三回目は1/30(火)1330

セディナ貸切。8列目上手にて。


この日は『イザボー』は東京千秋楽。

OGの観劇レポートを複数拝見しましたが、雪組生は観劇したのだろうかと、ふと頭に浮かびました。


イザボーの上演期間と重なっていたので、観劇スケジュールがパッチワーク的となり、別物と思いながらも雪組つながりでなんとなく比べることがありました。

真彩さんのインスタで「(イザボーは)見ながら考えてばかりですね」という一文があり。もちろん同じ演劇界に生きる彼女にとっては、出演者たちは共演したこともある同僚、演出や裏方さんも間近で見ている仕事ですから、表に見えていること以外にも複層的に絡み合って情報量は私の比ではないでしょうが、ただの一観客にとっても、消化が難しいほどいろいろ考えさせられた作品でした。


今回『ボイルドドイル…』は背景はある程度史実に沿いながら、もしも原作は漫画と聞かされたとしても(あぁ、そうなのね)と思えるようなコミック的なおかしみがありました。咲ちゃんで言えば、漫画原作の『シティハンター』と動きなどは似ていたかな、と。

こういう作品は望海さん主演では想像できません。主演者と作品の雰囲気というのはお互いに引かれ合うようで、望海さんの時代に自虐的に?よく言われた「貧乏」「悲劇」「破滅」「闇社会」は咲ちゃんとはそぐわなかったとみえます。唯一『ボニクラ』がそれっぽかったかな…でも酷い結末ながら、悲壮感はないものでした。


「自分はホームズ作家じゃない」というドイルの葛藤が、考察好きの観客に唯一投げかけられたテーマだったのか?と思われましたが、それ以外は、ドイルの頭の中のファンタジー世界(ホームズズたち)と、ドイルの性向である心霊研究のシーンの差し込みを受け入れられるかどうか?がかなり重要な要素だったかな〜


作品としてなにか掴まれるものがあったかと言うと私にはちょっとビミョーでしたが、ディテールはそこそこ楽しみました。ドイルの山あり谷ありの人生も興味深かったし、芝居のスパイスのような縣くんの動きはいつも追いかけてしまいました。こういう方向に行っちゃうのか?!と不安なファンもいたようですが、ド路線の彼女、トップになればとても演ずることのなさそうなあやしげな役を、ここで経験できてよかった、ぐらいの感じでは?私はとても好感を持って見ていました。

それとなんと言っても、本作で退団の和希そらの最後の舞台姿を観たかったので、チケットがとれて幸いでした。


そして四回目でマイ楽となった2/7(水)11時公演。

友の会で当選。娘と観劇しました。13列目最上手。今回は初見以外はずっと上手でした。


2月のステージカレンダーは和希そら

まったく良くできたラインナップですね。



セリフの滑舌のよさ、歌唱のうまさ、ダンスのキレ、どれもすばらしい結実をみていて、しかたのないこととは言いながら本当に惜しいです。ドイルが行方をくらましてしまい、方策がない編集部を出ていこうとする和希ハーバートに追いすがって引き止める編集部員たち。なんだか退団を引き止めるかのようで身につまされる場面です。ドイルが現れて、「君がいなかったら誰が僕の担当をしてくれるんだい?」と言って「どこにも行かないとも!」と答えるハーバート。あぁ、本当にそうだったらどんなにいいことか…


ショー『フローズンホリデー』も和希をおくる愛と気づかいに満ちていました。

今とっさに思い出せないのですが、三番手羽を背負って退団した生徒って誰がいたでしょうか?彩凪翔も実質三番手(あーさと僅差)だったとは思いますが、羽は背負ってなかったですし、最近は2番手で退団する生徒は目立つものの(みやるり、あいちゃん、あきら)、全て上級生2番手でした。

通し役に近い「チーム教会」ではシスターたちを率いて歌い踊り、銀橋を渡りながらのオリジナル歌詞をつけた曲のソロ歌唱、フィナーレでは咲ちゃんとデュエットダンスという破格の扱いでの退団公演だったと思います。

思い起こせば彼女は宙組からの組替で、もしそのまま宙組にいてこのタイミングで辞めるとしたら、サイレント退団となってしまったわけで、運命の数奇さを思います。96期、組の中でも指導する立場となるはずの上級生、同じく宙組出身のトップ娘役夢白あやさんは103期、二人とも亡くなった生徒さんと関わりは浅くなかったのではないかと…

たまたま、本当にたまたま今所属する組が違っていたために華やかに送り出してもらえることを、幸せ一辺倒でない複雑な思いでとらえているのではないかと推察しています。


私にとって見納めとなるそらくんの姿と声を、しっかりと心に焼きつけてきました。

あと四日、六公演にて千秋楽。

いつかまた舞台に立ってくれたらいいと思いますが、なによりも彼女の行く道が幸せで充実したものでありますように。