3/30(水)16時公演
TOP HATからお隣の地下へ。
天国から地獄へ?
日の降り注ぐ昼間から闇の深い夜へ?
陽から陰へのような真逆の作品。
幸せに眠りにつくためには、観る順番は逆の方がよかったかも?(苦笑)
作品の世界観を初めて知ったときには、ひとこに似合いの作品になるのでは?と期待が。見終わって、やはりとてもよかった。小劇場での代表作と、将来言われるかもしれません。
配信もまだですし、東京もありますしね。ネタバレがイヤな方はこの先読まないでいただきたいのですが、正直人物関係が複雑で、数少ない観劇機会なので、私はなんならネタバレ読んでから見たかったです。
31日、2回目の観劇の前に、以下覚え書きです。
家族
まず家族。
ひとこと美咲ちゃんが姉弟というのはよく知られていますが、そのほかに一番上にもう一人姉イネス(既に死亡)と、一番下に弟ミッシェル(希波くん)がいて、4人きょうだい。
母親(ゆりやさん)と、父親の弟(つかさくん)が再婚していて20年ほど経っており、オクターヴ(ひとこ)は実の父親(和波さん)をその二人に殺されたと思っていて、姉と共に復讐を計画中。
過去と交錯する思い出の中に少年オクターヴと少女アンブルも出現。
家族関係を示すセットとして、長い食卓がよく登場します。
物語の最後に盛大などんでん返しがありますが、それには触れますまい。
下宿の住人
これがまたいわゆるルツボ。いろいろな事情の人が集まって暮らしており、たいがいはお金に困っている。そんな混沌とした世紀末感を出すためか、独特の化粧で、さらに人物関係が混乱する。カギを握るのは、ヴァランタン(ほのか)とジャコブ爺(一樹さん)。他の下宿の住人もそれぞれのキャラが立っていて、一人一人背景があるのがおもしろい。何回も観劇機会があれば、この人々も注目したいと思う出色の出来映え。
亡霊?
プログラムではエリーニュスと紹介される、亡霊のようなもの。幻想としてしじゅう舞台にいて、登場人物の目には見えていない(設定だ)が、観客には当然見える。白塗りの化粧にくまどり?もして、ゴージャスではないが白基調の貴族風のドレス。原宿でかつてよく見られたゴシックロリータのコスプレと思えば遠くない。
ほか、オクターヴの亡くなった父親オーギュストも亡霊として舞台を黙って横切ることが多々ある。彼は血に染まった白いスーツを着ており、特殊な化粧はしていない。
きょうだいの長姉も白い衣装で登場。セリフもないし一幕ではなんの説明もないので、あの人物はだれなんだろう?と謎を残す。
普通の人々
召し使い、警官、記者、物売りなど町中の人たち。二役以上の方も。
オクターヴとアンブルの主演の二人は、装い的にはこの人々に一番近い。二人の衣装は美麗で目立つけれど、浮いている気がしなくもない。
時間軸と構成
19世紀末が舞台だが、過去と現在、現し世と冥界が交錯する舞台であり、高低を使ってうまく作っているとは思うが、初見で全てを掴むのはなかなか難度が高い気がする。
特に一幕は楽曲が多く、物語が音楽にのせて語られるので、言葉を追うのに必死になってしまう。
すべては二幕で回収されるが、一幕が終わったあとの「置いていかれてる感」がはんぱない。
テーマ
テーマそのほか演者の感想は、2回目を観てから書こうと思います。
というわけで、続く。