久しぶりの観劇。直近の「ファントム」以来、ちょうど1ヶ月ぶりです。
ファントムロスから立ち直るには、よいインターバルでした。ちなみに売り切れだったブルーレイ入荷していて、先週の土曜日に購入できました。
群盗はチケットが全滅で諦めてましたが、おけぴを探して、「譲ります(但し博多公演とセットで)」との掲示を見て、ご相談の結果運良く譲っていただけたものです。博多には行けない旨はお伝えの上です。
日本青年館、2階の上手。
昨日からの雨、しかも電車の遅延…ギリギリ駆け込みでした。
今日千秋楽だったんですね。つまり今回観た11時の回は前楽。(時期的に現役なら星組さんかな?と思われますが)観劇のジェンヌさんがいらしてたのか、客席をオペラでガン見する人びと。
それと、今日はどなたかの会の総見だったのでしょうか?えらく気合いの入った揃った手拍子に、若干引きました(^_^;)
さて本編。
まず音楽は、よく知ったクラシックのフレーズがあちこちにちりばめられていて、(月光やアベマリア、歓喜の歌)音楽が流れてる時はそっちに気をとられがち…
オリジナル曲の「遠く~遠く~」で始まる歌はいろんな場面で歌われてて、キャッチーな曲調で印象に残りましたが、なにしろそれに合わせる手拍子の拍が、少しずつ少しずつ先走りする早さで、生演奏じゃなくて良かったかも。生オケにはちょっとうっとうしいテンポだったかと。
脚本演出は小柳先生。私は作り手の側から観ることはあまりなくて、誰々の作品だからおもしろそうとか、観たいというアプローチは普段はしない。誰の作品にも駄作も佳作もあって、作品は演者の息づかいと、後は観終わったあと、自分が集中できていたかということで評価する。観る前にはあまり知識を入れないのがこだわり。まっさらな状態で観て、その時に自分が受けるものを新鮮に感じとりたい。ただ、宝塚作品を端から見てると、やはりこれは誰の演出とかいうことがなんとなく頭のどこかに入ってくることが多くて、今回も小柳先生ね…みたいな先入観はなくはなかった。
元々はシラーの戯曲だということで、また大上段に振りかぶったなぁ~というのが観る前の感想。シラーといえば、歴史上のビッグネームだものね。
1750年頃(江戸時代の半ばということかー)のドイツが舞台。貴族の青年のお決まりの放蕩や、兄弟間の跡目争いや恋の鞘当てを縦糸に、仲間たちの絆や裏切りや犠牲を横糸に話がまわる。どこかで聞いたような見たような…てか、むしろこれがすべての元なのか?
時代や国は違えど、人の世のならいはいずこも同じということか…人間て哀しいくらい進歩しないものなのね。
キキは爽やかな貴族の青年を演じて、彼女に勝るはまり役はいない。もうなんか、全然イヤミもない。酒や女にもそこそこ溺れたんだろうけど、その悪徳にも染まってない。父親が亡くなったことを知って悲しみ、自分のせいだと思って反省し、最後は愛する人を自らの手にかけて、後を仲間に託して粛々として死地に赴く。育ちの良さ全開でした。
今回2番手で屈折した弟を演じた瑠風君。アクが強いだけに、まぁ誰がやってもある程度こんな感じにはなるというところ。上背に恵まれ、いわゆる白い役より一癖ある役が似合いそうな渋い顔立ち。愛ちゃんにキャラが似てるかな?
子ども時代のフランツを演じた真白君うまかった。今後注目して見たい役者。穂稀君、声がいい。もっと歌を聞きたい。秋奈るい君、初めて意識したけど、こういうきつめの顔立ちわりと好き。ヘルマンを演じた希峰かなた。99期?マジ?何回も期を確認したほどの難しい役どころを演じきっていて感心。
きゃのんとりんきらがキキより期が上なだけで、あとはとにかく、すごく若いカンパニー。97期、98期以下にも注目の生徒がいっぱいいることがわかって、末が楽しみ~(^ー^)。
主たる登場人物がほとんど死んでしまうので、全体としては悲劇で重苦しい筋書きではあったけれど、キキの爽やかさと、若い生徒たちの勢いと懸命さが、当時を生きた若者の熱さに重なって、終演後の救われなさ感はあまりなかった。
中だるみも、冗長性もなく、言いたいことはちゃんと言えてて、余分なことはなくて、テンポのいい芝居でした。
私としてはかなり満足。
後の時代から見て、こんな幕引きではなくなんとかならなかったのか?といじれったい思いがあるのは、芝居の出来とはまた別の問題ではあるものの、人の世の業について考えさせられた観劇でした。
余談。
つばくろう(←ヤクルトスワローズの球団マスコット)ファンの私は、せっかく神宮球場の真ん前まで行ったのだから、と公式ショップを覗いてみたのですが、残念ながら定休日。
次に日本青年館にくるのはいつになるのか…つばくろうグッズを手に入れるのはしばらくおあずけになりますかね~😅