雪組の千秋楽。スカステの生中継で視聴しました。
何度も嘆いてますが、持っていたチケットは全て打ち切りに合い、マイ初日もマイ楽もなく、今日の千秋楽を迎えました。ライビュのチケットも購入したのに、それすら中止で、そこへ天の声のごとくスカステの生中継のお知らせ!!!
夕飯の支度を朝からして、15時半からの観劇に備えました。
私生観劇が信条で、あまり映像は観ないのでいつもこうなのかよくわからないのですが、カメラワークなかなかいいと思いました。トップスターはもちろんフォーカスされることは多いのですが、引きのシーンもけっこう多用されていて、上手から下手へ流したりもあって、舞台全体がよく見えました。今日初めて見る私には、すごくわかりやすくて助かりました。

もうとにかくね、だいもんの「皆さん、ようこそ東京宝塚劇場にお越しくださいました」からじわじわ泣けてきました。あんなに悲惨な話だった「壬生義士伝」すら泣けなかったのに、一幕ずーっとじわじわしてました。
一幕閉まって、客席の皆さんの後ろ姿が映り、白い服装の方々が大勢立ち上がったのを見て、また泣けました。今日で退団の生徒さんをずっと応援してきたファンの方や、ゆかりの方、舞台が観られて本当によかったです。



そして幕間の時間、ずーーーっと音もなく映っている劇場の時計の画像の、この非日常感たるや!!!
劇場で流れている時間を共有してくださいというはからいでしょうか、、、?

生観劇とテレビの視聴でやはり違うと感じるのは、その迫力でしょうか。我が家のテレビも49インチとそう小さくはないのですが、やはりいつも劇場で見ている感じとは当然ながら違います。テレビではこの質感や物量は伝えにくいものなんですね。特にデボラが大階段に長いドレスの裾を引いて降りてくるシーンとか、一幕ラストの薔薇の部屋のシーンとか、これまでの経験から頭で想像できるだけに、劇場で見たかったという思いが強くなりました。
それともうひとつ、だいもんの絶唱の(もちろんうまいのですが!)心臓をつかまれるようないたみが伝わってきにくかったとのが残念ではありました。空間を震わす波動(振動)みたいなもの?は、映像では伝わらないということなのですかね?
やはり可能ならば生観劇を一度はしたいですね~

日曜でかつ、(新型コロナ感染拡大防止のため)このご時勢に引きこもりで過ごすことになってしまっている家族も、私に気をつかってリビングを譲ってくれましたので、おかげさまでテレビを独占してソファのど真ん中に座って凝視できました。

二幕に入り、劇場のお客さんと一緒にまたスタンバイ。芝居に引き込まれていつの間にかテレビの前に正座しておりました。フィナーレまでの一時間ちょっとは、本当にあっという間で、切ない終わり方に茫然となりました。時代がいったり戻ったりして筋書きが飲み込みにくかったというような感想を以前に見たことがあったのですが、全然そんなことはなくて、ストーリーがまったく途切れることなくきれいにまとまっていたと思いました。
咲ちゃんのダーク感がなかなかで、強がってるところは「ひかりふる路」のダントン風だったかな~。個人的にはイケイケのときよりも、最後追い詰められてヌードルスにすがる咲ちゃんの演技の方が咲ちゃんの真髄っぽくて心に刺さりました。
あーさの娘役美しかったですが、やはり次回はぜひ男役でお願いしたいです。
だいもんときいちゃんは、どうしてこうもうまくいかない設定ばかりなんでしょうか?二人の心の揺れの表現が秀逸で、ほっっんとうに辛いです。その分デュエットダンスの幸せそうな見つめ合いにキュンとなるのですが、ぜひ最後の作品ではハッピーエンドを見せてくださいっ!!
フィナーレのロケットは縣君がセンターで度肝を抜かれました。これまでカッチリとスーツ姿で通してきたのが一転、足上げも高く、勢いがあって男前のロケット、迫力満点でした。

終幕後、退団者三人の方のご挨拶がありましたが、大好きだった早花まこさんの時には、我知らず涙が溢れてきました。ひめさんはカラッと「人間万事塞翁が馬」という故事を引いて前向きな姿勢を示され、ベテラン娘役さんの気概に改めて頭が下がる思いでした。
だいもんが最後のご挨拶の途中から涙がにじんでいるようでしたが、トップとしてこの休演を受けて様々な気苦労があったことでしょう。でもそのあとのカーテンコールで生中継のことに触れ、「お茶の間のみなさーん!手を振ってください」とお茶目に呼びかけたのにはほっこりさせられました。もちろん、手を振りましたとも!そばにいた家族には失笑されましたけど(笑)

貴重な機会を得て千秋楽を同時刻に共有できたことは幸せでした。
1日も早く平穏な世の中に戻り、出演者と同じ空間で過ごすことのできる日がきますように!