4/26(土)1530、宙組前楽
ついにこの日が…
友の会で当選、16列目のセンター、通路側。
目の前の席が二つ空席でした。見通し極めて良好。
さよならショー付きの公演に当選したのは、望海さんの兵庫での前楽に次いで二回目です。
そもそもトップの退団公演に応募することもあまりないので、なかなかの高確率とも言えるのかも。
ききちゃんとの出会い
今日を迎えるまでに、ききちゃんのことをつれづれに考えてきました。はじめにハッキリ認識したのはどの作品だったかな〜?とか。
wikiを繰ってみると、実見した最初はどうやら花組の全国ツアー(長い春の果てに)らしい。まぁ様や望海さんも出ていた蘭寿さん主演の全ツを神奈川県民ホールで、夫と一緒に見た鮮烈な記憶があります。でもその時に認識した覚えはないのよね〜。
宝塚ファン歴も浅かったので、番手とかカードとか、なんなら何期で研何年とかもほぼわからず、兵庫まで行くとか、全国ツアーに遠征するとか、考えもしない時で、最初のひいきだった大空ゆうひさんの退団を控え、宝塚の情報に飢えていた頃。神奈川なら近くだし行ってみようか、くらいのノリで、今思えば全ツ神奈川の公演がよくすんなりとれたなと感心するほどの運の良さでしたね。
いわゆる路線で(その頃はその用語も知りませんでしたが)組替をする人は期待されているとか、新人公演に主演できることは将来のトップ候補の一人かもとか、五月雨式に入ってくる情報で、この人はすごい人なのかも…?と思い始めたのは花組で次々新人公演をやってからになります。(見てはいません)
なので私が認識した時は、もうかなり発光していて舞台で目を惹く存在になっていたと思います。本公演でも『ベルばら』でオスカル、『エリザベート』でルドルフと目立つ役を射止めていましたし、注目もうなぎ上り。別箱や全ツや海外公演、そして一本物も想像以上に多く、実際に破線上となり、二番手羽を背負ったのは2016年の『金色の砂漠』だったでしょうか?(違ってたらひらにご容赦ください)その頃は、明日海りおの次のトップと見なされていたのでは?と思いますが、そこから宙組に組替したのはまだ記憶に新しい。
星組で下級生時代を共にした真風を支え、押しも押されぬ二番手スターとして6年近くを過ごし、2023年の夏『Excalibur』でプレお披露目。二番手8年、待ちに待った就任として輝きを放っていたことが昨日のようです。
私は二番手時代のききちゃんをとても好きでした。主役のバディまたはライバルとして存在感があり、背が高くスタイルがよく顔が小さく、漢字一文字で彼女を表現するなら「甘」。そしてその持っている素のムードと、丸顔でありながらも(下級生の頃は童顔と言われていたと)、大人の男の渋さや哀愁も表現できる役者でした。『アナスタシア』のグレブ、『シャーロックホームズ』のモリアーティ、『High&Low』のロッキーなど、ひと癖も二癖もある役を演じたら右に出る人はいなかった。
それなのにうって変わって、純粋な心を持つ少年(さすがに青年かしら…)の役もピタリとはまりました。たとえば『Excalibur』のアーサー役は、この年齢にして少年から大人に成長していく様がごく自然で、みごとなものでした。
そしてなんと言ってもその歌唱の伸びやかさには、努力の賜物とは思いますが、いつも聞きほれていました。近年は宙組を特に多く見ていましたが、ほかの人も見ようと思って出かけるのに、結局いつもききちゃんに目を奪われてしまっていた。控えめに言ってもオーラ全開でした。
歌うま神社覚え書き
和物のショーでこんなに楽しかったショーはなかった『宝塚110年の恋のうた』。
専科の京三紗さんのとぼけた味わいも日に日にヒートアップし、こんな神様がいたらいいだろうな…とほほえましくホッとする思いで毎回見ていました。こういう親子以上に年の離れた大先輩が近くにいてくれたら、利害とも確執とも隔たった立場で全体を俯瞰してくれそうです。
今日は「“た”の16番、鷹翔千空ちゃん!」
歌は待ってましたの『夢千鳥』(2021年)。
千秋楽の前の日から3公演、この布陣になりそうです。
あれ?こっていって『夢千鳥』には出てなかったよね?この反対側は『ホテルスヴィッツラハウス』だったはず。そちらでも見た覚えがないけど?と調べてみたら同時期の星風まどかのミュージック・サロン『夢みるマドンナ』に出演していました。三分割だったのですね。
情感たっぷりに歌い上げ、(ほ〜っ)というため息があちこちで。またこってぃの声質が楽曲にぴったりでした。
背景の映像が竹久夢二の千鳥のイラストだったのも凝ってました。
この週替りの場面、ボーナストラックで入っていたらうれしいのてすが、残念ながらもうBD発売されています。キャトルレーヴオンラインでデータを売ってくれれば需要ありそうだと思いません?
