私の部屋にデッキがあって、HDDに何年もカフェブレーク(東京MX)をとりためてあるんです。どうやって宝塚情報を得たらいいか皆目見当のつかなかったファン初心者時代、貴重な情報源として毎週録画していました。ちょいちょい見直して消去や編集はしていたものの、うっかりチェックを怠っていて、ちょうど「ファントム」の時にHDDが満杯になって、1度だけ録れませんでした(涙)ほとんど盤には落としていませんので、常に見直しをしては取捨選別が必要です(ま、都度都度盤に落とせばいい話ではあるんですけど…)

なんページにもなるそのタイトルを見ると、全く残っていないトップスターがいると思えば、トップでなくてもずっととってある人もいる。
だいもん、ききは基本保存。れいこさん、真風、かいちゃん率も高い。澄輝さやと、緒月遠麻、宇月颯とかなかなかレアなものもあります。それでいて今や(自分的)注目株の翔ちゃんのは「ひかりふる」からしかとってなくて…
我ながらどんな基準なんだろう?

今東京MXでカフェブレークヒストリーをやっていて、あらためて望海風斗の回を振り返ってみると、新人公演を除いて全て保存していました。
実はワタクシ元々新人公演にはあまり興味がなくて、毎週録画にしているので目には触れるのですが、ちょっと惹かれる回だけサァーっと流し見して、消去してきました。自分の娘か、知り合いのお嬢さんだったらじっくり見ると思いますが、流石のだいもんの回も保存してなくて、今回のヒストリーでほぼ初めて見た次第。見たい部分がぎゅっとまとまっていてとてもいい構成でした。通常のカフェブレは特定の一人にフューチャーするだけでなく、その時々に特集があったりするので、個人的には余分と思われる箇所も…ね。

「愛と革命の詩」で演じた役が初貴族だったと聞いて、あらためてだいもんの属性に合点がいきました。彼女自身の真実の姿はともかく、はたから見ただいもんのイメージって「貴族」ではないんだな、と。生まれも育ちもいい苦労知らずのお坊ちゃんではなくて、貧乏だったり、生い立ちや家族に恵まれなかったりして屈折した性格であるか、そういう逆境をバネに理想に邁進して(しかも!)破滅していくイメージ、、、
そして私はそういう「キズ」や「影」を持つ人が好きなんだというのが、妙に納得できました。
もちろん、明るいかたにも惹かれます。でもなんというか眩しすぎて…遠目にチラ見するだけで満足という感じ。そして現実世界では一般人としては周囲にはまずいなくて、最も遠い人種です。
人間的に影のある人にはその背景や葛藤、生きざまに奥行きを感じ激しく惹きつけられます。ただし仮想世界限定。現実にはそういう人に近づいては危ないことは、充分に知っているオトナですから。こちらのタイプは一般人でも時々いますね。世の中には多かれ少なかれ影を背負った人がままいるんだと思います。それをクローズアップして見せる舞台や映像は観客を魅了する。みんなそういう人物像の中に自分の一部分を投影して共振するのかも。一歩まちがったら自分もこうなったかも…と。

だいもんはトップスターになってからも、あまりハッピーエンドの作品に出会っていません。演出家や脚本家の先生も、彼女から感ずるインスピレーションが共通しているのでしょうね。
本人的にも真面目で一本気の性格で、殻を破るのが難しいと悩んでるようでしたし。「オーシャンズ」のベネディクトや、「エリザベート」のルキーニなど、立場(番手)上、そうした役を振られましたが、その場その場でアドリブで芝居を作るのは、毎回挑戦だったでしょうね。観客からのリアクションを受け止めて自由に返せるのは、一種才能ですから。くやしいかな、習わなくても生まれつきできる人はいるものです。でも彼女は努力してそれを乗り越えようとしてきたんだな、と好感をもって受け止めました。でもね、そのままの彼女も大好き。そういう努力の跡も愛おしく思います。だいもんのファンはみんなそれをわかっている、あたたかい人たちだと思ってます。

「共演したい人」に、ラミン・カリムルーを挙げていました。夢が叶うところだったのに、新型コロナでコンサートが中止になってしまって残念でした。でもこれで人生が終わりというわけではないので、きっといつかチャンスがあることを願ってます。

あなたと一緒に夢の続きがみられますように。