無事に東京公演の幕が上がっておめでとうございます。
幸い兵庫で観ていましたが、東京で再度の観劇となりました。4/6(水)13時半公演、友の会A席、センターブロックで8列目。全体がよく見えました。
作品の盛り上がりは本当にすばらしいし、楽曲は感動的。宙組のコーラスは天下一品まちがいなしです。
…しかしロシアのウクライナ侵攻という情勢のなか、国を守るため、家族を守るために戦地で戦っている人がリアルにいる今、脳天気に観ることはなかなか難しいものですね。「One Heart」や「No Pasaran」で盛り上がる舞台を見ながら、この高揚感が戦闘に向かう気持ちであることを忘れることができない。それだけリアルだと言えるのかもしれないけど。
ファシズムがいいなんてこれっぽっちも思わないものの、じゃあそれに対抗する人民解放軍的なものが正だったかと言うと、そこもまたそれぞれの勢力争いに分裂していたみたいで。サグラダ・ファミリアにソ連の赤い国旗が掲げられたとき、(結局これか…)と思ってしまった。どちらが大国を味方につけるか、大国側ではどちらを抱き込めば自分にとってより都合がいいか。そういう計算に踊らされる歴史。
誰もが自分こそ正しいと信じ、行動していたと思いますが、正解なんてないのかもしれない。
ある時代、ある立場の人がどういう行動を起こすのか、演劇はそれをなぞる作業だし、それが観る人に様々な気持ちを呼び起こすのは演劇の宿命で、むしろ人々がどんな感銘を抱くかこそが、上演することの意味なんだと思う。だから、私のやりきれない思いもあながち間違ってはいないはず。
様々な気持ちが渦巻く。
高揚感もあるが、深い絶望もある。
宝塚歌劇を観たにしてはなんとも重い読後感。
語弊を恐れずに言えば、宝塚を越えた作品と言えるのかも。
すばらしい仕上がり。
今はそれだけを。