8/14(月)、妹と『薔薇とサムライ2海賊女王の帰還』をゲキシネ扱いで映画館で観ることができました。


新宿バルト9で10時から。

入場のとき、一人一枚封筒に入ったカードをもらえて、私たちのはこれでした。





去年上演中に観に行くかどうかすごく迷って、結局チケットを買うタイミングをのがしてしまい、生観劇が信条の私としてはかみ合わない思いもありましたが、背に腹は代えられないとムビチケを購入して封切りを待っていました。

結果、とてもよかった!


劇団☆新感線てけっこう前からあるし(聞けば40年以上前とか)、名前は知ってましたが、ただもっと喜劇に振れてるのかと思ってました。あるいはもっと前衛的なのか?とも。百聞は一見に如かずですね。台本もすごくしっかりしててブレがなく、筋書きは単純でたどり着く結論もわかってて、安心して見ていられる。時折パロディに振れて、おやじギャグが飛び出すところもチョイチョイあって、188分、息を飲んだり、笑ったり、大いに楽しめました。

音楽や音声も映画館向けに編集し直したとのことで、

背景に映像を多用しているせいもあるのか、劇場のライブ中継というより、映画作品を見ているようでした。花道が舞台近くしか映らないので、そのときに(あ、舞台だったんだ)とあらためて思うくらい「映画」でした。私の見た上映回は、「日本語字幕付き」ということで、(なんで??)という感じだったのですが、舞台上後方にも字幕が出ているのが時々見えて、字幕付きとすることでそういう劇団☆新感線らしさを出したかったのかなー?と。滑舌悪い芝居のときは字幕あったら助かりますが(笑)、全く不要でした。


さて演者ですが、古田さんと天海さんのセンターはとりあえず置いといて、まず幕間(15分ありました)にググったのが、早乙女友貴さん。敵対する国の女王マリア陛下の嫡男で引きこもりの王子役なのですが、石川五右衛門役の古田さんが王子に姿を変えて戦う時に、仮面で顔を隠して登場します。その殺陣が迫力!!華麗であり、スピードもあり、(え?なにもの?)という驚きでした。大衆演劇の早乙女太一さんの弟さんなんですね。おみそれしましたm(__)m


その敵役のマリアグランデ高田聖子さん、ボルマン宰相役の生瀬勝久さん、主人公サイドのケッペル先生の粟根まことさん、エリザベッタの森奈みはるさんとベテラン芸達者の強力な布陣。

新星石田ニコルさんのヒロイン感、神尾楓珠くんのフレッシュさ、ほかにもあの人もこの人も枚挙にいとまがないほど目が離せなかった。

(男性2人女性1人の)3人組の吟遊詩人?が要所要所で現れ、芝居にも絡みつつシャウトする。出演者それぞれも歌うけれど、歌唱の部分の多くをこの人たちが担う感じ。これって、こないだから勉強してる(笑)フレンチミュージカルっぽいな…などと頭をよぎったり。


そして古田さん、私はこのかたはNHKの連ドラ『あまちゃん』で認識した人なのですが、ほんとに存在感抜群。上映開始前のスクリーンにも天海さんと現れて、素で漫才感を醸し出してニコリともせず。「劇場に来ていただくのは、敷居が(高い)ね。お金も高いしね」「皆さんには安いところで見ていただいて」と言って、天海さんに「コラ」と怒られる笑笑

実見は初でしたが、石川五右衛門役はほんとうにピッタリ。でも他の役でもきっと自分のものにするんだろうなぁ。

この歴史的な背景を取り入れた脚本は劇団☆新感線の得意路線らしく、衣裳にも凝っていて、着こなしや動きも慣れたもの。こういう中世ヨーロッパもの的な演劇を看板メニューとするのは、宝塚だけじゃないんですね~と改めて知りました。


そして天海さんですよ。

もちろんヅカファンとしてお名前や伝説は知っていましたが、実見ははじめて。まぁ天海さんに限らず、宝塚OGを追い始めたのは彩凪翔の退団以降ですし。私が宝塚を観始めた時には既に退団されて活躍してましたし、男役時代は知りません。はじめから女優として見ていて、宝塚のことをあまり語らないことや、OGのかたと(頻繁に)からまないことからいろいろ邪推する話も見聞きしたこともあります。でもそんなこんなはどうでもよくなるほど、かっこよかった。アンヌ女王として采配を奮うさまも、記憶を失くして怪盗紳士として暗躍するさまも、後進に道を譲って去っていくさまも、ほんとうにステキ過ぎました。怪盗紳士役はトートかのような衣装で『最後のダンス』っぽいパロディ替え歌を歌ったり、舞踏会に亡命貴族を装って現れたときは黒のタキシード姿で、居合わせた女性をウインクで瞬殺。宝塚での男役としての歴史も柔軟に取り込み、芸能界で地位を築いているのに改めて感心。このかたが一世を風靡し、今もなお人気があるのに納得でした。私はわりにあまのじゃく的な人なので、現役時代を知っていたらそのときの天海さんに夢中になったかというとちとわかりませんが、たとえ今日になったとしても、いま彼女に出会えてよかったです。


なんならもう一度観たいくらいなのですが、難しいかな~

8/24までの限定上映なので、気になっているかたはぜひチェックをオススメします。残念ながら連日満員御礼というわけではないので、、、タラー思い立ったら観られますよ!

観劇後にメールでチケットのデジタルデータがプレゼントされました。↓




日比谷シャンテ三階では衣裳展をやっていて、こちらのポストカードがいただけます。

あらためてもう一回見直さなくては。




これから星組です。my楽となるはず。


(注)「実見は初」とか言いましたが、これは舞台のライブ映画でしたので、正しくは実見ではないですね。舞台観たかのように、つい勘違い。