ブリリアホール、豊島区貸切公演。
全てのエントリーが外れてしまって、最後の頼みの綱、豊島区在勤のお友だちのご主人にお願いして、ラッキーなことに当選しました。チケットは本人が身分証明をもって引き取りに行かなければならず、本当にご厄介をおかけしてしまいました。貴重な機会、ありがとうございます。
一階のうしろめの下手。でも充分によく見えました。
案外小さめの外観です。1300席とか。
劇場は四階から。エスカレーターが一本しかなく、隣に広めの階段がありますが上ってる人はいなくて…並んでエスカレーターを待つ。
座席は段差もあり、膝前に余裕もあっていい感じです。
嗚呼、それにしてもなんたることか…
よりによってこんなチケ難の公演の日に、10年に一回ほどしか起きない発作が出てしまいました。これまで3回経験していますが、起きる条件的には閉じられた空間、大音量。二回は映画館ででした。体がムズムズし出し、小刻みに震え、とにかくじっと座っているのが辛い。効果的な解消法は立って外に出ること。でも一番奥でしたので意識でも失って騒ぎにならない限り無理な相談。一幕目が始まったとき、金属的な音の反響がひどくて(ヤバイかな)と頭をよぎったけど、まさかの…
閉所恐怖症でもパニック障害でもありませんが、たぶんに精神的なものだと認識しているので、ゆっくり腹式呼吸を心がけ、あとはもう早く幕間にならないかとそればかり。本当に残念なことに、舞台の方には集中できませんでした。
幕間に外に出て少しロビーを歩いてようやく回復。
二幕は暴力的な音もあまりなく、不調は治まってほっとしました。
二幕めは芝居の要素が強く、幕開けに登場しただけのサリエリがようやく出てきて、モーツァルトとの確執を描いていっています。
(一幕はほとんど意識がなかったので、たぶん)二幕目から出ているしどりゅー演ずる支配人が普遍的に人間くさくて面白く、なかなか見ごたえのある役どころでした。星組では見納めなんですね。宙組でのポジションが気になるところですが、がんばってほしいです。
フリードリン家の次女アロイジア(小桜ほのか)はじめ、モーツァルトの姉ナンネール(桜庭舞)、歌姫(夢妃杏瑠)、コンスタンツェの母(音波みのり)など娘役さんにも歌やセリフがいっぱいあって、さすがに座付きの脚本家がアレンジするとたくさんの役に見せ場を作れるものなんだなーと、つい昨日の月組のIAFAとの違いを感じました。その分トップと娘1の出番は減ってる勘定にはなりますが、それでも充分に二人の技量を堪能できました。逆に経験の浅い二人にかかる負担が少なくてよかったかもしれません。なにしろこれからスタートですから。
ことちゃんはこういう少年ぽさを残した役が似合いますね。今後いろんな役に出会いながら引き出しを増やしていくのでしょうが、今作は自分のフィールドでのびのびとできていたように感じました。
紅さんの元で鍛えられた?コメディやアドリブの才能を、かちゃ相手に発揮していたのが微笑ましかったです。マジメ一方の役柄のサリエルに「笑ったことあるの?」と持ちかけ、いきなり仰向けに寝転がって「サンシャイン水族館のアザラシ」と言って腕を短くパタパタして見せて、たまらずかちゃが相好を崩すと、「あ、笑った、よかった笑ってくれた」と素で嬉しそうにして。かちゃもここでちょっとふっと笑うの、いいですね。
ひっとんは愛くるしいビジュアルと反して、一種肝のすわった雰囲気を醸すのがうまく(てか素なんですかね?)、かなり変人のモーツァルトを実に巧みにフォローしていたコンスタンツェを、的確に演じていたのではないかと。野々さんや咲妃さんのように憑依型の役者ではなく、自分の中で計算して演じているような頭の良さを感じます。歌はもう少し、、きっとまだ伸びる人だと思います。ダンスはバランスのとれたコンビで、見ていて気持ちのいい流れでした。ことちゃん、あまり体格のいい方でないのに、これまた、どちらかと言えば小さくはないひっとんをリフトして回転してしまうという大技。これはやはり相手のひっとんの絶妙なジャンプのタイミングがなければ無理なことだと思います。ステキでしたが、ムリはしないようにしてほしいです。
客席降りもありました。奥行きが大劇場の三分の二ほどですのであっという間に後ろにまで到達。
ことちゃんもはけるときに、客席下手のドアからはけるところもあって、サービス抜群。
幕後の挨拶では、「今日はモーツァルトの命日です。この日に舞台に立てる幸せをかみしめています。」とご挨拶。おぉご縁ですね~
ブリリアホールでのこけら落とし公演、貸切が何公演もあって一般で買える日程が少なくたいへんなチケ難でしたが、確かにいつも大劇場で見かけるファン層とは異なる人たちも見られました。手拍子も揃わずおそるおそるな感じで、逆に率先して大きな手拍子をおくる、コアなファンの存在に引いているところもあったような。
ちょっとどうかなーと思ったのは、遅刻がめっちゃ多かったことですね。スタッフが出たり入ったり、けっこう周囲の方は迷惑だったのでは?新規のお客さんとは限らないし、よんどころのない事情はそれぞれあると思いますが、それにしても多かったかな…
千秋楽まであと10日ほど。明日の休演日はゆっくり体を休めて、最後まで走りきれますように。
お披露目公演、おめでとうございます。