2/12(日)11時、KAAT。

三階センター(A席)にて。

自分では2/9の一階前方がとれていたのですが、DreamGirsと重なったため、交換を経て前楽のA席をゲットできました。

高くて舞台はちょっと遠くはありましたが、手すりなど視線を遮るものはなく、見易い席でした。

一回だけですが観劇が叶ってよかった。





もう前楽ですから、いろんな人の感想が目に入ってまして、真っ白で観劇というわけではなかったのですが、充分新鮮に見られました。何より素材がお初だったことが大きいかと。日本ではほとんど知られていない人物ですが、映画があったのですね。『ロイヤルアフェア 』(2012)、主演はマッツ・ミケルセン!『カジノロワイヤル』の悪役ル・シッフル(こんどのききちゃんの役)を演じた、デンマーク出身のひとくせあるイケメン俳優。宙担としては俄然興味が(そっち?ww)。マッツ・ミケルセンと思うと、あーさはちょっとアイドルふう過ぎますが、これはこれであり。なにより野心に燃えた人物であることが、あーさにぴったりでした。


縣は『蒼穹の昴』に次いで、またしても王様。ものを知らず、良きにつけ、悪しきにつけすぐに影響を受けるという同じような役でしたね。王家に生まれた後継ぎというものの典型なのかな?ちょっとちがう役を見てみたいですね。しゅわっちと逆でもよかったかなーと思うけど、番手とか風格とかいろいろあるんだろうな~


しゅわっちは出番もセリフも多い、ストルーエンセと命運を共にする重要な役でたくさん見せ場があってよかった。歌がもう少し聞きたかったかも。


一幕は大人数口の場面がフレンチロックっぽかったですね。画面の照明や舞台装置の展開が指田珠子さんでした。なじみのない国、人物群なのと、王家によくある同じ名前の人物がいて、相関関係が明確にわからず、最後まで自分のなかで混乱していた部分もあって消化しきれず惜しかった。「メガネ」とかふざけて呼んでましたけど、あれ案外よかったですね。一回しか見られない人も多いでしょうし、そんななかで印象に残る取り上げられかただったと思います。


二幕の始まりのテニスシーンは、情報として聞いてなかったのでビックリ。いきなりテニミュ?(笑)

楽しく運動をしましょうという、保健医療的な治療法の一環ですかね?ショーでバスケットとか野球の一場面がありましたが、芝居のなかで、しかもミュージカル仕立ては驚きました。指田先生、2.5次元にも造詣が深いのかな?

このような試みによらず、ヨハンの目指したことは後世からみて悪いことではなかったとは思います。ある意味非常に進んだ革新的な考え方で、根本には人びとのためになりたいという熱意があったと感じました。ただ時代とやり方がまずかったですかね~。18世紀でしょ?フランス革命の前ですよ。貴族社会が膿んで、腐敗して、停滞していた時代、あまり急進的なことをやってもうまくいかないですよね。支配階級に入り込んである程度は成果を上げたものの、最終的には自分の欲のために目が曇ってしまった。何者でもない自分からなにかを成し遂げた自分になりたかったのでしょうけど、結局は大きな時代の波に抗うことはできなかった。ナポレオンもそうですが、早くに生まれ過ぎた天才だったのかもしれませんね。

ヨハンが亡くなったのが35歳というのが痛ましい。そんなに若くして断頭台に消えたとは。いくら老成が早い時代とは言いながら、なにかを成し遂げるには短すぎましたね。デンマークまたは出身のドイツでの評価はどうなのかが気になります。


それと宮廷内の男女間の火遊び?はめずらしくなかっただろうとは言え、王妃と外国人の平民との密通はいかにもまずかった。王政のもとでは国王の神格化は必定で、その辺りは賢くはなかったですね。恋は盲目なのか、それとも自分の出世のために利用したつもりがうまくいかなかったのか、足元をすくわれるとしたらこういうところから、というのがありふれた結末なのに、天才を自負するわりに?あまりに愚鈍すぎたかな。


しゅわっちブライトは、きっかけは自分が貴族社会に返り咲きたいという姑息なものだったとは言え、最後にはヨハンをかばって共に死地に赴くという純粋さに心を打たれました。そういえば!(縣と同じく)またですが、『蒼穹の昴』でも咲ちゃん文秀をかばって処刑されましたっけね。なんかそういう色が付いてるのかな?


それとまなはる。こういう狡猾で、裏おもてのある役なんとも憎たらしくてうまいですね~。いつものまなはるで笑えました。


若干粗削りですが、初見で心に残る作品でした。

一度しか見なかったのでもしかすると後々印象が変わってくるかもしれませんが、次の指田作品も楽しみにしたいと思わされました。

今日の二公演めは千秋楽、関東無事に完走できてほんとうによかった。梅芸もどうか休演がありませんように。







おわり