6/20(金)1830、東京文化会館。

22列目センター若干下手寄り


バーミンガムロイヤルバレエ団の『眠れる森の美女』を拝見。私の信頼する、バレエの導き手のかたに誘っていただきました。バレエは二回目、ど素人のワタクシの戯言だとご承知おきでおつきあいください。





お話しとしてよく知っている『眠れる森の美女』ならば、初心者でもわかりやすいのでは?というありがたい思し召し。華やかでいかにも王道な演目を選んでくださいました。


二回お休みがあって三幕構成で、総時間は三時間。

踊りばかりでわかるかどうか心配でしたが、意外なほどにお芝居。セリフこそないものの、動作や表情が雄弁で進行がよくわかりました。

赤ちゃんを見守るように控える乳母役?の女性二人が(ま、エキストラですね)、いつ見ても終始静かにほほ笑んでいるのに感心してしまいました。ソリストとして踊る人や、芝居を動かすのに必要な役の人はともかく、背景の人はたいへん。ソリストのダンスを妨げないようにピクリとも動けず、しかしながら物語を構成している以上仏頂面のわけにもいかず…


思ったより芝居なんですね〜という感想を幕間に言いますと、イギリスのバレエ団だからかもしれないですね、というお答え。演劇の国だから。なるほどね〜


来日前に予定されていたプリマがケガで代役公演となり、お誘いくださった方から事前にお詫び?の連絡をいただいていましたが、猫に小判状態のワタクシにはなんのことやらでありました。トホホ

代役の方は、すごく痩せているせいもあるのか?けっこうとんがった顔つきの方で、「深窓の姫ぎみ」というにはちとちがう雰囲気でしたが(踊りはとても上品で良かった、と同行者の弁)、素人目にもとても美しい動きの踊りで、十分堪能しました。


バレエというのは「静止する」ことなのね…、

となんとなく感じた観劇でした。動作のあと、とにかくピタリと止まる。そのポーズがなんとも美しい。

王子と姫のデュエットのラストなんて、『ベラばら』の今宵一夜の比じゃないくらい(この比喩わかる人にしかわからないと思いますが笑)、ムリクリな姿勢で長時間空中で静止していましたね〜びっくり


衣装も豪華、背景美術も凝っていて、正にグランドバレエ。王室が物語の舞台なのでとにかくキラキラキラキラ

時代の流れかアフリカ系のかたも東洋系のかたもいましたが、多くは白人で、物語の世界観におおむね齟齬のないビジュアルで、没入できました。(偏見というわけではありませんが、物語の背景としてもビジュアル面はだいじよね?)

最後の結婚式で王子と姫を中心に廷臣や貴婦人が揃って天井から金の紙吹雪がとめどなく舞うシーンは、夢のように美しいものでした。いいもの見たわ〜照れ


終演後、ちょっと一杯に立ち寄りましたが、「容姿が良くてスタイルが良くてテクニックも優れているというのはなかなか難しいんでしょうね」という、ド素人の感想を失礼ながら言ってみました。というのは王子役のダンサーがキレはいいんだけど、も少し背丈があってスタイルが良ければな…と感じたので。好みの問題もあるかとは思いますが、容姿(お顔)は悪くなかったので余計に残念で。イヤほんと生意気でスミマセン。

小柄だと小回りが効いてクルクル踊れるんだけど、たしかにタッパのある見た目王子様タイプのダンサーだと、ともすれば動きがワンテンポ(たぶんほんの少し)ずれる傾向があるとのこと。でもロシアのダンサーは大柄でもオンタイムに踊れるのよ〜と聞いて、こりゃ次に機会があればロシアのバレエを見てみたいもの、とひそかに思った次第。


大学生の頃に毎月オーケストラの定演に通った懐かしい東京文化会館、来年度から改修のためしばらく閉館となるらしいです。何度も目にしてきた特徴的な壁の装飾も見納めとなるのかも。





良い機会をいただけて幸いでした。