観劇記録ではありません。

スペイン旅行に行ってきました。

ということで覚え書き。


人生で初めて会った外国人がイタリア人(神父さま兼幼稚園の園長先生)、英語以外の言語に初めて触れたのがスペイン語で。

中学1年生の時に英語の教育実習でいらしたのが、東京外大のスペイン語専攻のかたで、ホームルームの時間に簡単な挨拶言葉や歴史や文化について話してもらったのが強烈に印象に残りました。 自分でも本を借りて調べたりしたものです。ローティーンの時期の刺激は思ったより深く刺さるものですね。

ずっと憧れを抱いていたスペインですが訪れる機会はなくて、半世紀近く経ってようやく。


パリ経由マドリッドから入り、アンダルシア地方を周遊してバルセロナから抜ける旅。

旅行前に『スペイン旅行に行く前に歴史の話をざっくりと(河合美奈子著)』という本を読んでみましたが、とんと頭に入らず…(笑)私の頭が固くなってるせいはもちろんですが、複雑な侵略と支配の歴史が、はるか東方の一般人が書物で簡単に理解できる限度を超えていました。


彼の国に縁のある方、興味の深いかたには遠く及びませんが、旅人のひとり言とご容赦願います。

スペインの第一印象は、(地震がない国なんだな〜)という感慨。支柱もなく石を積み重ねる古い建築物が崩壊せずに残っているのがね。

2番目は東西?(イスラム教とカトリック)の文化の不思議な融合。侵略者が前の建物を壊して新しく建てるのでなく、敷地内に自分たちの建物を追加してしまう寛容さ?いいかげんさ?柔軟さ?

スペインが他のヨーロッパ諸国となんだかいろあいが違うのはこれなのか、と納得。


そしてヅカファンとしては、スペインが舞台の作品がたくさんあるので、地名を聞くだけでも心躍るというルンルン沸点低すぎか?

首都マドリッドは王家の宮殿があるところなので、ハプスブルグ家との関わりも深い。ハプスブルグ家と言えばヅカファンにとっては、遠い親戚のようなもの(ですよね?)と勝手に思っています。

道端のマンホールやゴミ箱や灰皿に「双頭の鷲」の紋章を見つけては、写真を撮ってほくそ笑むアヤシイ女。何撮ってるのか?と観光客も地元の方も思ってたかと。






セビリヤでは、ここを舞台にしたオペラがいくつもあり。『カルメン』『フィガロの結婚』。カルメンと言えば、宝塚では『激情』ですよね。直近では2023年の暮にひとこが率いる花組全ツで拝見。気まぐれなジプシーダンサーに翻弄されるウブな?男という典型的な悲恋もの。


また、慶長遣欧使節支倉常長の一行のはなしもあり。ハイハイと、つい『El Japon イスパニアの侍』寄りに考える私。江戸時代、さぞ遠かったでしょうねぇ…

このご時世ロシア上空が飛べなくて遠回りを余儀なくされたことに、文句を言ってはもうしわけないかも。


『バレンシアの熱い花』はかちゃ率いる星組でやはり昨年拝見。ここにも奔放なジプシー娘が出てきてましたっけ。スペインのジプシーはレコンキスタ(国土回復運動)の時に荷物を運ぶ手伝いをするなどの貢献があったため、保護するよう王命が出たとかで、今ではけっこう地元にとけこんで暮らしているらしい。イタリアではジプシーのスリに気をつけるように再三注意されますが、スペインのジプシーとは似て非なるものとのことです。


そしてコルドバと言えば『哀しみのコルドバ』。

れいちゃんがマタドールを演じた花組全ツ。(そこで急に踊り出したりして、ひとこを踏まないで〜)ってやつでした。闘牛は地方にもよりますが、おおむね4月から10月までの日曜祝日に開催されるそうで、ちょうど前売りが始まったところ。動物愛護団体の反対運動もありつつの、やはり人気の演し物とのことで、前売り券を求める列が闘牛場をぐるりと取り巻いていました。てか、ネット販売じゃないのね。マタドールはみんなかっこよくて、追っかけも多く、入待ち出待ちも古くからあるという推し活の世界のさきがけ。採用条件に容姿端麗というのもあるらしい。れいちゃんもほれぼれするほど似合ってましたっけ。


背景に見える5000人収容の闘牛場(ロンダ。*バルセロナでは反対が強く闘牛はできない状況)、

を取り巻くチケットを求める列


 




なにかの拍子にふと作曲家のリストの話になったとき、「リストはヨーロッパでなんで有名だったか知っていますか?」というガイドさんの問いに「モテ男だった」と正答できた自分を褒めてあげたい(笑)


バルセロナでは『サン・ジョルディの祭り』が近いせいもありましょうが(4月23日)、あっちでもこっちでも言及がありました。宙組『ネバセイ』の2幕初めの、(見た当初は意味不明に感じた)挿し込み場面も、現地でこんなに盛んなお祭りであれば臨場感を出すために必要なシーンだったのかなーと思ったり。これほどバラのモチーフが多いのは、サン・ジョルディの日を象徴していることを知ったり。


なににつけても宝塚を思い出しながらの旅を満喫。


そうそう、スカイステージのツイリーをスーツケースの目印にしましたの。

どこかでどなたかに話しかけられるかな?と思いましたが、そもそも日本人にあまり会うことなく…異国でバッタリ出会った人とヅカ話をするという野望?は叶いませんでした。




荷物を出してツイリーをほどいて旅の終わりを実感。


また新たな目で宝塚を観られそうです。