2/9(日)1730
ぴあ貸切公演、二階A席の最前列下手にて。
宝塚以外の申し込みでぴあでは外れたことはなく、順調にとれました。一回見たければ、一回だけ申し込めばいいというこの状況に、最近はだいぶ慣れてきました。ぴあの申し込み履歴を見ると、落選は全て宝塚。宝塚、ほんとに手ごわい
さて今日は二階からでしたので、初見で見上げていたセットの数々を逆に見下ろす形にはなりました。全体の動きがよくわかっておもしろかった。
キャストは真彩希帆と星風まどか以外は、偶然ながら全て別キャスト。
二回目だからか、橋本さんの滑舌がいいのか、声質が(私の耳にとって)聞き取りやすいのか?歌詞がだいぶわかったのでストレスが減った気がします。
キャストの皆さんが声を揃えてこの作品の魅力を「音楽」だと言っていますが、まー難曲ばかり。ドラマチックばかりではない、苦しさを音に吐き出すような、音符におさまらない揺らぎのような音はこびが難しすぎるのよ。二回見ても口ずさめるような楽曲はなく、せいぜいメグ・ジリー(まどか)の劇中の演し物だった「水着の美女」というワンフレーズが頭に残ってるくらい。笑笑
キャストのはなし
今回のキャストで見た感じ、橋本さとしと加藤和樹のバトルは市村正親✕田代万里生よりもかなりワイルド。もしかしたら橋本が若い分、哀しさより怒りの発露が強かったのかな?同じようなことはマダム・ジリーの香寿たつきにも感じて、可愛さ余って憎さ百倍という憎しみがゾッとするほどでした。春野寿美礼のマダム・ジリーにはそこまでの恨みつらみは感じられなかったですね~。むしろ冷めてる感じに受け取りました。
ダブル、トリプルキャストだと、組み合わせによって印象も違うのがおもしろいですね。
キャストについてぜひもう一言
失礼ながら真彩希帆ってこんなに可憐でしたっけ?スキル的には申し分ないながら、美人揃いの宝塚の中にあって、飛び抜けて美人の呼び声が高かったわけではなかったはず。好みもあるかとは思いますけど、私にはすっごくステキな女性に見えました。もちろん歌唱のすばらしさは言うに及ばず。ずっと聴いていたい天使の歌声でした。前作の『ファントム』は、“だいきほ”を失った後遺症がまだ強く、ほかの「男性」と組む彼女を見たくなくて観劇を見送ってしまいましたが(そこ?笑)、観ておけばよかったな〜と、いま後悔しきりです。
あらすじのこと
あらすじについては、【最悪】のどうのと言うよりは、謎の多いストーリーだと感じました。
ファントムが何故クリスティーヌの前から姿を消したのか?があいかわらず私にはナゾのまま。
前作の続きだとしても、観客がみんな前作を観ているとは限らないし、今の作品を観ただけでわかるようにしてないとNGなのでは?なにか犯罪を犯して身を隠しているような雰囲気を感じますが、クリスティーヌには捨てがたい思慕を抱いていて復縁をもくろんでいるようで。しかもクリスティーヌの息子は、ファントムとの子どもらしく…。ならば何故、そのままファントムと家庭を築いてないのか?それだと前作でハッピーエンドになっちゃうし、意図するところではないのかな?
ラウル(今日は加藤和樹)はクリスティーヌに惹かれてはいるが彼女の才能に嫉妬してもおり、音楽のことは本当には理解できないという劣等感に苛まれていそう。その上、自分の子だと疑っていなかったグスタフも、そうではないというダブルパンチ。かわいそう過ぎない?借金まみれでアル中ぎみ?も同情の余地が。ファントムが主役の作品ですが、ラウルの当て馬感があまりに強くて気の毒になって見ていました。クリスティーヌが亡くなって、血のつながらない息子が残されて、これから彼はどうしていくのだろう?
グスタフは実の父親のファントムに赦しを与えるようにそっと触れていますが、結局これまでどおりラウルと父子として暮らしていくのが現実的なんだろうし、煽りをくらった感のあるラウルは、愛情をもって育てていけるのか?将来が心配です。
気になったこと、ほぼメグ・ジリー
クライマックスで、メグ・ジリー(まどか)が子役を橋の手すりから落とそうと、抱き上げる(実際には手すりに座らせる)場面、ドキドキします。どちらかの手が滑って落ちたらどうしよう。 命綱があるようには見えませんが、下にはおそらく落下してもケガしないようになんらかの工夫がされているのではないかと思いつつも、10歳−12歳の男子を抱き上げる力技すごいですね〜。私は子どもたちが小学生になって以来、抱き上げたことはありません。20キロ以上とか、ムリじゃない?
初見でいまひとつ腑に落ちなかったメグ・ジリーのファントムに対する思いは、父親にかまってほしいという思慕とも、一人の男性への愛ともとれるなーと、今回もどちらか決め難く思いました。キャストの実年齢が、マダム・ジリーのほうが年齢的にはファントムとつり合っていそうだと思えてしまって、メグとの未来は見えなかったかなー。ラウルとグスタフを残して姿を消すファントムはメグ・ジリーを追ったのだろうか?もやもやの残る幕引きでした。
今日はぴあの貸切でしたので、終演後橋本さんの挨拶がありました。いろいろ噛んだり間違ったり焦ったり、ジドラー(『ムーラン・ルージュ』の支配人役)っぽくて笑えました。たのしいひと、こっちが素なのね。