7/24(水)11時と1530公演を拝見。

ひとこで『ドン・ジュアン』と発表があった時、行くことを決めていましたが(笑)、いかんせんチケットがままならず…タラー

ご縁を頼って今日のチケットをなんとか用意していただけました。名古屋公演て、どの演目を持っていっても売りさばきが厳しいし楽勝と思ってなめてました。

(._.)

今日は全21公演の中日。

いつもあまり情報を入れずに初見を迎えるのですが、楽しみすぎてスカステの番組をいくつか見ました。稽古場情報や初日映像、望海さんとの対談も。NOW ON STAGEは未見。後日見たいと思います。ブログは我慢して、敢えて読まずに臨みました。

マチネは一階最後列、かなり上手。

ソワレはマチネより少しだけ前寄り内側寄りに。

御園座は傾斜が緩いので前の方の頭がかぶるのですが、今回は見通しはさほど気にならなかったです。


まとまらなくてグタグタになりそうですが、初見の印象を記しておきます。


え~と私は、、、

初演の雪組とは別物と思いました。


もちろん英真さんと美穂さん以外、出演者が違うのですから当然ですが、脚本もセットも照明もけっこう変わってましたし。何よりも初演と異なりドン・ジュアンがどうしてこういう人間となったのか理由が示されてなくて、たぶんこの作品を初めて見た人は、その理由をあれこれ考えながら見ていたと思います。貴族の家に生まれ、お金も地位もあって、容姿にも恵まれ、ちやほや甘やかされたあげく、こんな人間ができあがったのだろうか?とか、母親が出てこないけど、そっち関係でなにか過去に問題があったのだろうか?とか。

実の父親に、生まれつき悪と憎悪の血が流れているとかひどいことを言われてますが(いや、あなたの血では?w)。う〜ん、どうでしょ?悪い道に躊躇なく走るようなサイコパスっぽい人は小説などで題材として取り上げられているのをみると、どちらかと言うとドラマチック(非日常)と考えられていそうです。人の性格を決定づける多くの因子は親と環境なんじゃないかな。もちろん現実に生まれついての悪人がいないとも思っていませんよ?


時代がいつなのかははっきりしていませんが、男たちが戦争にいき、「異教徒から国や家族を守る」と言ってますから、レコンキスタの最中なのかな?711年から約800年も続いていたそうですが、最終盤の1400年くらいかもしれません。騎馬で戦うような扮装(鎧)でなかったのでゲリラ戦を行うような時代かな?と。花火も上がってましたしね。花火のはじまりは14世紀頃からのようですから。

その頃のヨーロッパのキリスト教社会としたら、規範はおそらく十戒。

神は唯一神であることなど神に関することを除けば、次の3つがよく知られています。

殺すなかれ

姦淫するなかれ

盗むなかれ


お金に不自由はしてなさそうなので、物を盗んだりはなかったでしょう。女性関係があたりかまわずというような印象が物語的にとても強いので、ここらへんはアウト。ただ(現代人にとっては)男女間のゴタゴタなんて単に本人同士の問題では?と思わないでもなく。こんなことで悪の限りを尽くしたとまでは言えないのでは?と思えてしまって、そもそもドン・ジュアンがそこまでの悪人とは思えなくて困りました。当然時代背景を鑑みなければなりませんが、現代人の感覚としてはという話です。


私的にむしろ頭が変なのでは?と感じるのが美羽愛演じるエルヴィラ。その頃の婚姻がどのように結ばれたのかはわかりませんが、たぶん彼女の思い込みですよね?修道院にいたらしいですからよほどの世間知らずなのかもですが、この思い込みは怖い。ここまで全てを持っている男が自分だけには特別なわけはない、と気づかないのが相当おかしいなーと。雪組のくらっちほどの圧はないですが、ぽかんと天然ぽいカンチガイ女で一層怖いわ。


夫にするならドン・カルロ一択ですね(笑)

