6/18(日)1530公演
10列目下手にて娘と。
千秋楽近くにマチソワでとれていましたが、所用が入り本日と交換していただいたもの。
昨日が東京初日。
星組大劇場も月組シアターオーブも休演しているなか、幕が上がった雪組の、二日目。
これをアップするかどうか、書いてから2日考えました。
ただ感想は観劇した観客のもの、しかも私の感想は私のものと思いますので、現時点での私個人の思いということで、上げることにしました。
良いことのみ聞きたいかた、ネタバレお断りのかたは、このあとに進むのをご遠慮いただければと思います。
素人感想の言いたい放題で、失礼いたします。
Ready?
まずは『ライラックの夢路』
脚本の構成力は慣れよりもセンスでは?と思った件
先立つこと兵庫での観劇感想を拝見して、謝さんの脚本いろいろ覚悟して?いたものの、思ってた以上にアレでした。
一言で言えば『呆然』。
とにかく突っ込みどころ満載で、始まって20分後には考えるのをやめました。(考えるな、感じろ)的な?見方でいろんなことをスルーして前進。
まず、軸が多すぎる。兄弟5人いてランドルフ(一禾)以外の4人の、それぞれの話がこま切れで展開するので、頭が追いつかない。(今の、どういうはなし?)とうっかり考えていると、もう違う人物の切り口になっている。『関税同盟』というワードがよく出てきて、それに対する説明がけっこう勢いよく成される割には、その後どうなったかのフォローがなく疑問が残る。(関税同盟どうなった?)とふっと頭をかすめるが、とりあえず忘れて進む。
そしてありがちだが、合間合間に踊り出す。
舞台装置がほとんど使われない。大劇場公演なのにもったいない…
暗転多し。
たしかに実際の人の営みというものは、一人一人に物語があって、あちこちで復層的に進んでいくものだとは思います。でも一時間半の芝居の中で何もかも描くことは物理的に不可能だし、焦点を絞らないと何を言いたいのかわからなくなってしまうのは必然。一年間の大河ドラマならともかく、登場人物それぞれのエピソードや、周辺への広げかたもほどほどにしないと完全にとっちらかって収拾がつかなくなった結果の、『呆然』だった気がします。
でも言いたかったのはシンプルに、兄弟が助け合うことの大切さ。たぶん、そうですよね…?
ただその背景として鉄道事業に取り組むという、大風呂敷を広げた割には鉄道に対する理解は浅かったし、ヒロインが音楽家を目指してがんばっているという、19世紀当時の女性として革新的な試みはあっさり変節してしまい、あまつさえ主人公に「女性が作るアクセサリーは女性が作る方がいい」のような、彼女の目指していた方向とは矛盾することを言わせてしまったり、、、
最後に資金が足りないというときに、「残りの資金調達は私がします、私の作った鉄のアクセサリーを全て買ってくれたかたがいます。」とヒロインが高らかに申し出ることとか。いや今さ、足りない分は土地を売ってとかいう話をしてたんじゃなくて?え?その足りない資金って、アクセサリーが売れたくらいで調達できる金額だったの?鉄道事業にどれだけお金がかかるかわかってる?みたいな突っ込みどころに、又あ然。
夫に今日の観劇の話をしたところ、鉄道オタクの彼は、『小林一三物語』とかにした方がよかったのに、と残念そうに言う始末。笑笑
そうまさしく、阪急創業者の生誕150年に忖度したのかも?と思わないでもない色付けですが、鉄分(鉄道オタク界隈で言う、「鉄道成分」の意味)は言うほど多くはなかった気が。そもそも製鉄所経営から鉄道事業に至るのもちと短絡的では?やっとこさレールを鋳造できた段階で、このあと当然車両も必要だし、レールを敷く技術も必要、土地も買収しないとならないし。問題山積み。株式会社にするのはいいけど、銀行からの融資は絶対必要と思うのに融資のほうは色がらみ、いったいこの会社だいじょうぶかな…
美穂さんをセンターとする三人または五人の娘役さんが頻繁に現れ、後で美穂さん自身が「(私たちは)人の心の闇が生み出す魔女」と芝居の中で説明。ただこういう心象風景を表現するようなダンスの挿入は宝塚にはありがちなので、セリフで説明されなくてもあまり気にはならなかったかも。
わからなかったのはそこじゃないし…。
この芝居でひとつ楽しめたとしたら、製鉄所のかたがたの熱いダンスシーン。縣をセンターの若いエネルギー滾るダンスは目を見張ったな~
今回は体調不良であすくんとおーじくんほか2名が休演。上級生好きの私にとってはかなりの痛手(笑)
まなはるに希望を託しての観劇だったが、今回はここ最近ありがちの小物の悪党でなく、成功者で主人公の味方ポジ。ただ派手なボタニカル柄のフロックコートがあまりにもいつものまなはるっぽくて、ウンウンうなずいちゃった。期待を裏切らない風体でうれしいわ。
そして平均以上であることを切望するショーは、
『ジュエル・ド・パリ!!』
幕開けは銀橋からだが、緞帳が上がって大階段が現れると、そのまん中に咲ちゃんが『女王様然』と立っていて(おぉ!)と息をのむ。ドレスと合体していた布が左右に引き抜かれると、タキシード姿のトップスターが姿を現すという大がかりな趣向で楽しませてくれる。
芝居での咲ちゃんも19世紀の貴族の服装がきらびやかで似合っていたが、やはり彼女はショースター。長い手足といい超絶スタイルがよくてほれぼれするかっこよさ。何を着てもステキ。
夢白ちゃんのお披露目公演でもあるからか、トップ娘役のセンターがいつになく多い。特にカンカンの場面はかわいくて華やか!たくさんの男役さんたちも参戦、にぎやかで楽しい!そらくんにお相手を迫っていたのは男役さんかなー?解析率悪くてスミマセン。
だれか教えて。
話題の和希そらのクレオパトラ。鍛え上げられた腹筋から目が離せない。にわさんのソロ歌唱が迫力。
芝居がプロイセンが舞台で、ショーがフランスのせいか?雪組生の金髪率が今回かなり高い。カセキョーの明るい髪色が新鮮だわ。早いものでもう研4。着々と育てられてますね。
藤井大介先生と言えば男役の女装が定番だが、今回は娘役さんの男装も?!これはこれでキュート!
歌姫美穂さんはショーでも活躍で、安心安定の美声を堪能。歌い合いは和希そらと。そらくんさすが!デュエットダンスでは贅沢な陰ソロを。
ソロ歌唱では有栖妃華ちゃんと音彩唯ちゃんが、ショーの場面とエトワールを分け合ったかんじ。どっちももっと歌唱を聞きたいところです。
まずまず期待どおりのショーでひと安心。
さてしばらく休演というみなさんには、どうぞおだいじにしてください。
次回観劇の機会があれば、ぜひお元気な姿に舞台で会えますように。