8/1(火)11時公演。ブリリアホール
生徒さんの取り次ぎでL列下手で、娘と一緒に。
ききちゃんのお茶会のボードが出てました。
お茶会復活してるとは聞いてましたが、実際に見たのは5類移行後はじめて。明日休演日だから、今夜ってことね。二回公演後にまだお茶会。並の体力じゃないですね。
今日も二組のペアの歌い合いに圧倒されました。
アーサー&グィネヴィアと
マーリン&モーガン
光ペアと闇ペアとでもいう感じですかね。
闇に操られたランスロットが 、光に影を射すような役割に。
アーサー王伝説ってよく知られた壮大な物語で、実在したかのように語られてますがよくわからないことが多いようですね。原作はなくて、各地の民間伝承をまとめて脚色した創作。ロマンスもありつつの、主軸は戦い。いかにも狩猟民族の血がたぎる冒険譚。
今回の『エクスカリバー』は韓国ミュージカルを持ってきたもので、宙組始動の時の『エクスカリバー』とは別物ですが、なんか因縁を感じる演目です。
それにしても良くできた話で、アーサーの成長を見守る客席も、(立派になって…)と涙する。ききちゃんのトップスター就任をいっしょに喜べる秀作だと思います。
さまざまな試練を乗り越え王となる決意をしたところでは、我知らず涙がこぼれました。ききちゃんのロングトーンに泣かされます。
物語の始まりは
ところで、褒められたことではないですが、宝塚歌劇と『不貞』、『不倫』は親和性が高いですよね。こう言っては語弊があるなら、大きなテーマのひとつと言いましょうか。虐げられた(不幸な)若く美しい人妻がいて、たまたま出会った騎士とか、久々に再会した幼なじみとかと恋に落ち、出奔するか、自殺するかをベースに、国や時代や身分を変えれば、いくつでも話が生まれるという。
今回もいくつもの不貞の物語が。
ひとつめは大元の、ウーサー・ペンドラゴンの横恋慕。これは不貞と言うより犯罪。
なにも知らないアーサーはむしろ被害者なのに、父を奪われたとモーガンに逆怨みされてなんとも気の毒。
夫が浮気したのに相手の女性を恨むようなものだと思うけど、こういうねじれた対象を恨むことってありがちですよね。
もうひとつは、グィネヴィアとランスロットの不貞。
そもそもアーサーも含めて三人は、同時期に出会ってほぼいっしょに同じ女性を愛してしまったので、残念としか言えないのですが辛い!それでまた、ずんちゃんの演技がうまいんですよ。幸せそうなふたりを一番遠くで黙って見つめる様子をついガン見しちゃってたから、黒魔術にかけられて過ちを犯したとは言え、(思いが叶ってよかったね)と思う自分もいたりして。だいたいアーサーもここに至るには自業自得のところもあったので、尚更でしたね。
まるきりの悪人も、完璧な人間もいないアーサーのまわりは、些細なことに揺れ動く心が、なまなましくて痛いほどでした。
自分を許すことができないと、いったんは去っていくグィネヴィアですが、いつかアーサーのところに戻ってくれたらと願います。
そして幕引きは
マーリンとモーガンの闇ペアも切ない。
底知れない力を持ち、寿命も長く、人びとの命運を導くような立場にあったマーリン。
判断ミスを認めウーサー・ペンドラゴンからエクスカリバーを取り上げ、罪の子たるアーサーを逃してエクサーに託し、いずれは実父ウーサーの過ちを正させようと見守る一方で、幼い(10歳くらい?)モーガンがなんでも吸収するのを慈しんだものの、あまりに賢しくて闇落ちするのを恐れて距離をとったことで逆に恨まれる羽目に。結局刺し違えて始末をつけるわけなんですが、、、
大きな目を見開いて、「私を見捨てた」と絶叫するモーガンは、幼い子どものようでした。「今からでも遅くはない」と言うアーサーの手をとればよかったのに、、、
姉弟として穏やかに暮らす幸せをモーガンに味あわせてあげたかったと思います。
ほんとうのフィナーレ
真風さんと潤花さんがご観劇でした。
白のジャケットを肩に羽織って入場してくる様子は現役そのもの。「目立つわ」と私があとでこそっと言ったら、娘が「あれしか持ってないの!」と。笑
でも胸元の金のチェーンが華奢な造りで、ちょっとした変化を感じました。
潤花さんは相変わらずバタバタちょこちょこしてて、天然だな~とほほえましく。格好はピタッとしたサマーニットですっかりいまどきのギャルでしたね。
プライベートでも仲がよさそうでなにより。
終演後ブリリアは後方席から2列ずつ規制退場なんですが、先にお二人とアキモが退場して観客一同拍手でお見送り。
ほんとうのフィナーレ。