8/17、11時のセディナ貸切公演

一階20列上手で、いつもお世話になっている方とご一緒に観劇しました。

関西生まれで宝塚と共に50年余の彼女とは、お会いするたびお話がはずみます。『銀恋』は花組の1回目の華形のヤスがこれまでのベストキャストなんだそうで、つかさくんのヤスはあまりに想定内過ぎて食指が動かなかったとのこと。『マスカレードホテル』でも『はいからさんが通る』(大劇場)でも同じようなキャラばかり。これでイメージが固定しちゃうと、ファンも離れていっちゃう、ぜひ違う役をやってほしいと思ってたけど、、、やっぱりヤスなんだよね (-_-;)

私はゆうひさんの『銀恋』のイメージが強烈なので、リアルヤスは北翔さん。なんなら北翔さんがトップになってからでさえ、内心(ヤスw)と思って見てました。 へー、華形のヤスね~。機会があれば見てみたいです。

というところを前振りとして、いざ本編観劇。

で、こりゃ一度ゆうひさんの『銀恋』を見直してからでないと書けないと、録画を引っ張り出しました。


宙組の全ツ千秋楽で見ましたが、やはりこれはトップが率いる初の全ツだったし、なんといってもすみ花ちゃん(研5?)がうま過ぎでした。

もちろん私はマイティ大好きですし、星空美咲ちゃんの健闘も評価してます。過去作品があるのはしかたないことで、生徒さんも過去作品を見て研究し、自分なりの役作りをして作るのも理解しているつもり。そして、マイティつかさ美咲の『銀恋』は彼らのもの。それが悪いわけではもちろんないです。しかし比べてしまうのもしかたないことですよね。


差し障りのないことから。

11年ぶりの再演(直近は2010年)なので、技術の進化による舞台効果の変化や、時事ネタの手直しなどが数々ありましたが、演出として一番大きな違いとしてはフィナーレが付いてないことではなかったかと。カメラワークを実際のスクリーンに投影して、リアルタイムで客席に見せるという新しい試みはおもしろかったです。最後のシーンで棺が置かれていたことも新しい演出でした。銀ちゃんラストでの登場の電飾の派手なこと!格段とバージョンアップしていましたね。


それとこれはコロナ禍の今ならではですが、全ツ名物の客席からの登場や、盛り上がったシーンでの客席降りは一切なし。いつか客席一体となって盛り上がれる全ツがまたくることを願います。


さていよいよ佳境?に近づいてきました。

あまりに想定内過ぎて期待できなかった?ヤスのつかさくんが一番よかった!抑えた演技で非常に好感が持てました。あんまりプロトタイプの情けない男を演じられると、以降それにしか見えなくなるけど、つかさくんのヤスは今後のヤスがどう化けていくのかを期待させる余韻があったと思います。


そしてマイティ、過不足なくは見えました。優しさが勝ってる銀ちゃんではありましたが、充分及第点以上でした。演技の面でゆうひさんと比べたりはしません。それぞれの銀ちゃんは別物だと思ってます。ただ欲を言えば、いろいろちょっと余裕がなかったかな~。初日あけて翌日でしたし、その日は初の2公演通し(マチソワってやつ)だそうで。いろいろ気持ちにゆとりがね。


マイティってれいちゃんの同期で、このところけっこう目立ついい配役を得てはいるんですが、座長として公演をまとめるという経験は意外になくて、『セニョール・クルゼイロ』(バウ)の主演だけ(のはず)。

マイティ贔屓目としては、『邪馬台国の風』の扱いとか腹立たしかったわけですが、冷静な目で見たら案外正解だったのかな~と思わないでもなく…ショボーンこの東上は二番手就任に向けての箔付けとご祝儀だけでなく、経験を積ませる意味合いも濃かったのかな。今後に更に期待してますよ!もっともっと見たいです。


そして美咲ちゃん。前回の『王冠に導かれし男』での(こう言ってはなんですが)お飾りのヒロインよりは、ずっと比重の重いヒロイン役。セリフも格段に多く、登場シーンも多く、感情の揺れや起伏も多い、難しい役に挑戦。なにしろ直近の記憶が、憑依型女優として一世を風靡した野々すみ花という、スタートラインからハンデキャップを負っての登板。でも前作(『王冠』)の評価が合格点だったということですよね?新公主演経験のある上級生都姫ここちゃんを差し置いて(?)抜擢されるからには、育成を急ぐ理由もあり、それなりの道筋が用意されているのでしょう。早ければまどかちゃんの後くらいに考えられてるのかもしれない。娘役は研3-5くらいでトップ娘役となった例はたくさんありますからね。一つだけ、、、上差し (辛口の意見となって恐縮ですが、)セリフを言った後に唇を引き結んで口角を上げるクセ?は気をつけた方がいいかと。何回も同じ表情を見て、あれ?今のなんかの表現かな?とちょっとふしぎに思いました。ヒロインの一挙手一投足は注目されていますからね。

私がここで何を言っても影響は皆無ですけど、ほんの老婆心(笑)  


長年の花組のファンである今日ご一緒した方の肌感覚的には、ゆうひさんの人気は花組での『銀ちゃんの恋』(ドラマシティ、青年館)以来押さえきれない盛り上りを感じたそうで、その後宙組でトップとなったことを思うと、一つのターニングポイントには違いなかったんでしょうね。

久しぶりで映像を見て、私にとってはやはり唯一無二のゆうひさんなのでした。