10/22(日)11時、A席8列目センター
友の会の当選で娘と。
10月は宙組の遠征の合間に月組も、外部の公演もと、多忙なはずだったのですがすっかり予定がなくなり。傷心を抱えてコキアに癒されてきたりしておりました。
ひたち海浜公園。ちょうど見頃でした。
感染症のまん延?とかで、休演、代役の嵐のなか乗り出した月組公演。毎日のように今日はあるのか、ないのかと気をもみながらようやく予定の観劇の日。
宝塚界隈で(ご存じの)辛いできごとがあって、時が止まったかのような日々。そんななか9月末の花組以来の宝塚観劇となり、自分の心がどう動くのかと内側を覗きこむ思いで。
まず案外平静です。
そして東京はあいかわらず満席です。
東京宝塚劇場にきている人で、週刊誌で取り上げられていることを知らない人は多くないと思いますが、みんな静かに見守っているのかと。
私も観劇ブログは通常運転で。
ずいぶん久しぶりな気分ですが、直近が9/29でなので一ヶ月はあいていないんですね。
齋藤吉正演出の『フリューゲル』、栗田優香演出の『万華鏡百景色』の二本立て。この発表を聞いたとき、(え?逆じゃないの?)と思ったのは私だけですかね?
齋藤先生はショーの印象が強くて、栗田先生と言えばまだ作品は少ないですが、『夢千鳥』と『カルトワイン』という小劇場作品でヒットを飛ばした将来楽しみな若手。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%BD%8B%E8%97%A4%E5%90%89%E6%AD%A3
こうして作品群を見ると、私は本当に齋藤先生とは相性よくないみたい(笑)
今回もよくも悪くも齋藤節で、、、
妙な自己満足のお笑い的な要素が入っているのがなんとも。でも彼なりの宝塚愛は感じるので、苦笑しつつも憎めない感じ。
小池先生に倣って世界情勢を盛り込んだのか?今回はベルリンの壁を背景に。盆を回して東側と西側に分けて見せたのはちょっとおもしろかったかな。ただ学生運動?の場面が長くて単調だったせいか、(失礼ながら)初見なのに意識が飛びそうになりました。
しかしながら退団の蓮くんと蘭くんにそれぞれ見せ場のある役で心尽しを感じられ、齋藤先生のそういうところ、悪くないですね。
白雪さちかさん演じる母親との別離から始まり、大人になって再会して母親を理解し受け入れるところまでの一本筋の通ったストーリーは腑に落ちるものがあったし、れいこさんヨナスの心の揺れにも寄り添うことができました。ただ、アフガンの革命家サーシャを匿い、逃がすために画策するなかで自らスパイ(みちるちゃんたち)をつかうというのはちょっとムリ設定だった気がするし、いろんな帳尻合わせをルイス風間くんにやらせてしまっているのが、イヤハヤご都合主義で。その分、自説を曲げない(ある意味)堅物のヘルムートちなつさんがバランスとってるのかしら?しかしこの作品のムードからみて、思想闘争に敗れたヘルムートのピストル自殺は必要だったかな…?失敗して悔しがって、大団円とまとめてもよかったのではと。
いずれにしても齋藤ワールドではありました。
『万華鏡』のほうは、ひとことで言うと「おどろおどろしい」。
異世界、ファンタジー、ホラーなどさまざまな分野がありますが、白黒で言ったら黒寄りの不可思議な夢の世界にいざなわれていきます。しかも和もの。古い物に宿る神様は昔から語られてきましたが、付喪神も、漫画やアニメで人気のようですから、若い人にとってもなじみの深い界隈ではあるのでしょう。古いものを疎ましく思う一方で、懐かしかったり今では手に入らない得難い魅力もあって、とりつかれる人も一定数いますよね。栗田先生もそういうかたなのかなー。芝居ではあまり感じませんでしたが、ショーとなると場面ごとに衣裳などにも工夫を凝らせるし、やりたいことを詰め込んだ実験的な感じかな、と。大筋で輪廻転生があって、そこに時代をからめて、東京というルツボを芯に万華鏡のようなくるくる変わり同じものがないというイメージを貫いた作品。
こういう考えなければならないような作品は宝塚のショーで見たくない、という意見も見ましたが、私は好きでした。 幸い何回か観劇の予定ですので、今回見逃した(というか、いつものように目が足りなかった)ところをあらためて拝見したいです。
プロローグの付喪神たち、男役も娘役も路線スターが勢揃いですね。手に持ってる小道具も気になるしストップモーションかけてコマ送りしたいくらいです。
中詰めの客席降りは二階席には下級生がきてくれました。なにしろA席の最前列でしたから、真ん前の通路にキラキラした男役さんが!
ごめんなさいm(__)m
どなたかお名前がわかりませんでしたが、ほんとにお綺麗でドギマギしました。すぐ隣はたぶん雅耀くん(109期)かと。娘は「顔が私の半分くらいしかない~」と嘆いて?おりました。笑笑
フィナーレでの蓮くんの一人降りは涙もの。拍手もとても大きくて、本人も見たことのないような柔らかい表情で、、、卒業を見送れることが幸せです。
どうかこれからも卒業するすべてのジェンヌさんに拍手を贈れる機会がありますように。