整備が必要になったとかで搭乗案内が遅れ、出発が遅れ、20-30分遅れたにも関わらず到着は5分遅れ。

文字通り飛ばしましたね(笑)


スターフライヤーでしたが、コーヒーをお願いしたらチョコレートが付いていまして「Bitter&White」。機体が黒白ですし、イメージに合わせた感じ?とてもコクのあるコーヒーと(タリーズだそう)と相性良かったです。


案の定雨でした。

タクシーアプリGOをインストールして備えてきましたが、どうも使い方がわからず…あれこれ悩むより歩いたほうが早いかなと早々に諦め、(風がなかったせいもあり)トコトコと。ま、でもいずれ使いこなしたい。


併設のホテルのロビーで雨よけをしていると、バスで到着したらしい団体客が続々と。3台か4台か?100人は優に超える団体でした。公式サイトを見ると完売で、最近まで「福岡のチケットいかがですか?」のようなお誘いがあったことを思うと、終盤追い込みがんばったのねと思いましたが、開幕間近に振り返ったら二階はだいぶ空きが目立ちました(三階は見えませんでした)。福岡で宝塚劇場に匹敵するキャパ(2316)、ここで5公演、団体客を勧誘してもさすがに埋まりませんか…ショボーン

当然遠征客も大勢いました。なんなら接した方々はほぼ首都圏組。このあと沖縄まで帯同するというツワモノも。私は1日目はソワレ、2日目はマチネという狙った理想的な取り方ができましたので、一泊二日での遠征です。チケットが取れることが前提ではありますが、全ツをついて回れるような身分?にはなかなかなれそうもないですね。


今日は10列目最上手でした。直近の東京宝塚劇場での10列目よりだいぶ遠く感じました。上手だったせいと、膝前も余裕がありましたので実寸も少し距離があったかも。それと客席も舞台も天井が高いので人物との縮尺的に遠くに感じたのかも?

一階はオーケストラピットという名の、傾斜の全くない席が4列があり(おそらくほとんどオケピとしては使ってない)、通路があって5列目から段差のある座席になって32列まで。両翼は最小36から最大56席、いびつな六角形の造りです。



刈谷の時と同様、芝居は一度きりしか拍手が起きず、客席は固唾をのんで見守っていました。その一度の拍手というのが、一輝くん演ずる従者が「先に行ってるから」と言って舞台下手に去る場面。これはもう芝居の成り行きというより、卒業する一輝くんにおくる拍手でしょうね。


初見で観た時も、この作品はこれまで見たことのある柴田作品とはちょっと違うと思いましたが、おそらく男性の立場からの思い込みだけでなく、女性側の意思がかなり明確に描かれているからだと思います。これまでの柴田作品のだいたいは、(なんて自分勝手な男!ナルシストか…)とムカつくことが多かったような気がします。もちろん時代も異なり、身分社会でもあって現代とは全く違う価値観であることはわかっています。それでも許されぬ男女の間で惹かれ合うことは現代でもありそうですし、本当に添いとげる気ならもっと本気で行方をくらますか、(あまり好みではありませんが)心中というのも方策ではあったのかも。なのにこの二人はお互いを求め合いながらも、一面では己の身分や立場がゆえに相手を突き放すことも受け入れていることに、なんとなくモヤモヤは残りますねー。好きなら好きで貫き通してほしかったし、どうせなら本気で逃げてほしかったかな〜。

この恋が噂になっていたから、入内が遅れたとも言われていますが、そもそも帝(清和天皇)は高子より8歳も年下だったんだし、むしろ彼が成長して夫となれるのを待ってたというに近いんじゃないの?そして帝の女御(今で言うなら妻)って、過去にわりない仲になった恋人がいても家(父親)の権力が絶大なら、なかったことにできるのはなんとも。それとも、ある程度手練手管に長けてるほうが重宝されたのかもいう勘ぐりも無くはなく…


恋を引き裂かれた業平の方は、その後も変わりなく淡々と生きていったし、高子も帝との間に子を成し、その子が陽成天皇となるなど、それなりに自分の人生をしっかり生きて、最後には僧侶と恋仲と噂になって一度は後宮を追われるなど、お騒がせ人生を全うしたようで。目立つ立場の人だから寄ってくる人も多かったのでしょうが、この時代女性一人で思い通りに生きることなどできなかったと思います。どうにもならない現状からさらって逃げてくれる人に強い恋慕を抱くのも理解できるところ。今も昔も、女性も言いなりになるおとなしい人ばかりではありませんし、窮屈な人生になにか一つ普段は望めないようなトピックがあったらいいですよね〜。

「この人生自分が選ぶ」という強い自分の意思を秘めた高子に、時代を超えて共感するのかもしれません。 


大野先生の演出よかったです。一から一本作るのは問題作(笑)があるようですが、ベースがあるとなかなか良作を生み出してくれてるように思います。


リアル業平のちなつさんは、残念ながらいささか情けない感じでしたね。イケメンで雅な宮廷人だったのでしょうが、腰くだけだったかな〜。もちろんそれでちなつ業平の魅力が薄れたわけではありませんし、優男だから惹かれる女性も多いわけで、単に私の好みとは違ったというだけです。



最後に、江戸末期から明治にかけて活躍した月岡芳年という浮世絵師の作品に揺さぶられたのでご紹介を。





業平高子、二人の道行を描いた作品。

芝居の一場面を切り取ったようです。というより、芝居にこのスチールを生かしたと言えそうです。

ちなつさんの力技、じゅりちゃんもこのシーンのために絞って協力したのでは?衣装の重みもありますしね。

そもそも逃避行なら、女の方にもちゃんと旅支度を整えて(手を引いてもいいけど)、歩いたほうが成功率は上がったと思いますが、野暮なことは言いっこなしニヤリ

ここが恋人たちの幸せの絶頂だったのですから。


ショーの感想はまた別段で。