4/14(日)1300、明治座にて
ぴあ貸切公演
あいにくの雨。杖と傘の二刀流(笑)、根性で行ってまいりました!


二階左サイド2列目、A席です。
明治座の席ってカタカナのコの字配列になってまして、正面以外はどこもイマイチな見え方なんですが、サイド席は、1列目の舞台に近い方以外は売ってなかったようです。正面席のサイドに接する前方の席も誰も座っていませんでした。思うに、そこを全て埋めてしまうと、サイド席は非常に見えにくい状況になってしまうのではないかと。舞台に垂直の並びの席でも前列が空いているおかげで、それほど見えづらくはありませんでした。
さてさて今回の観劇の目あては、かちゃのマリー・アントワネットです。
※とりとめもない感想になりそうなのを、先にお断りしておきます。
同じ小池修一郎氏の『1789』でも、宝塚版とはけっこう違うものなんですね〜。主な出演者の扱いも違えば、楽曲も違ったかと。
まずはロナンの妹のソレーヌが宝塚版での添え物扱いと異なりなかなかに重要な役となっていて、ずいぶん露出が多かったです。藤森蓮華さん、『ムーラン・ルージュ』にニニ役で出ていたかたですね。
マリー・アントワネットも、くらっち(直近の星組配役)こんなに歌ってなかったよね?というほどの目立ち方。かちゃ、なんともろうたけた美人です。(欧米人のような)濃い顔ではありませんが、品のあるたたずまいで、フランス女王というのが違和感なくて。いや、美人は知ってはいましたけど、今年1月まで、イケオジでしたよね?笑笑
歌も、驚くべきことにすっかり女声でした。
それにしても顔の小ささよ
舞台装置大好きな私としては、ワイヤーで吊った床板とほぼ同じほどの大きさの壁?が、ゆっくり前方に倒れてきて床になったり、バスティーユ牢獄の橋になったりする装置がおもしろく、盆こそありませんがこの巨大な装置のお陰でだいぶ迫力のある場面転換になっていたと思います。この斜めに傾いた状態の板をロナンがかけ登ってくるのが、男性キャストのダイナミックさ。宝塚ではまぁ安全第一?こういうアクロバット的な演出はありませんからね。
また小さな建物を舞台に見立てた、パペットを使った議会をめぐる混乱の説明が斬新でした。パペットを扱うのが、アルトワ伯の秘密警察の(マヌケなw)三人組という似合わなさ感がまた、笑いを誘いました。
アルトワ伯の部下ラマールは俵和也。いつも三人一組で出てきますが、オランプのことが大好きで、オランプが危ないと思うと主人のアルトワ伯にたてついてでもオランプを守ろうとする健気なところが笑えます。
この三人組もだいぶ露出が多く目立ちました。客席とのやりとりもあり、風体もあって、お笑い担当というか…?しかし非常に酷薄で自己中のアルトワ伯が、どうしてこんなマヌケな部下をクビにせずに使っているのかがナゾです。人材不足なのか、何か弱みでも握られているのだろうか…と思ったり。
宝塚に絶対にない配役としては、本物の子役。パリの町を知り尽くしているという、子ども離れした機転のきくシャルロット。役替りらしくて今日が誰だったのかわかりませんが、澄んだきれいな声の10歳くらいの女の子で、ここぞという時に出てきて危機を救うスーパーヒーローみたいな役でした。子役が登場すると和みますよね。
ペイロールは渡辺大輔。『Into the woods』の王子役、『Next to nomal』のダン(主人公の夫)役で私にはおなじみ。声量もすごく、圧もハンパない。まゆぽんよりかなり暴力的な作りだったと思います。
ダントンは伊勢大貴。私のダントンのイメージはまさにこれ!と膝を打ちました。ガサツで豪快で体も大きく、女好き。勢いはあるものの、いささか脳筋ぎみ。宝塚でのダントンはどなたもスマート過ぎましたね。
ところでアンサンブルの方たちの身体能力の高さには、どの作品でも感嘆するのですが、今回もすごかった!ダンスの中に連続のバック転を織り込んだり、暴動のときは(女性でも)舞台から落ちる人が何人も。勢い余ってでなくわざとかと思いますが(でないと、ケガしますよね)心臓がバクバクするような迫力です。今回総出演者が(たぶん)40人以上と多めなので迫力満点です。
民衆や軍隊が一階の客席後方から登場したり、舞台から降りて通路を歩いてはけたりと客席も使っての演出がかなり多いので、一階席のお客さんはオチオチしていられません。
お、そう言えば(失礼!)星風まどか。
あまりに通常運転過ぎて失念するほど。こちら本当に、役柄も衣装などのなじみ方も、いつも通りのまどかちゃんでした。
今日まさに、東宝版『エリザベート』の速報が入り、望海•明日海のダブルキャストの発表に明治座内もざわついていました。これまで退団したトップ娘役の一番の出世役と思われていた『エリザベート』のタイトルロールが、まさかの男役トップスターに(言い方はあれですが)奪われた形。退団すれば男役も娘役もライバルということですね。このあと、まだ礼真琴も放出されるんだから、本当に競争が大変です。
フィナーレでは、ロナンがオランプを、ロベスピエールがマリー・アントワネットをエスコートしてそれぞれ上手下手にはけるのですが、ワタクシ的には(かちゃ、手を上から出して)とちょっとドキドキ見守りました。長いこと、エスコートするほうの立場でしたからね。
本日は初日から七公演目。試行錯誤の中で次第に客席とのやりとりも慣れてきた頃。これから中日、千秋楽に向かって更に練れていくのではと。まだチケットもあるようですから、宝塚ファンのかたも、都合がつけば一見の価値はあると思います。