赤坂ACTでの花組公演、原作が人気漫画ということもあってチケ難でしたね。私自身がエントリーしたものは全てはずれてしまって、これはもう観劇は叶わないものと諦めていましたが、急展開で息子の同級生のお母様のお友だち経由(どんだけ遠いの?!)で、3日前になって譲っていただけることになりました。しかも二枚!以前からお世話になっている、楽しいヅカ友達をお誘いして観劇しました。譲ってくださる方とは初対面で、代金と引き換えで現地で手渡し。宝塚という世界を知らなければ、アヤシイ取り引きですよね~😅ちなみに、宝塚では「よく」あるあるです。
平日でもあり、演目も演目なので、99パーセント?女性客。男性は私の目の届く範囲ではお一人しかいませんでした。今日は横アリチーム他十数人が16列めくらいの下手で観劇でした。わかったのは飛龍つかさ君と和海しょうさんくらい。学年の下の順から整然と並んで入場してくるんですね。
私たちは上手、14列目でした。オペラは要らないくらいの良席でした。
「花男」は、漫画も読んでなければテレビドラマも見てなくて、話題になっていたのでなんとなくは知ってましたが、どんな展開になるのかほとんどわからずに突っ込みました(笑)
学校の人気者男子と、(いろんな意味で)さえない女子の恋物語、という王道の学園ものですね。いわゆる「こそばゆい話し」、それこそ個人的ですが、ジャンル的にはワタクシ苦手な分野です。
私の好き嫌いは置いといて、感想をひとことで言えば、『れいちゃんにピッタリの作品』。まるで当て書きみたいでした。
れいちゃんの歌唱力についてマイナスの評価をよく見ますが、今日気をつけて聞いていた限りでは、音程ははずれてないし、聞けないほどでは全然ありませんでした。でも声量がないかなぁ…途切れてしまいますね。でも進化の余地はあると思えました。彼女については私はむしろ演技の方に注目しています。カサノヴァでも、メサイアでも、なんならもっと前のカリスタでも、わずかな出番ながら彼女の演技は目を惹き付けられるものがありました。思わず見入ってしまう、印象に残る、そんな感じです。
それにダンスがとても楽しそうで、見ていて幸せになりますね。
次期のトップの発表ももうすぐかと思いますが、彼女のもって生まれたスターオーラが活きる日も近そうですね。脚本演出をはじめとする制作サイドのみなさん、期待してますよ。
私の個人的に気になった演者を挙げますと、まずは音くりちゃん、さすがの存在感でした。おどおどした転校生から、迫力のスケバン風、そしてぶりっ子へと、変幻自在の変わり身。歌ってもうまいし、ほんとになんでもできる人なのね。
前作から突然のmy注目株になっている冴月瑠那さん、美容師、遊園地のスタッフ、コンテストの司会と大活躍。彼女の場合、良い意味で自分を消せるのでなんにでも化けられますね。上級生がこういう脇を固めてくれると、舞台に立つ若手は安心できますよね。
同じく羽立光来さん、彼女の場合はサイズが大きいのでピエロとか顔がわからない役でもわかっちゃいますが(笑)、滑舌のいまひとつの主な出演者が多い中(←辛口でごめんなさい)、口跡が鮮やかで(さすが~)とホッとしました。
しろきみちゃん、彼女97期なんですよね。102期のひっとん(舞空ひとみ)が星組の娘1、100
期の華ちゃん(華優希)が花組の娘1に決まった今、もうかなりのお姉さんになりました。制服はちょっときついなとはじめは思いましたが、段々顔と衣装がなじんで見えてきて、後半はほとんど違和感なく見られました。なんと言っても、安定の歌唱力と演技力で若いメンバーの中で要所要所を引き締めていたと思います。このあと大劇場に戻ってどんな立ち位置になるのか気にかかりますが、じゅりあさんやべーちゃんがいなくなった花組の実力者として、屋台骨を下支えしてくれるといいなと思います。
作品全体として、映像がとてもきれいでした。幕開けの漫画のキャラクターの紹介シーンは、絵の中から演者が現れるという演出で、私のように作品を知らない者にもわかりやすいつかみでとてもよかったし、遊園地の遠景やコンテストの舞台の様子、空港の搭乗口付近の背景もとてもうまく使えていました。なんといってもフィナーレの、クリスマスシーズンのニューヨーク、セントラルパークの映像が夢のように美しかった。その前で踊るれいちゃんとしろきみちゃんが、道明寺とつくしそのもののやりとりで微笑ましく、最後に見ている人を幸せに包んで終わるラストシーンでした。
ここからは気になったことを少し。
演出上若干鼻についたのは、暗転が妙に多かったかな。短いシーンで突然暗転。盆もないし、せりあがりもないので、シーンの転換には暗転が効果的なのかもしれないですが、突然バチンと光を落とされることが多いと、あれ?また?みたいな気持ちになりました。
それと、私が原作を全く知らないせいもあるのでしょうが、(あれ?これで終わり?)みたいな場面がいくつかありました。ここで終わりでもおかしくないな。ここで終わりでいいんじゃない?みたいな感触。一幕が終わったときも、これ以上二幕で何があるの?と思えました。Teens of JAPANコンテストは原作にもあるのでしょうか?取って付けたように感じましたが……一幕とあまりに色合いが違って、道明寺が道明寺らしくないし、ふたつの別の作品を見ているような錯覚を起こしかけましたが、その中で花沢類と静の物語が続いていて、(あ同じ話だった)と我にかえりました(笑)
ともあれこの「花より男子」は、れいちゃんにしかできなかった作品であることは確かだったと思うし、幕が開いてグングン評判を上げ、ファンを増やしたことも確実で、明日海さんの卒業が発表された今、花組の未来を明るく指し示す正に一条の「光」となったと感じました。
「花男」観られて良かったです。
愚息よ、今日ばかりはこのご縁をいただけたことに感謝です。