ラファエロはモラハラ男だし、自立する職業を持っているマリアには不要てかジャマ。

しかし恋というものは思い通りにはいかないもので、ドン・ジュアンとマリアはお互いに一目惚れして惹かれ合う。突然殴りかかられた上に、ラファエロがマリアの元カレだと初めて知ったドン・ジュアンは頭に血が上って決闘を申し込んでしまう。人のことをとやかく言える立場か!? 今は自分を愛してくれている恋人の、過去に何かあったらもう許せないのは自分勝手過ぎるでしょ。

ユーミンの歌にある「男はいつも最初の恋人になりたがり、女は誰も最後の愛人でいたいの」(魔法のくすり)ってまさしく真理をついています。

いったん言い出すと引っ込みがつかないというのも男にありがちで、分かり味が強い。ドン・カルロのように冷静に「戦って勝たなくてもマリアはお前のもの。ラファエロを殺してしまったらマリアはお前を許さないだろう」とは思えないのよね、カーッとなってる男って。そういう意味でも、ドン・ジュアンはモテ男だけれど普通の男だと思えて、これまたそこまでの悪とは思えない。


望海さんのゾクゾクするような背徳感はひとこには感じなくて、なんだかこじれてるのが愛おしかったりしてしまう。悪い顔はしてるんだけど、特にエルヴィラが突撃してきた時の呆れた顔とか、イザベラ(美穂さん)と見交わす目つきとか、アンダルシアの美女を顎で誘う仕草とか、この人こんなに表情の変わる人だったのか…としびれました。歌もうまい、ダンスも優れているけど、芝居の人でもあったんだと見直す思いでした。何よりもとにかくきれいで、こんなきれいな男に騙されるのなら騙されてみたいとさえ思わせるのもわかる気もします。幕間に後ろの席の方が「主役の人かっこいいね〜」と何回も言っててニヤリニヤリ 振り返って「でしょう?」(どこ目線w)と言いたかったですが、我慢しました。笑笑


楽しみにしていたのがあかさんの騎士団長。ビジュアルもガオリンさんより素顔が見えて、額のタイルみたいな(一部石像化してるのか?)のがちょっと不気味ですが、充分宝塚っぽい雰囲気になっています。彼女のセリフ、独特の発声というか、節回しがいつも気になっていたのですが、人外だと特に気になりませんでした(笑)。今後もずっと亡霊役ってわけにはいかないのですが、なにか変わるきっかけになるかもしれないと感じました。帰りの新幹線で、路線をはずれた役となって本人はがっかりしているのではと心配するようなご意見を読みましたが、え?そう?私は騎士団長の役は路線男役がやってもいいと前から思っていて、あかさんなんかいいのでは?と考えていたので、(やった!)って感じだったのですが。フィナーレも学年的に気をつかったのかもしれませんが、美咲ちゃんの前でした。二番手格ですよね?こういう怖い役は、大きさもだいじな要素ですので、すごく適役だったと思います。美咲ちゃんと白い布の中で入れ替わり、ひとこをハグしていた時には、がっつり包み込むようなその大きさは恐怖でした。


大きいと言えばらいとくんもほんとに恵まれた体格です。やはり華がありますね。今回歌唱もたくさんあって、声量も充分、聞かせてくれました。いい人だけれど、人知れず苦悩するというおいしい役でしたね。雪組では咲ちゃんの役でしたものね。近い将来花組のセンター付近を担うことになるのでしょう。


美咲ちゃんは一作ごとに良くなっていますよね。

きれいな声、ひとこちゃんともハモリがジャマし合わなくて心地いいです。

それと、ひとこが大きくなったわけでも美咲ちゃんが縮んだわけでもないと思いますが、二人の身長差がアルカンシェルのときより広がったように見えて??美咲ちゃんが娘役として芸達者になったのでしょうね。

ひとこの唯一惜しいところと言えば身長があと3センチ、欲を言えば5センチ高ければというところですので、相手役さんに助けられることはありがたい限り。


ひとこには絶対トートをやってほしい、『カサブランカ』もいいかも、と娘がいろいろ妄想しています。

演目はともかく、これから二人でつくる世界が楽しみです。


ソワレに巴里祭のメンバーと輝月さんが来ていました。東京が終わって移動の途中でしょうか?

名古屋弾丸ツアーのオマケでちょっと得した気分です。