とか考えたくない
組長のちぐさんもけっこう歌いますし、本編の中でソロ歌唱を聞かせてくれるような機会があるといいなーと思っています。
激暑のなか全力で公演を続けているみなさん、最後まで無事に幕が降りますように祈っております。