本日はこちら。

3/23(日)1200公演
日生劇場
V Passにて抽選でもなく普通に先着?で購入できました。A席のセンター寄り上手側。日生劇場は天井に近くても見やすいですね。席が階段二段ずつ段差がありますので、前の席の方とはほぼかぶりません。
一階は確認できませんでしたが、二階はS席もけっこう空席がありました。8-9割といった感じかな。手数料なしリピーターチケットを激推し販売していました。
私にとっては退団ぶりの愛希れいか。活躍は聞いていたものの、6年以上生観劇していません。
在団中も退団後も『エリザベート』のイメージが強い彼女。花總まりの後継者として重宝されていますが、今さら『エリザベート』でもないかな…
というわけで目についたこの『イリュージョニスト』を見てみようかと。
こちらもコロナの影響を強く受けた経緯がよく語られています。元々は2021年の1月の上演予定でしたので、私には望海さんの退団公演のころ。エンタメのなんたるか?を問われることの多かった時期に、とにかく上演していれば行くというスタンスで、ガラ空きの新幹線で遠征してましたね〜。
さて本題の『イリュージョニスト』です。
2021年の時にはわずか五公演、しかもコンサート形式だったそうで。その時は元々三浦春馬が主演のはずが、急死を受け海宝直人のピンチヒッターだった、といういわく付きの作品。
「その目に映るは真実か幻か」と、キャッチコピーが大仰だし、「驚きの結末」や「ネタバレ厳禁」といううたい文句がおどりますが、幕間含め2時間20分(本編わずか2時間)の中で、スピード感ありながらおおむねよくまとまっていたと思います。繰り返し同じ楽曲が歌われていて「人生はウソ」というテーマを強く出していたのも大きいかな。
まずは印象的だった3点
①二幕目には一言もちゃぴのセリフがない!
②最上手、最下手のアンサンブルに明らかに目立つキレイな女性がいるなぁと思ったら、晴音アキさん!ちゃぴとは同期同組でしたね〜
③イリュージョニストというタイトルから、たとえば映像を用いたものでも多少はマジック的な演し物があるのか?と思いきや、そういう期待は裏切られたかな。
出演者
主役のアイゼンハイムの海宝直人、恋人ソフィの愛希れいかなど、主な出演者は5人。
興行主ジーガ 濱田めぐみ
ウール警部 栗原英雄
皇太子レオポルド 成河
歌も芝居も濱田めぐみさんが目立ちましたね〜。この時代で興行主という切った張ったの世界で、しかも女性。アネゴ肌で、ドレスだけでなくパンツスーツでも登場し、かっこよく啖呵を切ったり、一転してアイゼンハイムを優しくたしなめたりなだめたりと、様々な表情を見せていて見応えがありました。歌も当然、彼女のソロのあとは大拍手が
濱田さん同様、栗原英雄さんも、海宝直人さんも劇団四季出身、ミュージカル界はせまいですね。観にいくと似た顔ぶれに出会うことがよくあります。
海宝直人は初でした。私にはゆきちゃん(仙名彩世)のダンナさんという認識ww
その他の出演者も女性キャストは前回の時とほぼ同じ。男性キャストのほうは半分ほど入れ替わりましたが、全体的に前回と同じ人が多くリベンジ公演の色合いが濃かったと思われます。
それにしてもちゃぴ背が高いな…とあらためて思いました。
成河よりは明らかに大きかったし、なんなら海宝直人ともそんなに変わらなかった。海宝直人は公式176センチとのことですが…?ちゃぴは男役時代は小柄な方でしたが、娘役に転じて少し身長を削って表記してたかも(笑)
あらすじ
時代は1800年代後半のハプスブルグ家落日の頃のヨーロッパ。この時代についてはヅカファンなら妙に詳しいので、はじめから完全なフィクションだとわかる設定。皇太子としてレオポルドという人物が描かれ、その婚約者がちゃぴ演じるソフィなのですが、ま、現実に置き換えるとルドルフってことですかね?終焉間近の帝国にあってそもそもわりに覇気のない人で、こんなに権力に固執したり野心に燃えて画策するような人物ではなかったような気も…?
ま、皇太子の設定はともかく、要は主人公のイリュージョニスト、アイゼンハイムと公爵令嬢のソフィが幼なじみの恋仲で(というところにも若干というか、かなりムリが…)、いったん引き裂かれたものの、婚約者である皇太子レオポルドと恋人を取り合うというのが大筋。
以下は私の解釈で、(たぶんこうなんじゃないかな?)というネタバレにもなるかもしれません。もし自分の目で真実を確かめたいのであればここで閉じてください。
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もしかすると愛する人と添い遂げたい男の、大芝居(ここではイリュージョン)なのかも?と思いました。
しかしいくら愛を成就させたいとは言っても、皇太子を自殺に追い込み、警察の捜査を撹乱したのは、大きすぎる罪ではないかと。後日談は語られませんが、ほかの人の不幸を踏み台にして生き残ったとしても、いったい二人は今後平気な顔をして生きていけるのか?と不安しかありません。
実は何もかもが幻であって、ソフィが生きているかのような幕引きすらも、むしろ夢幻(ゆめまぼろし)であってほしいくらいです。いや、もしかするとそうなのかもしれないとも思いました。客席をもケムに巻いたというか、たしかな答えを明かさない幕引きでしたので。ちゃぴが一言も話さないというのが暗示的でしたし。
解釈は観た人それぞれに任されているというのが近いかな…
「私はイリュージョニスト、人を騙すのが仕事」とアイゼンハイムも言ってますしね。
私も騙されたのかもしれません。