6/3(月)1330

三井住友カード観劇会貸切。

よく観劇をお誘いし合うお姉様と。

15列下手にて。


芝居には幕がありませんでした。幕の写真は無し。

初日が上がって三日目、東京のみのかたはネタバレにご用心ください。



そもそものモヤモヤは


さーて、「難解」と下馬評の芝居、敢えて真っ白で臨みました。

こまかいツッコミどころはいろいろありますが、まず一番のわからない根本は、
メアリー•スチュアートってだれ?
ってことじゃないですかね?

私は普通の教育を受けた、一般的な日本人だと自分のことを思っていますが、イギリスの固有の歴史なんてヨーロッパ史の一部としてサラッと学ぶだけで、全く詳しくありません。イギリスで取り上げられるトピックとしては、マグナ・カルタ、百年戦争、ワーテルローの戦い、産業革命くらいをブツブツに知るだけで、あとは全ヨーロッパ的にはペストの大流行と世界大戦。有名人としたらシェークスピア、ヴィクトリア女王くらいは知ってる程度の浅い知識しかありません。
そこに(ご存知の)『メアリー•スチュアート』とばかりに唐突に言われても、どこのだれ?って感じで…
でも、その人の首飾りが話のとっかかりで、以後ずっと彼女を巡る過去の事件がまるで周知のことのように底辺を流れ続けるので、(だれ?)と思い続けることになります。それを棚上げして話を理解するのはそれはそれで困難。
帰宅してからメアリー•スチュアートについて調べてみて、わりにわかりやすくまとめてあるものを見つけましたので参考までに。


せめてこの程度の予備知識があれば、お話をもう少し楽しめたのにと思いました。

帰宅してから、娘が買っていたプログラムを読んでみましたが、正塚先生の書いたもののなかにも、ストーリーの紹介のなかにも、メアリー•スチュアートその人のことは書かれてなくて。主人公ユリウスとヒロインアデーラが共振し合うのが物語の主軸のようで、メアリー•スチュアートは背景に過ぎないような感じに読み取れますが、それにしては観ている間の脳内の占有率が高い。王家に繋がる人でもあり、処刑された(らしい)ことや埋葬方法の異様なことなど、衝撃的でインパクトが強いんだと思います。日本が舞台で、なじみのある名前で、よく知られたエピソードを絡めて語られるのなら背景としてスルーできそうですが、知っているはずのことのように言われながら、ほぼ知らないのがしんど過ぎました。


配役など


さてメアリー•スチュアートはとりあえず置いておいて、初見で印象的だった他の話をしますと、配役がこれまでの月組とは少し違うように感じました。
番手のある生徒だと、破竹の勢いだった風間くんが今回は辛抱役、一方ぱるくんが目立つ感じでした。ちなつさんもあまり作り込み甲斐のある役ではなかった気がします。
番手外だと目立ったのは男役では瑠音くん、佳城くん(←いつもと違うキャラ!)、柊木絢斗くん、七城くん。てらくんはどこに出てるのかわからなくて、後でプログラムで確認すると土を掘り返す男性二人のうちの一人だったのですね。掘った穴の中にいるという設定のため、長身がすっかり埋もれていました。
娘役さんはセンター付近以外はモブ扱いのことが多いものですが、今作は重要かつセリフもある役が多かった気がします。羽音さん、菜々野さん、花妃さんも活躍してました。
白河さんはそれこそメアリ•スチュアート役で話の鍵となるはずですが、亡霊?のときはともかく、回想シーンは(場面転換がうまくいってなかったのか?)とてもわかりにくくて残念。回想だと気づくまでにちょっと(かなり?)かかりました。メアリー•スチュアートが何年も幽閉されていたなんて普通の日本人はたぶん知らないですし。(関ヶ原の合戦の前のことです)
きよらさんは差別化は容易で目立ちましたが、セリフや歌もほぼなくて難しい役だったかと。彼女このあとどう扱われていくのか気になるところです。
娘役(②か)③のみちるちゃんと男役暫定四番目のあみちゃんは姉弟の霊能者という、とても目立つ役ではありましたが、特にみちるちゃん、エキセントリック過ぎでは?もちろんそういう演技指導だったのかとは思いますが、(どうした?)みたいな変な人でした。演技派だと思うのに、しごく残念。ただのヒステリーみたいになってたかなー。もっと言えば、なぜエゼキエルという旧約聖書の預言者の名前にしたのか?も意味不明でした、正塚先生。名前、絶叫してましたもんねぇ…
この二人に限らず、話し全体がシリアスなんだかコメディに触れてるのかなんとも中途半端でしたね。
りんきらと羽音ちゃんのやりとりや、ちなつさんと瑠音君の応酬、みちるちゃんとエイデン天紫さんの丁々発止、ここでそんなのを挟んでくるか…と漫才で言うなら「滑る」寸前。正塚先生のサービス精神なのか?と思わないでもないですが、オリジナル脚本てこれだからな〜。
特に退団公演。「退団公演迷作説」というのはファンの間で古くから語られている伝説(笑)。一回で断じるつもりはありません。幸い何回か観劇の予定ですので、見極めたいと思います。

今日はとりあえず、初見に感じたことを感じたままに。
ショーの話はまた別稿で。
れいこさんが美しすぎて涙がこぼれたことだけ記しておきます。