3/11(金)13時公演。

尼崎駅で偶然夫と娘と合流でき、いっしょに劇場へ。

二階席、今日は4列下手です。前の席が空いていたせいで、やたら見通しがよかったです。売り切れでしたから、何か突然の不都合があったのかもしれませんね。





私が観劇に誘うことが多い夫ですが(絶賛布教中)、そのとき必ず演目を聞かれます。できれば芝居とショーの二本立て、芝居の内容は明るいものがよくて、日本ものとロシアものはパス(←おおむね暗い内容だから)、というのが条件。何度か書きましたが、彼の中で最も高評価なのが『20世紀号に乗って』、次点が『王妃の館』(時代劇ではないけど日本もの)。たしかに楽しい秀作でした。その他の演目には同道してもヒジョーに反応が薄く、何か一言でも感想はないのかをおそるおそる聞くと、「よくわからなかった」と言われて真底ガックリ。娘に「パパを誘うのはお金のムダ」と断言される所以です。(笑)


そしてこの『Never say goodbye』ですが、、、

なんと感想がこれまでで最熱。びっくりびっくりびっくり

幕間にはプログラムを熱心に読み込み、たびたびオペラを上げて舞台を見てたし、フィナーレ以外めったにしない拍手をおくってた。何がそんなに心に響いたかというに、やはり今の社会情勢が原因のひとつだったみたいで。歴史的な背景とか、権力争いの構図とかにとても興味をひかれたらしいです。人それぞれ視点は違うと思いますが、夫の場合は素材が重要なんだなぁと。帰りの新幹線でも熱心に語ってた。ほんとにこんな反応は初です。


私はコーラスが盛り上がって終わる度に沸き起こる拍手に合わせながらも、正義って立ち位置によって変わるし、戦いの勝利の裏には犠牲者はつきものなんだよなーなどと思ってしまって、心から喝采というわけにはいかなくて。幕間に娘にぽろっとそんなことを言ったら「芝居は芝居。すばらしいダンスでしたね、いい歌でしたねという拍手だから」と。うん、ごもっとも。演者になんの責任?もない。ただやはり、演じることで伝えたい何かは持っているはずなので、観るほうではそれを受け止める必然は生まれる。どんな場合でも暴力には反対だとか、たとえ手段が暴力となっても抵抗は当然とか、国や家族を守るために戦うのはすばらしいだとか、それこそ人それぞれのさまざまな思いが。私は絵空事だと突き放して観ることはできなくて。表現には必ずメッセージがあると思ってるので。そして苦しくても、そういうあれこれを考えさせる芝居が好き。


Never say goodbye、私の好みや心の動きは棚上げにして、パフォーマンスとしてすばらしい仕上がりだと思います。作品の魅力、楽曲の力、演者のみなさんの熱量。どれひとつ欠けても成り立たなかった。まさに今の宙組にふさわしい佳作かと拍手拍手拍手しびれました。


とりあえず一回は生で観られてほんとうに幸せでした。遠征を強くプッシュしてくれた娘にも感謝です。

兵庫での公演をぶじに終えて、どうか東京にきてくれますように。