連続投稿になります。
あらすじにかすっていると思うので、ご注意を。

ベートーヴェン、ナポレオン、ゲーテ以外で言及するとなると、個人的にはメッテルニヒ(かりさん)が注目でした。冷静、冷徹な政治家。貴族という崩れゆく支配階級ですが、状況をよく分析している。「民衆というものは、腹一杯になって暖かいベッドで眠れればそれでいい。貴族の圧政に苦しむと革命勢力に加担し、それでうまくいかないとまたもとの貴族政権の方がましだったと変節する」。
ハイ、おっしゃる通りでございます。しかしそれでは社会はよくなっていかない。争いと、腐敗を繰り返しながら人類は少しずつ歩みを進めてきた。確かに、人間短い一生の間には変わることはできないのも真実。でも、何世代もかかってではありますが、人はより良い環境を模索していくものだし、前人はそうしてきたのだと信じている。ナポレオンの一生が300年くらいあったなら、そして彼の誕生が200年くらい後だったら、彼の言うパンヨーロッパのような世界をなし得たのかもしれない。でもよく知るように、一部は実現し、一部は破綻した。人が生きていて大勢の意志が一つでないことは、歴史の予測を難しくする。それでフラサパのような世界を目指す為政者(狂人?)も出てくるわけで。総統01は彼なりにより良き世界を目指していたのだろうし、理想としてはある意味間違いはないのかもしれない。

ウエクミ先生の脚本は、そういうことを考えさせられる。あー、楽しかった、ステキだった~、ほっこりした~!で済まさない何かがある。これを好きか嫌いかなんだと思う。挫折、裏切り、苦悶、わりきれなさ、もどかしさ、大なり小なりみんな味わってる。それを掘り出されるのが苦痛に感じる人も一定数いるのはたしか。エンタメにはそれを忘れるために来てるのに!
それもまた真実。それぞれに鑑賞基準があって当然。

私自身は、見終わったあとにアレコレ考えさせられるのが割と好きなタイプなんだと思う。
 この作品にリアルタイムで出会えてよかった。いい意味で記憶に残る作品になるだろうなぁ、という確信。

さて3回目。
今回はB席下手です。