4/10(日)11時セディナ貸切公演。
15列目上手で娘と。
今日は脇道にそれますが、初見のときから気になっていた、作品の時代についてちょっだけ。
冒頭のヴィセントの孫とキャサリンの孫の会話に「80年以上前の話だ。本当かどうかなんて誰もわからない」というのがあります。数字ってすごく現実的で具体的だから、数字が出てくるとつい勘定してしまうんですが、違和感を感じてそのたびにひっかかるのでちょっと書き出してみました。
内戦には年月に幅があるため、史実として確かなのは『バルセロナオリンピック』の1992年。二幕に「50年以上経って本当のオリンピックを実現させた今のバルセロナ」というセリフがあるので、1992‐50(年前)=1942となり、この話は1942年頃の話でほぼまちがいない。同様に1942+(それから)80年=2022ですから、回想シーンは2022年、正に今年ということになります。
初演は16年前だから、その時は『(ざっくり)60年前』というセリフだったのかな???
追記 : ベルリンオリンピック1936
スペイン内戦 1936-1939
第二次世界大戦1939-1945
見た目にハイティーンか20代といった格好の孫たちの祖父が、80年前に民兵となって戦うような年齢であったか?というと、、、ジョルジュやヴィセントたちはおそらくはまだ生まれてない可能性が高いです
当時を回顧するなら世代的には三世代上、曾祖父くらいが適当な年齢かと。でもひ孫が曾祖父にいろいろな話を聞いてたというのは、世代間の年齢差や距離感があってあまり考えられない。祖父と孫くらいの関係性なら小さい頃に話を聞いたというのもありそうだし、祖父と孫の設定にしたのかな、と。
日本の年号に置き換えると具体的にイメージしやすくて、たとえば1942年というのは昭和17年。民兵として戦いに行くとしたら、大正生まれである可能性が高いです。平成10年前後(1998年)の生まれと見られるエンリケとペギーの父母が、昭和48年(1973年)前後生まれ、その父母(つまり祖父母)となると昭和23年(1948年)前後生まれと思われ、人によるとは思いますが、少なくとも1942年(昭和17年)に兵士として戦える年齢になっているとは考えにくく、この設定には無理があるなー、と。
(16年前の初演のときならそれほど違和感なかったのかも。)
どうでもいいことのようですけど、ちょっと考えればわかることなのでもう少し丹念に計算してもよかったんじゃないかな~。
現在から振り返って遠い過去の感じを出したかったのと、冒頭の場面が正に『今年』、という観客との臨場感を演出したかったのかもしれないですが(たぶん)。初演のときなら祖父の話でもギリセーフだったかなー?
私にはちょうどエンリケとペギーと同世代の子どもがいて、その祖父(私の父親)が1942年に戦争に行くような年齢ではなかったから、すぐに違和感を感じてしまった。
史実に絡めた壮大なドラマを作ってるのに、変なところでリアリティがないんだよなー、というお話しでした。