雪組の『ライラックの夢路』が7月にスカステで初放送されました。もう一年経ったのですね〜

観劇当時気になっていた事を、放送を録画して確認しましたのでその結果の記録となります。

興味のある方だけお進みください。(_ _)


ダイヤグリーンライラックはなんの象徴か?


以下放送を聞き取りしたセリフです。

文章に起こすと日本語としてはやや変ですが、聞き取ったまま。咲ちゃんは台本通りにしゃべっていると思います。


「あの白いライラックを見ていると父上がオレに言った言葉をいつも思い浮かべる。ドロイセンの紋章の白いライラックは、農奴たちに対して非道なやりかたをした恥ずべき領主たちに対しての戒めとして刻みこまれた。」

言葉がはっきり聞き取れても、意味がわからない…

唐突に『農奴』が出てくるのにもとまどうが、なぜ白いライラックが戒めとなるのか?こんなに喋ってるのに、なんとも言葉足らずでは…?


そもそもライラックって



イメージとしては紫色。ほかに白やピンク色もあって、花言葉は思い出や友情、初恋などいい印象のものが多いようです。円錐形の束で咲くのであまり繊細な感じはしないものの、逆にゴージャスではあるでしょうか?

ただこんな記述もありました。


白のライラックには、避けるべき伝承的な意味合いもありそうな?

ものを書く人は周辺を緻密に調べるのかと思っていましたし、ましてタイトルに冠するくらいですから、一家言あるのかと思いきや、語感のイメージ先行だったのですかね?

上田久美子さんを引き合いに出すのもなんですが…

同じく花をタイトルに入れた作品でまっさきに思い浮かんだのが『桜嵐記』。日本人のDNAに深く刻まれた桜の花とでは分が悪すぎるかもしれませんが、タイトルというものは観劇の入口。とても大切なものと思います。


この、「ライラックはなんの象徴か?」という疑問を解くために前後10分ほどを視聴しましたが、実にクドクドした説明セリフが多い。そして2回(しか?w)観てないとは言えほとんど記憶にない(笑)。もうこの辺り(1時間5分過ぎ)では考えるのを放棄してましたね。当時感じたように、盛り込み過ぎでした。



ダイヤグリーンこめられたメッセージは


そしてもう一件、盛り盛りとは言えども、謝先生の言いたかったのは兄弟が助け合うことが大切ということなんだろうなと考えてましたが、この場面に続いて咲ちゃんが「最初はオレは兄弟で新しい産業を持ちたいという気持ちだけだった。しかし今は人々の心の幸福を願うことに変わった」(咲ちゃんの言ってるまま聞き書き)と言ってるんですね〜。どっひゃ〜びっくり!兄弟で助け合うどころか、“人類みな兄弟” にという壮大なことになってたのを一年経って知りました。

そうなると『ライラックの夢路』というタイトルが一層的はずれな気がしてきます。砲弾を作るのでなくレールを敷くことで、人々の暮らしを豊かにしていきたいというのが、ドロイゼン家の(長男の)具体的に目指すところのようですから、いっそのこと『鉄路のつなぐ夢』とか『鉄路の続く彼方に』とかした方が内容に即していていいような気もしますが、「鉄路」という単語を使うと一気に『プロジェクトX』みたいになっちゃうのが、なんか違うとも思うのよね〜。


この作品のなかで印象強くて今も覚えているのが、「私の作る鉄のアクセサリーを買ってくれた人がいます。(それで資金のやり繰りをします。)」というヒロインの発言。領土を売ってレールを作り、そのレールが売れなければドロイゼン家は破産だと次男が嘆いていたのに、たかがアクセサリーで!?と驚き呆れたのをまた思い出しました。※こちらは改めて放送を検証していません


前出の『農奴』のことも若干気になりますし(笑)、この場面以前のどこかに出てくるのかもしれませんが、おそらくもう見返すことはないと思います。

1年も経った今、白のライラックの謎をとりあえず追求したことで、私としては作品に対する誠意は尽くした感じです。

コロナ禍と相次ぐ演出家離れで、お金もない、人材もない中で幕を上げた作品でしたが、咲ちゃんのスタイルと衣装の着こなしと、鉄工所のイケメンたちを愛でる作品だったな〜とあらためて振り返った次第。