最後のフィナーレ男役群舞
大階段に座る男役をバックに銀橋で歌う『Feeling Good』、最高でした。
私は『Reon Jack』で聞いたのが初でしたが、元々は1964年のミュージカルナンバー。ニーナ・シモンのカバーで大ヒットした曲で、男役さんには歌いたい人気曲なんですかね?タメといい、アレンジといいかっこいい曲ですが、低音が安定しないと難しそうです。『歌劇』4月号の送る言葉に、田渕大輔先生がこのフィナーレの選曲について書いています。ききちゃんと話し合わずとも以心伝心で入れたこの曲が、ききちゃんの希望通りだったことの驚きと喜び。こうして長い時間関わってくれた制作サイドともわかりあえていたことが、この歌唱をより魅力的にしているように感じます。
そしてさよならショー
黒ベースに金糸で柄を織り込んだスーツで現れた一曲目は『MY HERO』。(おそらく)全組子といっしょに。男役も娘役も揃いの衣装です。作品的にはいろいろ物議をかもしたらしいですが、初の東上として思い出深いのでしょう。斎藤先生への感謝もあるかもしれないと思いました。
上手から降りてきてセンターブロックを囲むように下手を回って1列目を総ナメ。この公演はじめて通路側の席でしたので、手を出してタッチしてもらいました。驚くほど冷たい手でした。
一人舞台に残って『アナスタシア』よりThe Neva Flows、『愛と青春の旅立ち』(新人公演初主演)、『ハンナのお花屋さん』よりMiracle、そして『プロミセス、プロミセス』
いったん下がり、ここでずんちゃんが退団者の水音志保と葵祐稀を伴って銀橋を渡ります。曲は『グランエスカリエ』
そして大階段に赤の丈の短いジャケットスーツで登場。私には赤はききちゃんのイメージカラー、『異人たちのルネサンス』の、ロレンツォのビジュアルが蘇ります。『Excalibur』よりWhen will we learn、
そしてタンゴ。上級生たちとからみ、最後は一人でダンスを披露。本人曰く(歌劇4月号サヨナラ鼎談)ダンスを全くやっていなかったので、本当に踊れなくて。からの、晴の舞台でソロを。歌と同じく努力の人なのだろうなぁと思います。
さくらちゃんとのダンスのあとのデュエットは『金色の砂漠』ジャーとビルマーヤの歌。
舞台上大階段下でガウンのように長いキラキラの白い衣装に着替え、『Excaliaur』からRemember this night、そして『群盗』。
曲構成が九割がた実際に見た公演の曲で、私自身も思い出にひたりジーンとしました。
長いレースを引いて銀橋を渡る姿を見て、ふっとウエディングドレスのようだと思ったりして。
幕間にお隣の人と「卒業後芸能活動するでしょうか?」「コンサートくらいはやってほしいですね〜」などと言葉を交わしました。別に結婚が幸せともゴールとも限りませんが、最近真風さんの結婚もあったのでそんなこともあるかも…と。
いずれにしても幸せでいてほしいです。
プライベートで骨折療養中で全治2カ月の折り返し。
よりによって観劇の多かった3月4月をなんとか乗り切れてよかった〜
4/27(日)は大千秋楽。
天気は晴、
長く熱い一日となることでしょう。
18年の集大成を無事に終えられることを願っています。