fffをこれから見るかたに心から申し上げたい。

最初から最後まで油断してはいけない。

まず幕開けが、いつものトップスターのご挨拶でなく、天使のファンファーレ。灯りも落ちないので油断していると、上手に突然三人の天使が登場。ご用心。

花火か爆弾か?というような大音響で(時代的には砲弾なのでしょうが、エンタメ的には花火か空砲くらいに思いたい)主役がオーケストラピットから登場。銀橋の真ん中まで進むと、今度は上手のセリ上がりで咲ちゃんナポレオンが華々しく軍服で、同じく下手から翔ちゃんゲーテがペンと紙を手にセリ上がり。既に目の焦点が合わない。(笑)

ベートーヴェンの聴力が失われ始めた前後からお話しがスタート。付き合ってたつもりの恋人(夢白あやちゃん)に自作(月光)を捧げてプロポーズのつもりが、別の人と婚約したことがわかって一瞬にして失恋。
いつの間にか謎の女(きぃちゃん)が現れていて、「お前は誰だ?」と驚くベートーヴェンと共に、客席もギョッとさせられる。

謎の女の登場で時代が巻き戻り、いったん子ども時代のはなしに。
革命を経て、信奉していたナポレオンが皇帝となって裏切られたと感じたり、耳が聞こえなくなってそれを知られたくないために引きこもりとなり、ゲーテとの邂逅では才能を惜しむ彼から保身を勧められたことで、ゲーテとも袂を分かち、距離を置いていた間に、初恋の人ロールヘン(ひらめちゃん)を産褥で永遠に失い、何もかも失って一人きりで絶望の淵に沈むベートーヴェン。。。貧乏ではないかもしれないけど、これっていつもの望海さんのパターンに近いよね?卒業公演にまたこういう切ない役なのか?どこかで一発逆転ホームランがなければ、ファンは浮かばれないではないかえーん
ナポレオンが死んだことを知らされたあと、「誰のそばにもいる、自らの半身である不幸の象徴」と語る謎の女とやりとりをするなかで、神の啓示のごとく「お前の名前がわかった。……運命」と悟るベートーヴェン。「お前が俺の運命なら、俺はお前を愛するよ」と全てを受け入れたときはじめて、自分が書くべき音楽、書きたい音楽、「歓喜の歌」が紡ぎ出される、、、

すごくざっとストーリーをなぞるとこんな感じ。
前にも書いたように時代や場所が錯綜するので、初見のときは片時も緊張がとけない。

「歓喜の歌」が流れる後半では、最後に白い衣装に着替え、全員がステージ前方に並び、望海さんが銀橋の真ん中に来て絶唱で盛り上がり、照明も音も落ちて、フィナーレ~と思いきや、「アンコール!!」と叫ぶ望海さん。(え?!)客席もあわてて拍手。ステージに走り戻って、他の出演者が上手から下手までセンターが奥にへこんだ形で一列になって望海さんに向かい、いざこんどこそフィナーレか?!と思うとこんどは陣形は円になっていく。終わるかと思わせて終わらないベートーヴェンのシンフォニーのラストよろしく、なかなか終わらないのだ。だがこっちも涙が止まらなくなっていて、これでもかと盛り上がる舞台から目も離せず、マスクをしているためにハンカチでぬぐうこともできなくて、セリ上がる台の上で頭を振り、全身で躍動する彼女を最後まで見とどけ終わったときには、放心脱力状態。

イヤハヤ、最後の最後まで油断は禁物ですよ。

これを一発逆転ホームランと言っていいかは、意見が分かれるところだろうけど(状況がすっかり好転したわけじゃないので)、様々な不満や悩みが昇華された感。やりきった感とでも言うかな。いや、私がやりきったわけじゃないんですが(笑)、轟くばかりの万雷の拍手を贈りたい。この厳しい状況下で望海さんと、この作品に関わった全ての人に。

今回の遠征でもちょっとしたトラブル(単に私の不注意です)にみまわれたんですが、トラブルは旅のスパイスと思って、ぶじに観劇が終わって帰京できることを感謝します。
JR宝塚駅の改札脇のセブンイレブンで。関西っぽいかな?と。


帰りの新幹線でいただきました。

乗車率は3割くらい?それでも食事のためにちょっとマスクをはずすのも人目をはばかりますよね。
それにしても新幹線て、こんなに警備の人が行き来したっけ?悪いことしてるわけじゃないけど、なんかすごく警備が厳しいような気がするのは私だけ?

あ、大劇場土産で話題のお菓子ゲットできました。前回は帰りがけに寄って売り切れでしたので、今日はあさイチで。






言うて、スミレッ子は神奈川鎌倉、くるみクッキーは東京渋谷のお菓子なんですけどね(笑)
箱がなんともかわいいのでそそられますね。

さて再びアナスタシアをはさんで、こんどは前楽の予定です。
どうかぶじに千秋楽の幕が降りますように。