はい、曰比谷に行ってまいりました。
一階上手のセンター寄り通路側二席で、友だちと二人で堪能してきました。
さて深掘りの第二弾です。
ナポレオンとベートーヴェンが銀橋の上手と下手で質問を交わし合うシーン。
ベ「おい!好きな本は?」
ナ「カントだ」
ベ「俺もだ!」
ナ「ははは!お前ほんとうに読んだ(の)か?」
ベ「読んだ!」
ナ「勉強が好きか?」
ベ(強く頷く)
ナ「私もだ!」
そして意気投合する二人。。。
なんでしょ、あれ?
歴史に名を残した二人の偉人の、共通点をしめすエピソードですが、夢(幻想)の中の出来事とはいえ(変な飛びかたをしても夢だからという言い訳が立つ)、それまで戦略と音楽の共通点を見出だして、お互いの大切なものが似通っていることに感動していた二人なのに、突然のあまりに率直なやり取りに、虚をつかれました。
そもそもの違和感は、「勉強が好きか?」って普通聞きませんよね?というところからくるものかと。その質問、大人が子どもにする質問です。
そしてその答えは、9割りがた(残念ながら)「キラ〰️イ」です。
まぁしかしその違和感を取っ払うと、ここはベートーヴェンがエセ皇帝と切り捨てたナポレオンに、心理的に歩み寄ろうとするシーン。
天才的な戦略家のナポレオンの向上心は想像するに難くありませんが、それをベートーヴェンからの掛け合いにすることによってナポレオンへの嫌悪が好意に変わる瞬間を見せているのかな~と。(深掘りしましたw)うんうん、それで?と言いいながら近づき、自分も同じだ、と我が意を得て喜ぶベートーヴェン。銀橋でナポレオンが銃弾に倒れた時に、「わが友よ!」と呼びかける純朴さがたまらなく愛おしいですね~
子どもがこぞって観にくるような作品でもありませんので、「勉強したらナポレオンやベートーヴェンのような立派な人になれるんですよ」という、単なる教育的見地からのセリフでもなさそうです。
ただベートーヴェンが子ども時代、お世話になったブロイニング夫人にも「勉強なさい。高い世界に行きたいのなら!」と本を手渡されてもいます。やはり勤勉を奨励するような意味合いも帯びているのかな?と
思われます。
ウエクミ先生高学歴ですから、学生時代は勤勉に努力なされたことでしょう。そしてその向学心のすばらしさを登場人物を通して伝えたいと思ったとしても、不思議はありません。努力は報われること、同時に愛すべきベートーヴェンの勤勉さが、彼の生涯の成果に繋がっていることを暗示しているのかもしれないと思います。
あれこれ説明がなされませんから、解釈は観る人の自由に任されています。
ただあの場面の展開が唐突でもあり、印象深くもあるので、まんまとウエクミマジックにはまって考えてしまったわけで…やられた感が強いです。
今日の観劇ではあすくんによく目を奪われました。
冒頭の、おつか~れ~さま~、人生♪というときの人々の先頭はあすくん。
芝居の役は、モーツァルトの天敵(笑)だったサリエリ。先に亡くなったみちるちゃんモーツァルトに、いつも腹を立てられています。一癖ある役を演ずることの多いあすくん、今回はにこやかにうま~く立ち回りながら宮廷でのポジションを保つ、曲者です。長いものには巻かれろを地でいく感じ。
ショーでは芝居でのナヨナヨした雰囲気と違って、髪も黒髪(こちらが今の自毛?)で、そこここでキリリと踊っています。黒燕尾の時は翔ちゃんのすぐ右にいるのでよく目につきます。一列に並ぶときは、退団者を除くと、男役ではまなはるの次のことが多くて、いつの間にかかなりの上級生。なんだかまた気になる生徒の退団の時が迫ってくるようで切なくなりますね。
あすくんのほかにも、さまざまな役で出ている生徒に今日は気がつきました。しゅわっち、ゆめくん、あみちゃんも。出演者の人数が減っているせいかもしれないですね。