10/31(日)1530
ある娘役さんの取り次ぎです。
日曜ですし、席確保の保証はありませんがとの断り書き付き。元より承知ですので…と思っていましたが、なんと10日ほど前に確定の連絡をいただけました。m(__)m
今回は娘と。
1階最後列の下手でしたが、10列台前半の下手で超斜めに見るよりもずっと見易い席でした。下手上手は、左右の幅が前方席より狭い(前方より10席ほど少ない)上に、舞台が遠くなる分広角で見られますからね。意外にオススメポジションです。
この日の観劇までに、SNSをウロウロして様々な感想を拾いましたが、特に原作のファンのかたには、好意を持って受け入れられていたのがほんのりうれしいです。
マンガ原作の舞台ってもはや枚挙に暇がないほどで、宝塚で言えば、古くはベルばらから、最近でははいからさんまでどれも原作同様の(を超える?)ヒット作品。少年コミック原作のものもルパンやるろうに剣心などこちらも数々。共通するのは、制作者、出演者の原作へのリスペクト。
わずか一時間半の中に必要最低限の要素を盛り込んで、初見の人にもわかるように作るというのは想像するだにたいへんそう。それだけにそれぞれのキャラクターの持つ個性は大きな助けとなりますよね。その強烈な個性を実によくとらえていた雪組子のみなさん、感心するばかりです。
咲ちゃんは他の組のトップさんと比べて、冴羽獠がたしかに一番似合う。これを今の雪組に持ってきたことはほんとに慧眼です。宙組なら大人すぎてナンパどころかお説教されそうだし、花組だと耽美的すぎる、月組なら美しすぎて詐欺師かと思っちゃう笑。星組だと助平というよりイタズラっ子みたいになっちゃうかも。かわいいけどね
冴羽獠のかっこいいところも、だらしないところもプラマイ計算して、落としどころが咲ちゃんというところに納得するしかない。
しかし 、しかしですよ。
これはもう私の好みの問題でしかないんですが、
彩風咲奈で冴羽獠を見たかったかと言うと、それは違う。咲ちゃんずっと超路線男役でしたから、二番手三番手時代もそこそこあったし、白い役も黒い役も、かっこいい役も面白い役も、少年も父親も、なんならやってないものはないんじゃないか?くらい経験値が高い。
そんな彼女にして、今回の冴羽獠はおそらくこれまでなかった引き出し。そりゃ中学卒業以来、女の園にて『清く正しく美しく』芸事に精進してきたのですものね。
冴羽獠という型破りな男を演じきった咲ちゃんには脱帽ながらも、やはり彼女にはなによりも正統派の男役スタイルが似合う。
『ハリウッドスキャンダル』や『ワンス』のように、野心があって上流社会でのしあがっていきながらも、どこかで柔らかい少年の心を捨てきれない、女心をくすぐるような繊細な役が見たい。自分の容姿を最大限に利用する自信たっぷりのプレーボーイの役を、あのあまいマスクで見たい。金も力もあってなんでも手に入りながら、たった一人の女性の心を掴むために堕ちていくような危うい役を見たい。
宝塚のトップスターという限られた期間に見たい彩風咲奈がありすぎる。

はい、私のワガママだということはわかっておりますとも。
ファンの裾野を広げる戦略はだいじ。従来からの宝塚ファンと新規観客を天秤にかけて、どう転んでも磐石な経営を目指してるんですよね…東京を見る限りは毎公演盛況で、ヒットしているのはまちがいない。まさかずっとこの路線でいくとも思えないし、様々な試みを織り混ぜながら佳作もあり駄作もありの舵取りをしていくんでしょう。あれ?そう言えばそれってつまり、、、従来からの宝塚歌劇のカタチでしたかね (^^;)
ちなみに同行した娘の感想は、
芝居の筋書きはともかく、朝美さんが超美しかったからそれで満足。とのこと そういう振り切りかたもありかもね。そして彼女なりの雪組へのリスペクトは、「コーディネートは緑系でまとめてみた」とのことでした。良き良き