1/14(金)13時公演

今日で10公演、東京はあと4回。

そのあと大阪5公演で大千秋楽です。


今日はヅカ友をお二人お誘いしました。7列目のセンターでオペラも不要な良席。

お一人は宝塚観劇歴は50年以上のちょっとお姉さま、お一人は元々はエリザベートファンで宝塚はまぁ様からという方で私とは同年代。二人とも翔ちゃんびいきで意気投合したお仲間です。


私は2回目でしたが、今日も泣けました。周辺も途中からすすり泣きがまん延。かいちゃんの迫真の演技に引き込まれていました。上演時間は休憩なしで2時間なのですが、そのうちの95%が悲劇的なので、最後がハッピーエンドとわかってはいても、かいちゃんの演じる怪物のために心がいたみます。純粋で子どものように喜んだり、フランケンシュタイン博士に拒絶されて悲しんだり、ペアの怪物を殺されて怒ったりと起伏のある役を熱演。宝塚時代『燃ゆる風』での主演、竹中半兵衛役も泣けましたが、センター張って充分耐えうる力を持ってますね~。フランケンシュタイン博士の岐洲匠さんと絡んでも、かいちゃんが女性なのか男性なのか、まったく気にならないほど、ただ“ 怪物 ”としてそこにいました。


セットは舞台を斜め右上から左前へカーブする階段を中心に、上手に洞穴のようにも見える住居入口を配し、下手に大きな額縁の一部のようなオブジェが天井からぶら下がっているもので、そこを酒場だったり実験室だったり、フランケンシュタイン博士のお屋敷だったり、逢い引きをする朽ちた空き家だったり、森の奥のアガサの家だったりに見立てて、人物が動くことで動かない背景を別の場所に見せる手法でした。

盆が回ったり、大小のセリが上がったり下がったりする大がかりなセットを見慣れている目には、逆に新鮮にうつります。


出演者が8人しかいなくて、かいちゃん、翔ちゃん、岐洲匠さん以外は一人二役、三役とやるので演じ分けが難しく(というか正直なところあまりうまくいってなく?)、初見では若干登場人物の弁別が混乱しました。あれ?この人さっき出てたな?とか、この前の場面で出ていた人は、この人と同じ人だったのでは?とか。化粧まではムリでも、衣服だけでなく髪の色とか髪型とか、もっと簡単にはメガネなどでなんとか変化をつけることもできたのでは?と少しだけ残念な気がしました。


私は今、ほとんど宝塚以外の舞台、及びテレビを見ないので、出演者はアガサの祖父役の永田さん以外、この舞台で初めてみるかたばかりでした。連れのかたは、2.5次元俳優の蒼木さん、性格俳優っぽい北村さん、元AKBの横山さんを知っているとのこと。北村さんは一度見たら忘れられない印象のかた。その容姿とオファーの求めに充分に応じる存在感で、お屋敷の使用人役を演じていました。横山さんはパッと目を引く美人さんなので、二役は(一つは中心人物の一人)ムリがあったかな~と。別役で出てるというのが丸わかりで興をそがれます。主要な役の方の自分本位で拝金主義の女性役は、憎らしいほどはまっていました。フランケンシュタイン役の岐洲さんはイケメンだし背も高くて素材はとてもいいけれど、失礼ながら演技面で残念だったというのが三人の共通の感想で。主要な出演者だし出番も多かったのでよけいに目立ったのかな…。滑舌はよかったのですが、がなり過ぎなのと、状況に振り回され過ぎる難しい役の心境をつかみきれてなかったのか?という気もします。


翔ちゃんは初の女性役ということで、本人は立ち方からしゃべり方までとても悩んだとのことですが、カンペキに女の子でした(^^)v  盲目というのだけが、ちょっと演技が必要なところだったのでしょうが、それもうまく表現できていたと。何よりも“ 怪物 ”に寄せるまっすぐでぶれることのない強い信頼と愛情が、潔くてかっこよかった。センター席でしたので、パッと顔を上げてライトの当たった顔が真正面にあり、その強い眼差しに射ぬかれて、ドキッとしました。


“ 怪物 ”が求めていたもの

愛、家族、名前

「名前をつけて」とフランケンシュタイン博士に願って断られ、アガサが「名前をつけなきゃね」と語りかけ、「名前は大切なものだ。ゆっくり考えなさい。」とアガサのおじいちゃんが優しくさとす。

アガサがどんな名前をつけてくれたのか、それで呼ばれる時に彼がどんなに幸せな顔をするのか、想像するとつい頬が緩みます。幸せを信じられる幕引き…おねがい


どうか千秋楽までぶじに幕が上がり、素にもどった出演者に心からのほっとした笑顔がおとずれますように。