あぁ、何から書いたらいいのでしょう。
見どころが溢れすぎて考えがまとまりません。
ちなつさんの魅力を余すところなく語るのは、もっと語彙の豊富な、感受性豊かな方のレポートにお任せすることとして、いつもの私的にざっくり言うと、とにかくガッツリお芝居でした。(笑)
お席は12時からの友の会席は12列目センター。
16時からの会チケは最後列に近い、サブセンターでした。梅田DCは初めてでしたが、16列目から段が上がって傾斜がつき、最後列でも24列と小さめの劇場で、かなり見易いと思います。惜しいことに、ちょいちょい空席がありました。体調も崩しやすい時期ですし、感染症を怖れて人の集まるところに敢えて行かない方もいるのかもしれませんね。ほとんどの人がマスクを着用していて、舞台の方から見た景色がどんなものか若干気にはなります。
東京での公演がまだなので、ネタバレは慎みますが、
注目は蘭世くん、いや、惠翔ちゃんということだけ触れておきます。
梅田での千秋楽まであと二日。初日から1週間を経て出演者もかなりこなれてきているせいもあるでしょう。セリフも多く、スピード感もあって、時代と時空を行ったり来たり。SF好きで映画などもかなり見慣れている私にも、全容をつかむのにかなりの集中力が要りました。
幕が上がる前の舞台上には映像でDEJIMAの風景と思われるものが投影されていました。ポスターなどにもありましたが、この上手側の建物群はなんでしょう?地球とは違うパラレル世界のイメージでしょうか?この画面に時々UFOのようなもの?がフラフラと飛びますのでご注視あれ。
幕開けは「てやんでー」「べらんめぇ」の応酬で始まるので、完全な日本ものかと思うと、出島の場面になると、衣装もカラフル、音楽もビートがきいてて、まるでディスコ DEJIMAの様相。オモチャ箱をひっくり返したようなというにふさわしい混沌ぶりです。
公演のフライヤーは、ちなつさんが銀髪にバズーカ砲を担いでいるのか?と思われましたが、担いでいるのは実は望遠鏡。テンガロンハットは本編ではかぶったところはありませんでした。
登場人物は何回か衣装を替えますが、どの衣装も和洋折衷というのか?デザインがおもしろくて。特にちなつさん、ありちゃん、ゆのちゃんの衣装は凝ったもので、みごとな着こなしでした。ゆのちゃんの尖ったら耳、かわいかったですね。オペラで耳だけ拡大して見てしまいました。
ツイッターで、「輝月はゆうま特出」というのを見てなんだろう?と思っていましたが、巷で宇宙人の噂を聞いたということでありちゃんが描いてみせた似顔絵が「BADDY」のときのまゆぽんの宇宙人にそっくり、てかそのもの。こういうディープな遊びも入っていて笑えました。これを笑える自分が少しこわい。
2幕めには客席からの登場もありました。
ちなつさんが下手後方の通路から、そのあとゆのちゃんが上手前方の通路から舞台に上がっていく演出です。私の席からはどちらも離れていて、近くは通らなくて残念でした。東京でもあるといいですよね。
カンパニーは梨花さんを入れて30人。この前のIAFAの新人公演で主役を演じた英くんが、今回も大きな役を得ていました。そして私がいつも出番が少ない!と不満を言ってるゆりさんも、今回はなかなか重要な役を演じて出番も多くて、私としてはホクホクです。顔の(歌舞伎風の)隈取りが特徴的で、フィナーレでもそのままでした。るうさんは物語が始まった時には既に亡くなっている設定でしたが、全編に渡って登場し、存在感はんぱなかったです。
梨花さんは時々登場するだけなのですが、あれは梨花さんにしかできない役でしたね。みごとに圧しがきいてました。
真ん中三人、ちなつさん、ありちゃん、ゆのちゃんは本当に登場シーンが多くて、ダブルまたはトリプル主演ともとれるような配役でした。もちろんちなつさんが、座長として学年の離れた二人をちょっと引いてあたたかく見守っている感はありましたけど。
ヒロインの海ちゃんはすごくキュート。固執しないさらっとした退場がかっこよかったですが、結ばれないのがちょっぴり切なくて。でもその分フィナーレでちなつさんとラブラブ感満載で、ここで消化不良を解消できた気がします。
フィナーレは海ちゃんを中心とした娘役さんの群舞で幕を開けます。芝居、フィナーレを通して「月」が大きなモチーフになっていて、フィナーレでも「うさぎ」(うさぎうさぎ何見て跳ねる)「月」(出た出た月が)などの童謡や、「ムーンリバー」「月光」(ベートーベン)などの月に関する曲が効果的に使われていました。「月光」にのせてちなつさん、ありちゃん、ゆのちゃんが踊るシーンは緊張感が張りつめていて。ちなつさんのソロダンスもあって、長い手足、指先まで神経のいきとどいた美しい振り。氷のようにシャープで、それでいて弓のようにしなやかな動きに目が離せませんでした。
終演後のご挨拶はシンプルなものでしたが、声が芝居中と全然違って、ほんわかちなつさんに戻っているのがまたほっこりして、幸せな気持ちで劇場をあとにしました。舞台のときと、素のときのあの落差はなんでしょう?反則ですね。やられます。
名古屋に移動して、明日は「赤と黒」です。月組三昧、つづきはまた明日に。