8/29(火)1400公演
今日はこちらへ。
OGを追いかけた夏、これがラスト。
宇月颯と瀬戸かずや。としとあきら。
90期の同期ふたり。
月組と花組で現役時代を過ごし、タイミングもあってあきらは二番手にまで上り詰め卒業。としはその前に未練なく退団し、実力もあり外の世界で活躍中。ヘタに番手がつかなかったことで、柔軟に泳げ重宝がられている印象。あきらは二番手までつとめたことで却って敷居が高くなったのか?それとも本人の希望なのか、OGの公演にゲストでは出演しているが、他には『刀剣乱舞』以外目立った舞台には(たぶん)出ていない。
だからこの公演はいわば『宝塚枠』とは言え、久々の舞台の仕事。私のなかでOGを追うなら「演劇」というのがはっきりしてきた昨今、これは行かない手はないおもしろそうな舞台。
浅草九倶楽部(ここのくらぶ)ホテルの付帯施設という位置付けの浅草九劇。座席数なんと、96!
ホテル併設ということもあって、お座敷宴会の余興的な匂いがするが、もちろんサービス営業でなく全くの別料金で独立した演劇。なかなか実験的なというか、尖った演目をこんな観光地でかけているというのがおもしろい。
まずたたずまいが渋い。
浅草花屋敷の左奥の路地を曲がったところにあり、一階が「桟敷」という名前のカフェ。劇場は二階。その上はホテルだが、お値段を調べてみるとそこそこ高くてどんな層を狙っているのかちょっとナゾ。
狭い階段を上がり、狭い通路を通って改札となるのだが、通路を隔てる赤いカーテンの向こうは楽屋だよね?なんかビニールを破るようなカサカサと音がする。本番前の休憩中の飲食なのか?妙にリアルでおかしい。
上が左前方(10時の方向)、下が右後方(4時の方向)でして、その間をつなぐ通路及び劇場を一周する通路があり、役者はあっちへ行ったりこっちへ行ったり…しかもやたらに近い。もう自分の膝前くらいのところに役者が立つかんじ。
バンドはギター、ベース、キーボード、ドラムの5人で生演奏。贅沢な仕込み。
芝居は2012年の韓国の台本公募受賞作で、日本では初演(のはず)。今回、各二人の三チームで上演となっていて、私はアルファαチームを観劇。
あらすじの説明が難しいので、ストーリー張ります。
しかしこのあらすじも、実際に観てみるとなんか違うんだよな~
『ミュージカル TRACE U』とありますが、どっちかと言うと、ライブかな?歌で話を進めていくというよりは、ライブのなかに話が埋め込んであるかんじ。歌はとしはもちろん、あきらもとてもよかったのですが、音響に問題ありなのか、歌詞は(特にロックは)よくて7割くらしか聞き取れませんでした。でも特に大きな問題は無し。歌う以外の発話の部分で充分追えます。
あきらがウビンで、としがボナ。男性か女性か、言葉や服装でははっきり弁別できず、まぁどちらであっても成立するのかなー。ボナが気になった相手が女性なので、ボナは男性なのかとも思いますが、女性が女性を好きになることもありますものね。
ドラッグ、意識混濁、記憶喪失、捨て子、失踪、殺人または自殺?と問題山積み。解釈は色々でもしかすると正解はないのかもしれませんが、私はウビンとボナは多重人格なのか?と思いました。現代の韓国で戸籍がないという状況があり得ないし、戸籍がないということは現実には人格がないのかな?と。どちらが本体でどちらが影かはわかりませんが、二人で一人、離れられない関係性。ラストは白衣を着せられたボナ(入院患者を表現していると思う)が、ウビンに導かれるように出口から出ていきますが、その姿が消える最後の瞬間に見せる微笑が意味深です。ドラッグに溺れているボナ(とし)が虚無なのか?と思わせておいて、実は冷静な語り手のように見えるウビン(あきら)が幻なのかもしれない。ナゾはナゾのまま幕が降ります。
ステージのラストの様子。
ギターケースからこぼれた薬。顔の描かれてなかった壁の絵に、(ウビンによって)めちゃくちゃに張り足されたパーツ。
いったい何を暗示しているのか…?
*******************
まぁあまり考えないで、ライブハウスドバイのライブを楽しむのもあり。とにかく役者が近いので、一体感は半端ないです。舞台の上の人が自分の膝前にまで降りてきてくれる高揚感だけでも、行った価値があるというもの。手拍子をしたり、手を振ったり、突き上げたり、声を出したり、自由に楽しめるのもこの空間ならでは。
それにしても「背もたれのない椅子を用います」というお断りでしたが、理科室のスツールの方がましなくらいお尻が痛かった

上手前方の白い椅子は座面が広くクッションもきいていそうでしたが、その他多くの椅子は手前の茶色の座面のもので、堅くて小さくて95分座っているのがなかなかにたいへんでした

きゃのんさんが私のすぐ後ろにいらっしゃってました。同期ですね。ほかにも複数、OGジェンヌさんが。
みなさん同期愛、同窓愛、深いのですね。
リピーターチケットを販売していました。1ヶ月の長期公演もそろそろ大詰め。としとあきらのアルファチームはあと三回。千秋楽の9/3もアルファチームです。